ディープステートの戦略②『国際協調主義』 - 外圧で国家を上から支配?
更新日:ディープステート(DeepState)の手口について、前回記事に引き続き 解説していく。
国連、EU、WTO、IMF などには、大いなる闇が潜んでいる。名目上は、いずれも大戦争の反省から誕生。日本ではこうした国際機関は「平和の象徴」として崇められて来た。
しかし その実態は、ドロドロとした国際社会の政治舞台。そして今日、それら国際機関はディープステートのコントロール下。加盟国支配の道具に成り下がっているという。
- 何故イギリスは、EUを離脱したのか?
- トランプ大統領が「America First」を掲げた真意とは?
本稿でこれらの理由も見えてくる。
国家を上から支配するトラップ
「国際協調主義」を推進したのは、その名の通り「国際主義者 = グローバリスト」。そしてグローバリストの総本家こそ ディープステート。
国際協調主義という響きは美しい。が、「国家主権の制限」こそ 彼らの本当の狙い。
国連は、民主主義選挙を通過していない職員たちの機構だ。しかし、彼らは民主主義で選ばれた各国政府に、上から指導ができる。
国家と民主主義の否定
左がWHOテドロス事務局長(wikipediaより)
これは民主主義の否定と言える。世界を牛耳りたい勢力が、自分たちの意に沿う人員を、民主主義選挙を経ずに送り込むことも可能。
- 2020年時点で、国際機関15のうち 中国人トップは4。WHOテドロス事務局長はエチオピア出身だが、中国傘下であることが誰の目にも明らか。それでも日本政府と厚生省は、WHOの見解、指導を無視できない。
- 国際通貨基金 IMFが、日本の財務省に消費税率アップを「指示」。2030年には20%。2050年には30%が目標値。日本国の経済不況を促進する増税政策を、なぜ国際機関のIMFが? 日本国民は、IMF職員を選挙で選んでいない。一体誰のために?
共産党も国家の上位にある
これは共産主義体制と同じシステム。中国共産党は国家より上位にあると、ニュースで聞いたことはないだろうか。
共産党もまた、民主主義で選ばれていない一部エリートが、国家(国民=奴隷)を支配。人民を搾取している。
新自由主義は「市場」を国家の上に置く
マネーが国家を超える「新自由主義」。それを進めると、究極的には国家が民営化される。
「市場経済化を進めていくと、やがて国家も民営化される」
ー ジャック・アタリ ー
新自由主義 - 「小さな政府」と「市場の自由」を徹底して追求する経済論理。マネー至上主義で、国営企業の民営化、大幅な規制緩和、社会保障制度の弱体化を招く。リストラも堂々と実施され、格差社会を極端に拡大した。日本の小泉改革はその典型。
ジャック・アタリ - ユダヤ系フランス人経済学者。歴代フランス首脳のブレーン。欧州最高の知性とされ、パンデミック、リーマンショックなど数々の「予言」を的中。ディープステートの広報係という見方もある。
金融には国境がない
新自由主義を主張したのは、ユダヤ人経済学者ミルトン・フリードマン。歴史的にユダヤ人(ユダヤ思想)では「国家概念」が希薄だという。
金融というシステムは、生来的に無国籍。国際金融資本家が金儲けをするにおいて、国家主権は規制・障害にすぎない。
新自由主義で金融を最優先にすると、やがて「世界統一市場」「世界統一通貨」が誕生する。そして そこには、国家安全保障上の重大リスクが隠されている。
理不尽な「自由貿易」
新自由主義を推進するグループは「自由貿易」という美名のもと、国家主権を剥奪してきた。具体的には、関税自主権を撤廃。これでは自国産業が保護できない。
途上国の安い商品が溢れる一方、自国の高品質商品は 海外の富裕層(支配層)のもとへ行く矛盾。やがて国家は自立できなくなっていく。
*関税自主権 - 国家が輸入品に対して、自由に関税を決められる権利。安い外国製品に税金をかけることで、自国製品を保護する役割などがある。
自立できない国家
例えば2018年、日本の食料自給率は37%にまで低下。63%は海外に依存しているのだ。
国家有事の際、我が国が食糧危機に陥ることは 今や不可避。
東インド会社は「国家を経営」した
ジャック・アタリの予言には、すでに前例がある。
かつて「東インド会社」が植民地経営をした。世界初の株式会社とされる オランダ東インド会社は、ユダヤ資本で設立。
一介の「株式会社」が軍隊を所有して戦争。条約まで締結し、植民地を経営。アヘン貿易で中国を壊滅。GAFAどころではない、異次元の株式会社だ。
植民地とされた地の民がどう苦しんだかは、広く知られている。自国で最下層民として暮らし、栽培した食物は欧州へ安価に買い叩かれ、時には人身売買まで。
日本が立ち向かうも
この数百年、帝国主義による人種差別は 人類を悩ませた。そこで立ち上がったのが、我が日本。
国際連合において、人類史上初の「人種差別撤廃条約」を提案。世界が驚いた。
第一次世界大戦後、国際連盟創設を議論したパリ講和会議においての出来事だ。日本の提案は各国に支持され、過半数の賛成票獲得に成功。
ウィルソン米大統領の「新世界秩序」
しかし、パリ講和会議を主宰したアメリカの第28代ウィルソン大統領が、承認を拒否。理由は全会一致でないという不可解なもの。
実は、ウィルソン大統領はディープステートの傀儡。パリ講和会議を開く際に掲げた文句が「New World Order」。日本語に訳すと、そう ディープステートの大好きな「新世界秩序」だ。
平和機関が人種差別撤廃条約に反対?
