戦争ビジネス①金融編 - 「死の銀行家」が戦争を扇動・拡大・長期化!? 戦争はなぜ起こるか?
更新日:戦争はなぜ起こるのか?
人類が長年抱く悩みだ。答えはいくつかあるだろうが、少なくとも近現代史においては戦争がビジネスであることが、戦争勃発の大きな原因の一つ。
東西冷戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、シリア内戦、テロ戦争。
事実として、これらの戦争で儲かったのは国際銀行家と軍需産業。かのアイゼンハワー大統領が軍産複合体と指摘した存在だ。
軍産複合体は戦争が拡大し、長期化するほど儲かる。この冷酷な現実から目をそらしては、戦争の正体を到底見抜けない。
戦争の主体、動機、原因を知ることで、我々人類は 戦争を回避できるかもしれない。本稿では 戦争がビジネスである観点から迫ってみた。
まずは「死の商人」の主人である「死の銀行家」から。
戦争ビジネスの市場規模 - テロ戦争20年で880兆円
- 2002年9月11日以降の20年間に及ぶ対テロ戦争で費やした戦費 = 約880兆円(米ブラウン大学)
- イラク戦争だけで約305兆円を消費したとの計算も(経済学者スティグリッツ)
- 第二次世界大戦における日本の戦費総額 = 当時のGDP比30倍、国家予算比280倍。
- 自動車販売台数 世界一位であるTOYOTAの年間売上高は、30兆円に届かない。
日本の国家予算(一般会計)が約100兆円であることを考えると、戦争マーケットがいかに巨大かわかる。
世界の軍事費は年間200兆円以上
平時の防衛予算だけでも円換算で 米国84兆円、中国30兆円、日本5兆円。世界全体では200兆円以上。
軍事産業には、毎年これだけの確実なマーケットがある。しかも確実な支払いができる国家が顧客。ビジネスの魅力は計り知れない。
戦争ビジネス① 戦争準備 - 国家への融資
戦争を始めるには 莫大な軍資金が必要。①国家に融資するか、②通貨発行権を握るだけで、銀行家は大儲けできる。
戦争の始め方-戦費調達
狂ったように見える独裁者たちも、実際は冷徹な資金計画を立てている。戦費が尽きれば戦争は終了。
したがって、戦争当事国への迂闊な寄付行為には慎重にならないといけない。人道問題が気になるが、意図せずして戦争の拡大に貢献してしまいかねないからだ。
国家への融資
対政府融資を行って成功するための教訓の第一は、「需要の創出」にある。すなわち、金融恐慌・不況・飢饉・戦争・革命の創出に参加することである。ユースタス・マリンズ
では、まず国家への融資。
国家に金を貸すことは非常に魅力ある投資だ。倒産すれば消滅する企業と違い、必ず返済してもらえるからである。
国家は返済に困っても 国民からの徴税が可能。国破れて山河あり。国家はたとえ破産しても国土・国民・資源は残るのだ。
昔から王室・国家へ融資することで資産を莫大に成長させてきたのが 国際金融資本家たち。
真の融資目的は返済以外に?
銀行たちは戦後、当事国から利息をつけた返済を受領。敗戦国からはさらに賠償金もむしり取れる。
では、払えないなら? 国家資産を強奪する。
例えば油田を持つ国が、アメリカのネオコン*からいじめられるのは偶然ではない。戦後処理でロックフェラーなどの米国石油メジャーが登場するのは、もはや恒例行事。
*ネオコン - 旧ソ連から亡命した共産主義トロツキストを起源とする 主に共和党タカ派の政治家、米軍エリート集団。国際金融資本の戦争担当グループ。ブッシュ親子、チェイニー、ラムズフェルド、ボルトン、民主党でもヒラリーなど武闘派ばかり。
銀行家の独り勝ち
国家は債務で成長し、債務で滅びて来たジャック・アタリ
実は戦争で勝っても国家は儲けがない。戦勝国すら債務で衰退して行くのは歴史の常。銀行と死の商人だけが儲けて終わる。
- 太陽の沈まぬ帝国スペイン
→ 計4回財政破綻 - 独立戦争に勝利したアメリカ
→ 財政破綻 - 米独立戦争に参戦したフランスの財政難が泥沼化
→ フランス革命が勃発
戦争ビジネス② 両建て作戦 - 日露戦争の例
国際金融資本が 戦争で必ず使う両建て作戦。戦争当事国の双方に融資することで、いずれが戦勝国になろうとも銀行家が儲かる仕組みだ。
両建て作戦では、戦争が大きくなるほど、長期化するほど儲かる。
日露戦争の例を見てみよう。
日本も借金をして戦争を始めた
日本銀行副総裁 高橋是清は、日露戦争でユダヤ人銀行家ジェイコブ・シフ*たちから戦費を調達。当時の国家予算の約5倍という莫大な金額。
シフは米国におけるロスチャイルド家の代理人。
その巨大債務は、大正・昭和世代がコツコツと約80年後の1986年になんとか完済。利息つきの確かな返済は、国家だからこそ。
