包括的性教育の不都合な真実⑤ - 文化マルクス主義(文化共産主義)によって「性&家庭」の秩序が崩壊
更新日:前回の記事では
- 世界初の性教育は、学生運動(極左活動)の副産物であり、「キリスト教的な価値観を破壊し性解放を成し遂げること」を裏の目的としていた。
- 「若者を堕落させれば、国の未来を潰せる」by 共産主義者
- 変態だったアルフレッド・キンゼイは、「自らの変態性を正当化するため」そして「性教育によって性道徳を破壊するため」に、キンゼイ報告書を作成。
- 「嘘まみれ」のキンゼイ報告書は、今でも世界中の性教育へ多大なる影響力を持っている。
等について みていきました。
第5回目となる本稿では、前回も言及した「性道徳の破壊」について さらに深堀りします。
現代社会から性道徳・性規範を破壊するための 共産主義者たちの戦略が、「文化マルクス主義」と呼ばれるものです。
文化マルクス主義(文化共産主義)とは?
次のような話を聞いたことがあるでしょうか?
人類史上、最も大勢の人間を殺したのは共産主義だ。
「共産主義」といえば、旧ソ連・中国・北朝鮮のような 独裁政権・人権蹂躙・暴力革命などをイメージする人が多いと思います。
しかし これは共産主義の一側面にすぎません。
実際に、暴力革命が成功したのは 旧ソ連や中国など一部の国家のみ。とくにキリスト教文化圏国家のような道徳的価値観がしっかりしていた国々では、暴力革命は成功しなかったのです。
1920年以降、暴力革命に限界を感じた彼らは作戦変更。
共産主義への情熱を持ち続けたまま、新たな仮面をつけることにしました。その仮面こそが、新共産主義(ニューレフト、新左翼)とも呼ばれる「文化マルクス主義(文化共産主義)」です。
文化、すなわち社会の内部(学校教育、マスコミ、芸術、エンタメ、家庭 など)に共産主義思想を植え付け、大衆の「意識そのもの」を変えてしまおうと企みました。
この理論をつくりだしたのが、「獄中ノート」の著者アントニオ・グラムシ*という人物。
従来型の共産主義革命は、国家のあり方を暴力などで変える「体制共産主義」。
一方「文化共産主義(文化マルクス主義)」は、国民の生活領域・意識領域から じょじょに変革していくという作戦です。
この作戦は大当たり! 共産主義の毒は、今や人類全体へ浸透していきました。
アントニオ・グラムシ
1891~1937年。イタリア共産党創設者の一人、マルクス主義思想家、『獄中ノート』著者。マルクス & エンゲルスの家族観・結婚観を継承。
西ヨーロッパでの共産主義革命(=労働者による暴力革命)が失敗したことをうけ、
(本来マルクス主義者たちは、資本主義が進んだ西欧社会でこそ共産主義革命が成功すると信じていました)
グラムシの祖国イタリアのように、カトリック教会が大きな影響力を持つキリスト教文化圏においては、まず資本主義社会の周辺人*へ 共産主義思想を(教育やマスコミを通して)浸透させようとしました。
*資本主義社会の周辺人 - 女性、移民者、新興宗教などの 社会的少数者たち
それによって、既存の国家や民族アイデンティティを解体させていけると信じたのです。
このような「内部からの革命」によって、キリスト教文化・倫理道徳・リーダシップを解体させるというヘゲモニー革命*を目指しました。
*ヘゲモニー革命 - 支配集団による知的・道徳的・政治的な指導権の革命
グラムシの思想は、その後ドイツのユダヤ系学者たちによる「フランクフルト学派」の原点となっていきます。
共産主義の本質 - 神・聖書への反逆
それでは「共産主義」とは何でしょうか?
