「今だけ、金だけ、自分だけ」グローバリズムの正体 - 「縦・横ナショナリズム」の破壊とは?
更新日:マネー主義に基づく戦争・優生学・環境破壊。
世界の深層を知るにつけグローバリストたちの異常さに気づく。一般的な日本人のメンタルではちょっと理解しがたい。
鈴木宣弘東京大学教授は、グローバリズムの本音を「今だけ、金だけ、自分だけ」と喝破された。
「縦軸・横軸のナショナリズム」が、「今だけ、金だけ、自分だけ」のグローバリズム によって破壊されている。
グローバリズム「今だけ、金だけ、自分だけ」を語る前に、その対立軸であるナショナリズムを縦横 二つの観点に分けて復習しておきたい。
横軸のナショナリズム - 共同体、経済、思いやり
まずは「横軸のナショナリズム」から。
国民同士の助け合いこそ、ナショナリズムの本質である三橋貴明
横軸のナショナリズムとは「共同体」を大切にする思いやりである。共同体とは家庭・地域・国家のこと。
横軸のナショナリズム = 思いやり
保険年金制度も、国防も、思いやりなしでは成立しない。
一人一人の思いやりが、家庭・地域社会・国家という共同体を支えており、同時に互いを守りあっているのだ。
これが「横軸のナショナリズム」であり、いわば「お互い様」のことだ。
縦軸のナショナリズム - 歴史・伝統・血統
国家とは祖先たちと現在の私たち、そして子孫たちの三者による共同事業である。エドマント・バーク
過去・現在・未来という三世代のつながりこそ、保守主義の基盤。私たちの誰一人として、祖先なしに誕生しない。
そして、祖先からつないで頂いた生命の糸を、現在の私たちが子や孫へ立派につないでいくことが 私たち現役世代の役割。
歴史・伝統・血統
この過去から現在、未来への時間軸(縦軸)を「歴史・伝統・血統」と捉えることができる。この縦のつながりこそが、私たちのアイデンティティ。
皇統への思い、愛国心も、縦軸のつながりから湧き出ずるもの。日本人は死んだ祖先たちと共に生きることで、誇り高くあり続けることができた。
これが「縦軸のナショナリズム」だ。
過去の恩恵は、未来へ返すしかない
双方向の「お互い様」である横軸とは違い、縦軸の矢印は 過去から未来への「一方通行」である。
過去の祖先たちは もうこの世にはいない。したがって現代に生きる私たちは、過去の祖先から受けた恩恵を、未来の子供たちへ「返す」ことになる。
祖先が私たちに無償で与えたくれたように、私たちも子孫たちへ無償で授けるのが道理だろう。
自分だけが幸せになろうとする思想・風潮(個人主義、DINKS等)が、いかに思い上がった勘違いであるかがわかる。
縦横両軸の安定が幸せの秘訣
縦糸と横糸がしっかりしていれば、物理的に安定する。
同じく
- 縦と横の軸が明確である時、私たちは安定する。
- 縦と横の軸が健全である時、私たちは幸福である。
すなわち、アイデンティティの話だ。
縦横の軸がハッキリすると、自分が何者であるかがわかり、何(誰)のために生きているのかが明確になる。
人生の目的がわからない方は、ぜひご自身の縦軸と横軸を整理してみてほしい。
縦横軸が健全であった日本国
縦横の軸が健全であったからこそ、日本国は健全であった。
我が国の歴史は少なくとも皇紀2600年。実際には数万年単位という、世界最古の伝統ある国家だ。
神話から続く万世一系の天皇を戴き、東西南北各3000kmの国土で同一言語を話し、各郷土ごとに独特の伝統文化を誇る。
由緒ある縦軸と、重厚な横軸こそが、我が国の強い基盤であった。
「今だけ、金だけ、自分だけ」
戦後の「神なき個人主義」は、個人の意思や欲望を追求することが最善だとし、そのためには縦横の絆を断ち切ってもよいとした。 (中略) その結果、個人主義は利己主義に成り果て、今日さまざまな腐敗現象をもたらす原因となっている。八木秀次「国民の思想」
ところが、この縦横の軸を失った人々がいる。グローバリストたちだ。
- 縦の時間軸(歴史)を喪失
→ 今だけ - 横の空間軸(共同体意識)を喪失
→ 自分だけ
縦軸(歴史)も横軸(共同体)も目に見えない。特に縦軸はそうだ。亡くなった祖先たちは、もうこの世にはいないのだから。
目に見えない価値基準を失った人々の価値判断の軸は、目に見える物質的なものに頼らざるを得ない。つまり「カネだけ」となる。
これが「今だけ、カネだけ、自分だけ」の正体だ。
「今だけ、カネだけ、自分だけ」を押し付けるグローバリストたち
共産党独裁政権と、それと思想的に同根・双子であるグローバリズム(新型共産主義)。
北京とウォール街の支配者たちが、ともに「今だけ、カネだけ、自分だけ」である理由がここにある。
しかもグローバリストたちは、自分たちの価値観を世界中に押し付けた。
つまり、私たちの縦糸と横糸を切断してきた。
革命 → 伝統・宗教・社会道徳 の否定
それが、戦後のGHQ・共産主義・フランクフルト学派・カウンターカルチャー等であり、冷戦後のグローバリズムである。
革命活動
これら革命活動の攻撃対象は、古くは政治体制であった。しかし現在、グローバリズムのメインターゲットは、縦軸・横軸の破壊に設定されている。
古き良き家庭文化を破壊し、愛国心を喪失させようとする現象がまさにそれだ。
グローバリズム - 攻撃対象
縦軸 | 皇室、歴史、伝統、血統、文化、信仰、教育 |
---|---|
横軸 | 共同体、愛国心、地域社会、家庭、思いやり、絆、人間関係、倫理・道徳、経世済民 |
グローバリズム - 攻撃手段
- ジェンダーフリー
- フリーセックス
- ウーマンリブ
- LGBTQIA
- 個人主義
- 反日教育
- 自虐史観
- 多文化主義
- 男女共同参画
- ポリティカルコレクトネス
- ヒッピー
- ドラッグ
- ロック
- 暴力
- 映画、ドラマ、小説、漫画
グローバリズム - 結果
グローバリズム(新型共産主義)の結果が、家庭崩壊、学級崩壊、地域破壊。
愛国心は、今や異常な扱いを受ける日本となってしまった。
グローバリズム = 新しい宗教
縦・横の軸を喪失し、子供たちの価値観が混乱。
そこへグローバリストたちは、新しく人権教育・平和教育などという さも道徳的な看板を用いて、子供たちを洗脳してきた。
祖先と分断された私たち
21世紀の日本人が、祖父母世代の日本人とまったく違うのは、こうした経緯がある。
伝統や共同体を大切にしてきた 誇り高き私たちの祖先。
一方、現代の私たちは「今だけ、カネだけ、自分だけ」になっていないだろうか?
