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2020米国大統領選挙「MAGA」でわかるトランプ大統領の政治理念

更新日:2020米国大統領選挙「MAGA」でわかるトランプ大統領の政治理念

2020アメリカ大統領選挙の11月3日がいよいよ近づいて来た。大多数の米国世論調査では、民主党バイデンが有利と予想されているが、共和党トランプの勝利を予想する識者もいる。

ではトランプが再選すると、アメリカと日本、世界は一体どうなるのか?


トランプの政治理念を探る一つの手がかりこそ、1期目の2016年大統領選で掲げた「MAGA」こと「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン (米国を再び偉大にする)」。

オバマ政権の掲げた「ファンダメンタリー・トランスフォーム・アメリカ (米国を根本から作り直す)」と対比することで、より明確にトランプの政治理念が見えて来る。

同時に、21世紀アメリカ政治の対立軸も理解しやすくなる。

目次
2020米国大統領選挙「MAGA」でわかるトランプ大統領の政治理念

MAGA大好き MAGA HULKさん

MAGA Hulk(マガ・ハルク):メイク・アメリカ・グレート・アゲイン

MAGAハルクさんは、熱狂的なトランプ支持者。分厚い筋肉とMAGAハットがトレードマーク。

トランプ支持層が薄いとされる黒人の愉快なお兄ちゃんだ。しかしBLMは茶番とばかりに目もくれず、トランプとアメリカが大好き。全米を元気にしてくれる陽気なタフガイだ。

MAGAは巨大IT企業?

「MAGAは Microsoft、Apple、Google、Amazon の略語」というトランプ大統領の冗談が少し話題になったことも。

では、MAGAとは本来 何を意味するのか?

MAGAとは? メイク・アメリカ・グレート・アゲイン!

共和党トランプ大統領の選挙スローガン「Make America Great Again」を略して「MAGA」と、多くの支持者が愛情を込めている。

トランプ政権の1期目でアメリカが本当に力を取り戻したので、2期目の2020年大統領選は「Keep Amarica Great」で選挙戦を展開。

1980年レーガン大統領が使用

レーガン大統領のMAGA

第45代トランプ大統領は、第40代レーガン大統領の後継者だと 多くの識者が位置付けている。実は、レーガンが1980年の大統領選で使用したキャッチフレーズこそMAGAだった。

反共で有名なレーガン大統領は愛国心に溢れ、アメリカを「丘の上の輝く街」であるべきだと国民を鼓舞。2期8年間で強いアメリカを取り戻し、米ソ冷戦を終結させるなど歴史的な偉業を達成した。

オバマ政権で分断されたアメリカ

オバマの分断統治

前政権のオバマが2017年まで行っていた政策は、本質的に分断統治*。少数派(マイノリティ)を扇動して、多数派(マジョリティ)を攻撃させる。これはかつて共産主義者が労働階級を扇動して、富裕層を攻撃させた階級闘争と全く同じ構造だ。

「男 vs 女」「白人 vs 黒人」「高齢者 vs 若者」「健常者 vs 障がい者」。オバマ政権は経済だけでなく、性別、人種、年齢などの多岐に渡って、彼のいう「差別」を訴えてアメリカを分断した。


* 分断統治 - 統治者が被統治者間の人種、言語、階層、宗教、イデオロギー、地理的、経済的利害などに基づく対立、抗争を助長して、後者の連帯性を弱め、自己の支配に有利な条件をつくりだすことをねらいとし、植民地経営などに利用された(wikipediaより)


参考記事:

「過激派のルール」アリンスキー - 元祖 市民運動家の手口とは?極左社会運動家アリンスキーの「過激派のルール」は悪魔的手法で住民を組織化した?日本の市民運動でも活用されているという「コミュニティ・オーガナイジング」の元祖はデマの天才だった?

ポリティカル・コレクトネス

オバマ政権が急速に推進したのが、LGBTQダイバーシティ(多様性)などのポリティカルコレクトネス。これらは言葉狩りの道具となり、アメリカ社会に閉塞感を拡大させた。

実はマイノリティであるはずの黒人、LGBTQ当事者ですら、ポリティカルコレクトネスが息苦しいという統計すら出ている。

ケーキ屋さんがLGBTに攻撃された

コロラド州のウェディングケーキ事件

オバマ政権下のアメリカでは、キリスト教信仰を持つこと自体が攻撃の対象とされて来た。日本で神道や仏教が差別されるより不自然な状態と言える。

同性婚ウェディングケーキ作成拒否事件

2012年 コロラド州で、とあるLGBTカップルのウェディングケーキを、敬虔な信仰を持つケーキ屋さんにあえて注文する事件が発生。

ケーキ職人のジャック・フィリップスさんは、信仰上の理由でとても心苦しく申し訳ないが、と丁重にお断りした。結婚を男女の神聖な結合と見る キリスト教の伝統的価値観に従ったものだ。