巷では、単なる「経済システム」として 資本主義と対比しながら共産主義が解説されることがあります。しかしそれでは、共産主義の恐ろしさに気づくことはできません。
マルクス、エンゲルス、レーニン、スターリンは、神の存在を肯定していた
共産主義の祖といえばカール・マルクス。これは有名です(世界史の教科書にも登場します)。
しかし「マルクスが 神の存在を肯定していた」ことは、さほど知られていません。
これをきいて「嘘でしょ!?」と思った方も多いのではないでしょうか。
「共産主義 = 無神論」という認識が一般的。しかし、実はマルクスだけではなく エンゲルス、レーニン、スターリンなども、無神論者ではないのです。
ここで名前を挙げた人物たちは、みな神の存在を肯定していました。
ところが彼らは、「神が存在する」ことは認めているものの「神の権威」を決して認めなかったのです。
彼らは、いわゆる悪魔崇拝者(サタニズム、サタン教徒)でした。神の存在を肯定しつつも、神に反逆し、神ではなく悪魔を崇拝していたのです。
悪魔崇拝者らが、共産主義を生み出した
このように、共産主義思想を誕生・発展させてきたのは悪魔崇拝者たちでした。
すなわち共産主義とは、神への反逆と言い換えることができます。
マルクスは元々クリスチャン(キリスト教信者)ですから、「神への反逆」とは「聖書の教えの否定」を意味します。
映像の1:40〜 マルクスが神へ強い恨みを抱いていたことが分かります。
文化マルクス主義者の目的
ここまでの内容で
- 共産主義思想は、「神の権威」「聖書の教え」を否定する悪魔崇拝者たちが作り上げた。
- 共産主義者たちは、暴力革命による「体制共産主義」から、マスコミ・教育などを通して大衆の意識をじょじょに変えていく「文化共産主義(文化マルクス主義)」へ、作戦変更した。
ということを学びました。
文化マルクス主義者の目的を端的にいうならば、
「1.闘争や分裂による社会の混乱」
「2.伝統的な結婚観・家族観の崩壊」
そして、それらによって引き起こされる「3.国家の弱体化」です。
文化マルクス主義者たちの手口
実は共産主義者たちが使う革命の手口は、いつの時代も同じです。これは 体制共産主義であろうと、文化共産主義(文化マルクス主義)であろうと変わりません。
それは 「被害者意識」を利用する という言葉で表現できます。
「被害者意識」を利用する
共産主義革命には、必ず「被害者」という主役が存在します。
争いなど無いところに 意図的に対立構造をつくりあげ、双方を戦わせるというのが彼らの手口。
意図的につくり出された「被害者」たちに対して、
「あなた達は『支配者』によって抑圧されている、搾取されている。だから団結してこの支配階級をぶっ壊そう」と扇動します。
被害者意識につけ込み、恨みと憎しみを増大させていく、という作戦です。
人種差別と男女差別が「被害者意識」として利用されやすい
旧共産主義者たちは、資本家を「支配者」側に、労働者を抑圧されている「被害者」側に 設定しました。そして労働者に憎悪を植え付けて体制転覆を図ったのです。
現代の文化マルクス主義者たちは、以下のように 支配者側 - 被害者側 を設定しています。
支配者側 (革命の悪役) | 被害者側 (革命の主役) |
---|---|
白人 | 黒人 |
男性 | 女性 |
親 | 子 |
異性愛者 | LGBTQ |
健常者 | 障がい者 |
日本人 | 在日外国人 |
大都市圏 | 地方 |
※ 上記は一例です。また場合によっては、支配者側と被害者側が入れ替わることがあります。
かつて「資本家 VS 労働者」の対立と階級闘争を煽っていた彼らは、今では社会の少数派・弱者(女性、子ども、黒人、性的マイノリティ)をターゲットにし、革命の主役として利用しているのです。
BLM - 文化マルクス主義革命の一例
一例を挙げると、トランプ政権の時に発生した BLM(ブラックライブズマター)。あれは まさに黒人の被害者を煽ることによって引き起こされた社会運動でした。
ここで重要なポイントは、被害者たちは利用されたに過ぎないという点です。つまり共産主義革命家たちの目的は、黒人の救済などではなく、アメリカ国家の弱体化!