敬天愛人 - 西郷隆盛と聖書に見る縦横の軸
ところで、内村鑑三は「代表的日本人」の一人に西郷隆盛を挙げたが、西郷は日本の経営者たちから人気が高い。
京セラの稲盛和夫会長のように、企業理念として「敬天愛人」を掲げる創業者が多いのだ。
敬天愛人 - 南洲翁遺訓
敬天愛人とは、西郷の教えを教えをまとめた南洲翁遺訓からの出典。
道は天地自然のものにして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。
天は人も我も同一に愛し給う故、我を愛する心を以て人を愛する也「南洲翁遺訓」より
- 「敬天」は、縦軸のことであり、
- 「愛人」は共同体を愛する思いやり、横軸を表している
と筆者は捉えている。
キリストによるいましめ
「心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ」
これがいちばん大切な、第一のいましめである。
第二もこれと同様である、
「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」新約聖書
マタイによる福音書 22:37-39
- 第一のいましめは、主なる神を愛すること。
- 第二のいましめは、自分を愛するように隣人を愛すること。
普遍的価値
一説によると、西郷隆盛は聖書から影響を受け、上記の節から「敬天愛人」のインスピレーションを受けたとも。
史実については本稿の範疇を超えるので差し控えるが、真理を追求すると、古今東西を問わず 普遍的な結論に達するのかもしれない。
日本を取り戻す - 君民一体
日本という国家は、天皇を中心とする共同体。馬渕睦夫
我が日本国民は、神話の時代から天孫と共に生きて来た「君民一体」の国である。
私たち日本国民を大御宝(おおみたから)と慈しんでくださる歴代天皇の大御心(おおみこころ)。
それに寄せてきた日本国民の信頼と敬愛とに育まれてきた数千年の絆。
これは契約関係ではない。権利・義務で成立しているのではない。私たちは家族なのだ。
日本とは、縦軸も横軸も血でつながっている稀有な国家、文明なのだ。
「今だけでなく、カネだけでなく、自分だけでなく」
それを破壊しようという「今だけ、カネだけ、自分だけ」グローバリズムは、私たちの幸福になんら必要ない。
「今だけでなく、カネだけでなく、自分だけではない」西郷隆盛のような日本人に、私たち一人一人がなろうとしなければならない。
命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るものなり。
この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。南洲翁遺訓
日本を取り戻す
故安倍総理は「日本を取り戻す」と仰った。
安倍総理の夢は、「戦後レジームからの脱却」にとどまらない。
君民一体、「天皇を中心とする共同体」を取り戻すことであったのではなかろうかというのが、馬渕睦夫 元ウクライナ大使の見解だ。
縦・横ナショナリズムの礎石 - 「家庭」
では、私たち普通の日本人が日本を取り戻すには、何をしたら良いのだろうか。日本を取り戻すとは、縦横の軸を取り戻すことだ。
そして、縦横の軸を取り戻す鍵は、「家庭」にこそある。縦軸の礎も、横軸の礎も家庭だからだ。
修身斉家治国平天下
家庭こそが過去の祖先と、現代の私たちと、未来の子孫を血でつなげている。また、私たちが最初に知る社会は母であり、家庭だ。
家庭において、日本の正しい歴史・文化・伝統・信仰・血統を育み、継承する。
日本の家庭が健全であれば、日本は必ず健全となり、強く明るい国になるだろう。
「幸せな家庭こそ、最強の国防」なのだ。
この記事のまとめ
「今だけ、金だけ、自分だけ」グローバリズムの正体 - 「縦・横ナショナリズム」の破壊とは?- 日本は縦軸(歴史・伝統)・横軸(経済・思いやり)の両軸が安定した、豊かな国家であった。
- 縦横両軸の基盤は家庭。
- グローバリズムは、縦横の両軸を破壊する「今だけ、金だけ、自分だけ」の思想。
- 「今だけ、金だけ、自分だけ」で日本は衰退へ向かっている。
- 縦軸・横軸を取り戻すことで「今だけ、金だけ、自分だけ」を克服し、日本は必ず復活する!