これがリベラルなマスコミから非難を浴びた。フィリップさんは店を畳んだ上、訴えられることに。最終的には2018年6月、最高裁で勝利したものの、信仰の自由を理不尽に傷つけられた。

あえて敬虔なクリスチャンを標的に

LGBTカップルにケーキを焼く店ならいくらでもある。この事件は、あえて敬虔なクリスチャンを標的にした左翼市民活動だったという見方が有力だ。

同様の事件と裁判は、アメリカで頻発。アメリカの伝統的価値は沈黙を強いられている。

「メリークリスマス」が禁止?

オバマの犬ボー:ファーストドッグ、

清教徒の信仰で建国されたアメリカが、今や事実上「信仰の自由」が保障されない事態に直面。

米国民の7割がクリスチャンだが、驚くことに「Merry Christmas」が差別用語とされたのだ。キリスト教徒以外への配慮に欠けているとの理由。

しかし当のユダヤ教徒・イスラム教徒も、その多くがメリークリスマスを不快に思わないとの調査がある。

実に不自然。一体誰のためにメリークリスマスを禁止としたのか?

オバマのXmasカードには犬

オバマ大統領の就任期間、彼のクリスマスカードには「Happy holidays」とだけ書かれた。ハッピー・ホリデー? 日本人ですら何だか物足りない。

カードの絵にはイエス・キリストの代わりに、オバマ家のペットであるボー君(犬)が登場。

オバマの夢「ファンダメンタリー・トランスフォーム・アメリカ」

2016米国大統領選トランプ・オバマ比較表

オバマの分断統治による傷跡は深く、2020年のアメリカ社会は内乱状態に陥っている。BLMで暴動を起こしているのが、オバマ・バイデンの民主党支持者とほぼ重なるのは 偶然ではない。


ではアメリカを分断、内乱状態にして、オバマ政権は一体何をしたかったのか? ディープステートの支援で誕生したオバマ政権の悲願は、「Fundamentally Transform America (アメリカを根本的に作り変える)」。

オバマがアメリカ建国の精神を軽んじ、米国の歴史を否定、修正するとされる理由はここにある。ジュリアーニ元NY市長の弁では「オバマはアメリカを愛していない」。

共産主義思想で アメリカ建国精神の破壊

共産主義者バラク・オバマ大統領

共産主義思想を隠し持つオバマ元大統領は、アメリカを信仰なき世俗国家、社会主義国化したかったのだ。

大統領になるための世間体もあり、オバマも名目上だけはプロテスタント所属。しかし大統領になってからも、日曜礼拝にはろくに参加していない。歴代大統領は礼拝への参加映像を放映するのが恒例なので、異例と言える。

アメリカが偉大である源泉とは建国精神と、その基盤であるキリスト教精神。我が日本国で言えば、皇室にあたるような位置付けだろうか。

その破壊に勤しんだ8年間を、オバマはホワイトハウスで過ごした。日本で言えば、皇室を嫌う辻本清美 衆院議員が総理大臣だったようなものだろう。


参考記事:

悪魔崇拝者アリンスキーが オバマ大統領の師匠だった?自身が疑惑のオバマゲートで揺れるオバマ元大統領。その師匠アリンスキーが悪魔崇拝者だったって本当?そのさらに師匠が共産党宣言のマルクスって本当?

アメリカの低迷

事実、オバマ政権でアメリカ経済も失速。中国が台頭する一方、アメリカ国民は自信を喪失。何百万人もの中間層が路頭に迷い、建国精神ではなく、福祉に頼るようになった。

オバマケアで正規雇用が減少

唯一の実績とされる保険改革・オバマケアも、実際は正規雇用を減少させ、非正規雇用を増大させた失策。

雇用主が正規社員に保険料を払いたくないからだ。オバマ政権は、こんな簡単なこともわからなかったのか? そうではなく「オバマケアで意図的にアメリカを弱くした」との見方さえあるのだ。

MAGAで 建国精神の復活!