「平和機関」であるはずの「国際連合」が、人種差別を擁護。これは国際連合が、ディープステート支配下にあることを露呈した瞬間だった。
その後 日本は、ディープステートに操作されたアメリカにより、戦争へと引きずり込まれた。憎しみを煽るつもりはないが、最後には原爆まで落とされた。
人類奴隷化を阻止する日本の力を、恐れたのだろう。
EUが 加盟国の国家主権を剥奪
「欧州は陸続きのため、戦争の被害に悩んだ。たどり着いた平和システムこそEU」だと、日本の学校では学習する。
しかし、EUが国家破綻を促進するトラップとして ディープステートに計画されているとは、なかなか想像するのは難しい。
新自由主義で 金融を最優先にすると、世界統一市場となる。そして そこには、国家安全保障上の重大リスクが隠されていた。
EU加盟国は ①自国通貨を持たない?
まずEU加盟各国には、通貨発行権がない。
EU中央銀行が通貨ユーロをコントロールするため、独自の金融政策を展開できない。これは景気対策で、致命的なハンデを背負っている。
PIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)が財政危機から抜け出せないのは、このトラップがあることも大きい。
EU加盟国は ②関税自主権もない?
「自由貿易」だから、関税自主権もない。それではギリシャのように国内産業が弱い国は、すぐに破綻してしまう。
国家売却は 時間の問題
不況なのに、前述通り金融対策もできない。すると国民に増税するしかない。
国家破綻したところで、インフラは外国資本に売却。国家運営はギリシャ人の手を離れる。
美しいギリシャのパルテノン神殿
EUという新植民地制度
EUという巨大自由貿易圏は「新しい植民地システム」だった。
ギリシャ国民がそう気づくのは、人類共通遺産ともいうべき古代ギリシャの遺産や国土を、売却し終わった後になるかもしれない。
そしてそれを買うのは、国際金融資本家、ディープステート
イギリスのブレグジット
イギリス国民がブレグジットに走った理由の一つが、こうした「国際協調主義の罠」に気づいたこと。
「イギリスの未来を、イギリスの選挙を通過していないEU職員、いやディープステートにはもう委ねない」との結論を出したのだ。
グローバリズムに反対するトランプ大統領
WHOを脱退、パリ協定も撤退、TPPも離脱。トランプ大統領がまるで「国際協調主義を軽視している」かのような批判が、日米メディアでは見受けられる。
真実は、ディープステートの傀儡である国際機関を信用せず、自国保護を大切にしているのだ。
「民主主義を経ていない国際機関に、アメリカを支配させない。アメリカを統治するのは、民主主義選挙、つまりアメリカ国民自身だ」という信念。
こうした観点から、トランプ大統領の語る「America First」を捉え直すべきだろう。アメリカを祖国と思わない連中に、アメリカを内部から破壊させない決意だ。
国家システム破壊後の「新世界秩序」
世界中の国家が民営化したら?伝統文化よりも 市場原理が優先されたら?
各国、各民族のアイデンティティは消失。国土インフラも、外国資本が金儲けの道具になることは明白。
世界中が荒廃することが予想される。これは「今後 世界が紛争だらけになる」という、ジャック・アタリの予言とも符号。
パンデミック、大不況、戦争の後に要注意
そのタイミングで「新世界秩序」という美名を用い、「新たな枠組みが必要とされる」との触れ込みが登場することが予想される。
EU、国連など「平和のための国際機関」が、大戦後に創設されて来たように。これはディープステートの常套手段なのだ。
次世代の「新世界秩序」は、グローバリストが頂点の世界政府なのかもしれない。私たちの子供たちの時代に、日本国はまだ独立国でいられるだろうか。
参考記事
この記事のまとめ
ディープステートの戦略②『国際協調主義』 - 外圧で国家を上から支配?- 「国際協調主義」とは、民主主義選挙を経ないで、国家を上から支配するトラップ。
- 「国際協調主義」とは、国家と民主主義の否定。
- 「国際協調主義」とは、新植民地主義システムの一種。
- 「国際協調主義」で、EU加盟国は国家解体の方向へ。
- イギリス国民は「ブレグジット」で国際協調主義を否定し、民主主義を取り戻した。
- トランプ大統領の「America First」は国際協調主義の否定。アメリカの統治権を、アメリカ国民自身に取り戻す意味。
- コロナ、大不況、戦争後の「新世界秩序」には要注意。