BLM
↓
トランプ政権の疲弊
↓
アメリカ国家の弱体化
被害者として利用された本人達は 気づいていない可能性もあります。
もし無意識のうちに共産主義革命に利用されていたならば、どれほど悔しいでしょうか。
文化マルクス主義者たちが最も狙っているのは「家庭」
そして、文化マルクス主義者たちが最も狙っているのは、私たちの「家庭」です。
どんなに素晴らしい伝統や文化を持っている民族であっても、家族を解体され、家庭を崩壊されては未来がないことを、共産主義者たちは熟知しています。
彼らは真の売国奴であり、国家転覆を願う輩。伝統文化の破壊者です。
それは西欧諸国だけの問題ではありません。日本国内においても文化マルクス主義の汚染が深刻です。
今、伝統的な「家族観」は解体の危機に晒されています。彼らは家族の概念までも書き換えようとしているからです。
すでに私たちは、「家族とは何か?」を明確に提示できなくなっています…。
家族を繋いでいるもの - 愛と性
それでは、「家族」を繋いでいるものとは何でしょうか? それは「愛」と「性(貞操を含む)」に他なりません。
これらは人間にとって最も重要なものであり、この価値観・倫理観が崩壊すると 社会全体も破滅へと向かっていきます。
※ 古代中国の兵法書には「敵国の地にスパイを送り込んで大衆の性道徳を退廃させ、戦わずして敵国の国力を低下させる方法」が記されていたようです。
「愛」という言葉は、マスコミ(=文化マルクス主義浸透の温床)によって「一時の感情でいくらでも変化し、やがて失われていくもの」「肉体的な情欲のように刹那的なもの」という印象を植え付けられてしまいました。
また「性」は、本来ならば とても高貴なもの。人格形成・意識・新しい生命の誕生と直結し、人生に絶大なる影響を及ぼします。その貴く価値ある「性」に目を付けたのが、文化マルクス主義者たちなのです。
彼らは、既存の「性」の価値観や規範(純潔や貞操)を否定し、破壊することに注力してきました。その影響は、すでに一般家庭へと広がっています。
先進国の少子化、非婚化、増加する離婚率、家庭崩壊による青少年の犯罪率増加は、すべて文化マルクス主義者による「国家弱体化」工作の結果です。
「性と貞操」の価値を毀損させる例
「性と貞操」の価値を毀損させる例として、以下を挙げる事ができます。
男女間の葛藤 - フェミニズム問題
フェミニズム思想を家庭に侵入させることで、男女を対立させる。
家族の解体と、家庭と社会の混乱をもたらす原因に。
男女の区別をなくす「私らしさ」- ジェンダーフリー問題
「男らしさ/女らしさ」という 人が本来与えられた尊い価値と役割を否定し、「私らしさ」という自由ばかり主張させること。
家庭と社会の混乱をもたらす原因に。
性的自己決定権 - フリーセックス問題
性的自己決定権とは、いつ、どこで、誰と性関係を持つのかを決める権利。
性道徳や規範を否定する社会(不倫、スワッピング、売買春、援助交際などが当たり前)となる危険性。
性道徳を教えない「性教育」
純潔や貞操を教える性教育の不在。幼少期から過激な性教育を行うことで、子ども達が 性の快楽の奴隷になる危険性。
家族の解体と、家庭と社会の混乱をもたらす原因に。
「多様な性」「多様な家族」という逆差別
差別禁止法という逆差別問題。
「性の多様性」「家族の多様性」というLGBT当事者(もしくは LGBT活動家)の権利ばかりを主張することで、それ以外の人々の権利をはく奪することに。
さて、これらの中には 包括的性教育のキーコンセプト(本シリーズの②)で登場した内容も含まれています。
「包括的性教育の中身」そして「文化マルクス主義」を学んでみると、包括的性教育は文化マルクス主義を広める道具であると気づくことができます。
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この記事のまとめ
包括的性教育の不都合な真実⑤ - 文化マルクス主義(文化共産主義)によって「性&家庭」の秩序が崩壊- 共産主義思想を誕生・発展させてきたのは悪魔崇拝者たち。共産主義の本質は、神への反逆/聖書の教えへの否定。
- 共産主義者たちの革命の手口は、争いなど無いところに 意図的に対立構造をつくりあげ、双方を戦わせること。
- 従来型の共産主義革命は、国家のあり方を暴力などで変える「体制共産主義」。
一方「文化共産主義(文化マルクス主義)」とは、文化、すなわち社会の内部(学校教育、マスコミ、芸術、エンタメ、家庭 など)に共産主義思想を植え付け、大衆の「意識そのもの」を変えてしまおうという企み。 - 文化マルクス主義者たちが最も狙っているのは「家庭」。
- 包括的性教育は、文化マルクス主義を広める道具である。
次回は 包括的性教育の内容から「包括的性教育とジェンダー主流化」について解説していきます。お楽しみに^^
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