神の下の一つの国家アメリカ合衆国

オバマ政権の目指した社会主義国化に対して、トランプ政権はアメリカ建国精神である「神の下の一つの国家」を目指している。

2017年2月の全米祈祷朝食会でトランプは、第3代トマス・ジェファーソン大統領*の格言を引用した。

自由が神からの賜物だという確信をなくした時、国家の自由を保てるだろうか

基本的人権は他人からでなく、神からの賜物

我々の権利が政府(人間)から与えられたものとするならば、政府(人間)がその権利を奪うことができる。共産主義国家がまさにそれだ。ウイグルにおける人権弾圧は常軌を逸している。

ジェファーソンの格言は、神の存在こそが自由を保証していることを意味する。トランプは、分断し衰退し始めたアメリカの再建に、建国精神とキリスト教精神の復活を訴えたのだ。


*トマス・ジェファーソン - 第3代米国大統領。アメリカ独立宣言文を起草した。

大統領令で「信仰の自由」保障

トランプが信仰の自由保障を促進する大統領令に署名

2017年5月4日 トランプ大統領は、信仰の自由を保障する大統領令13798号に署名。教会や企業がその信念、信条に従う自由が認められた。

キリスト教精神に基づいて会社経営をしたり、病院や慈善事業を運営する事業者は日本でも数えきれない。多くのキリスト教徒がこれに歓喜。

オバマ政権では、信仰の自由を家庭や教会のドアの中でしか認めなかった。社会活動の場では事実上放棄することを国民に迫ったのだ。それをひっくり返したのがトランプによる大統領令だった。

「メリークリスマス」復活!

メリークリスマス

信仰の自由を守る大統領令の署名に伴い、トランプ大統領は宣言した。

信仰を持つ人々が標的にされ、いじめられ、沈黙させられるのをこれ以上許さない。

そして就任一年目の2017年12月に、トランプ大統領は「Merry Christmas」を復活させたのだ。

ポリティカルコレクトネスの糾弾に怯まないタフな大統領でないと、多くのアメリカ人は今年も「メリークリスマス」と家族以外には言えなかったかもしれない。

Make America Great Again!

建国精神の土台であるキリスト教を、執拗に攻撃したオバマ政権。バラク・オバマは親も教師も共産党員の環境で成長した経緯がある。アメリカを自分たちの共産主義理想に沿うよう、根本的に作り直す取り組みをしていた。

しかし、2016年ヒラリー・クリントン元国務長官に、その夢の続きを託すことに失敗。「Make America Great Again!」を主張したトランプが、彗星のごとく登場したのだった。

アメリカの破壊 vs 復活

トランプ大統領が今何をしているのか? これで見えてくるのではないだろうか?

「建国精神、キリスト教精神への攻撃でアメリカ破壊」を狙ったオバマ

それに対してトランプは、「建国精神、キリスト教精神を呼び覚ますことでアメリカの復活」を主張しているのだ。

これを日本のメディアが解説しないので、日本国民がいまいちアメリカ政治を理解できず、ひいては国益を害している。2020大統領選を見る上で、こうした観点も参考にして頂けたら幸いだ。


参考記事:
『アメリカ・ファースト』批判が的外れの理由 "トランプ大統領は排外主義" のデマアメリカファーストは米国中心ではなかった?歪曲された実像を正しく知ることで、一見破天荒なトランプ大統領の政治が
【グローバリズム vs 民主主義】アメリカファーストの意味はディープステートから国家主権を守ることトランプ大統領のアメリカファーストは、米国の国家主権は米国民のものであるとの宣言。グローバリズムとは民主主義の否定。日本も


この記事のまとめ

2020米国大統領選挙「MAGA」でわかるトランプ大統領の政治理念
  • MAGAとは「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン!(米国を再び偉大にする!)」の略。1980年レーガン大統領が使用したスローガンを、2016年トランプ大統領も用いた。
  • MAGAの理想は建国精神「神の下の一つの国家」。トランプ大統領は、その土台であるキリスト教精神の復興を米国民に訴えた。
  • オバマは「ファンダメンタリー・トランスフォーム・アメリカ(米国を根本から作り直す)」を掲げ、建国精神、キリスト教精神の破壊を目指した。
  • オバマ政権8年で、米国民の多数派であるはずのキリスト教徒が、信仰の自由を事実上弾圧されていた。経済も停滞し、社会も分断、閉塞感が拡大した。
  • オバマ政権で禁止された「メリークリスマス!」を、トランプ大統領が復活。大統領令で、信仰の自由保障を促進する内容に署名した。
  • 2020年大統領選のスローガンは「キープ・アメリカ・グレート!(米国を偉大なままに!)」
ルーク18
ルーク18

三世代家族推進運動の提唱者
「幸せな家庭こそ、最強の国防」が持論。
家庭を幸せに導くアプローチを、様々な観点から世に問う。

環太平洋諸国を巡った青春時代
各国で訪れた孤児院が人生の転機

夢は 世界平和!