*ジェイコブ・シフ - 古いラビの家系出身であるアメリカの銀行家。世界的金融財閥クーン・ローブ商会頭取。出身地であるドイツ・フランクフルトのゲットーでは、ロスチャイルド家と一緒に暮らしていた。
両建て作戦 - ロシアにも融資していた
ロシアの戦費総額13億ルーブルのうち、12億ルーブルはパリ取引所で調達。パリ・ロスチャイルド家の関与が指摘されている。
日露どちらが買っても、ロスチャイルド家の勝利というカラクリだ。
両者に貸した金で、両者に武器を購入させる
ロスチャイルド家は武器商人クルップ、ザハロフという代理人を通じて、日露双方に大量の兵器も販売。
戦後 債務が残った日本
ジェイコブ・シフ wikipediaより
日露戦争で最も儲けたジェイコブ・シフ
我が国は武器を買う費用を貸してくれたジェイコブ・シフに、勲一等旭日大綬章を明治天皇から授与。
日露双方の犠牲者は双方約8万人ずつ。一体、日露戦争とはなんだったのだろう。
戦争ビジネス③ 戦争準備 - 世界基軸通貨USドル発行権の奪取
開戦国に金を貸すのも儲かるが、その当事国、特に覇権国家アメリカの通貨発行権を握っているのは なお魅力的だ。
20、21世紀における戦争のほとんどに登場する覇権国家アメリカ。その米国の通貨ドルは世界の基軸通貨。
世界の基軸通貨である 米国ドルの発行権を、誰が握っているか。それこそが、世界規模で発生する戦争ビジネスの カラクリを知る決定的な要因。
FRBは民間銀行
米国における事実上の中央銀行であるFRB*の特徴は次の3点。
- FRBが、ドル通貨発行権を独占
- FRBは、民間銀行
- FRBは、米国民の所得税を、財務省からの利子返済として受領
米国政府は通貨を1ドルたりとも発行する権限を有していない。FRBが事実上の米国通貨発行権を所有。
私有銀行にも関わらず、米国ドル紙幣*を刷るだけで 米国民の税金からの利息を 永遠にもらい続けている。
*FRB - 連邦準備制度というわかりにくい名称だが、事実上の米国中央銀行。世界通貨ドルの通貨発行権を独占所有。国立ではない民間銀行。株主名簿は非公開。決算も非公開。監査制度なし。
*ドル紙幣印刷 - 100ドル札の印刷コストは約15円/枚。印刷するほど儲かる。
FRBの所有者とは?
FRB設立の極秘会議はモルガン家所有のジキル島で開催。
彼らの背後にいたのは、J・Pモルガンやジョン・D・ロックフェラーなどのアメリカの二大財閥とポール・ウォーバーグを通じて影響力を行使したロンドンのロスチャイルド家でした。馬渕睦夫
「国難の正体」より
世界通貨ドルの発行権と戦争ビジネス
- 基軸通貨ドルの通貨発行権取得
- 世界大戦を誘発
- 大量のドル印刷
- 莫大な利子で大儲け
さて、ここが重要だ。通貨発行権を握れば、あとは通貨を大量に発行させるだけ。戦争の予感、勃発、復興事業は莫大な通貨を印刷させる。
嫌な言い方になってしまうが、通貨発行権と戦争の相性は最高。人命を軽んじる唯物主義者、拝金主義者が通貨発行権を握れば? 戦争を起こさないだろうか?
ウィルソン大統領のうっかり
私はうっかりして、自分の国を滅ぼしてしまいました。第28代米大統領
ウッドロー・ウィルソン
1913年12月23日の米国議会。クリスマス休暇で多くの議員が帰省した隙に、FRB創設という重大案件が突如可決。
ロスチャイルド代理人に囲まれたウィルソン大統領は、後にFRB創設の真意を知り 後悔したという。
戦争ビジネスの準備は整った
FRBを創設したことで、国際銀行家たちの戦争準備は完了。第1次世界大戦を皮切りに、世界は地球規模の戦争を開始。
- FRB創設 - 1913年
- 第一次世界大戦 - 1914年
- 第二次世界大戦 - 1939年
- 米ソ冷戦開始 - 1945年
戦争ビジネス④ 敗戦処理 - 中央銀行創設
現代のバベルの塔と揶揄されるBISのバーゼル本部(スイス) wikipediaより
国際銀行家たちは、FRBだけでなく、世界中の中央銀行支配を目指す。世界中の通貨発行権を握れば、マネーで地球を支配できるのだから。
*日本銀行の日本政府保有率は55%。残45%の保有者は非公開。
戦後のドタバタで中央銀行創設
敗戦国に中央銀行がまだなければ、創設するのも戦争ビジネス。
つまり、今度は敗戦国の通貨発行権を盗む。
中央銀行創設 = マネー型植民地?
もう少し踏み込むと、中央銀行は世界銀行、IMF、さらにはBIS*の傘下。当該国政府、国民の通貨発行が外国人の支配を受けることになる。
各国の中央銀行が、それぞれの政府からの独立をやたら強調されるのはなぜだろうか? 中央銀行が国家でなく、BIS支配下にあると言えば理解しやすいかもしれない。
実際に、政府から独立した各国の中央銀行総裁たちは、隔月でスイスのバーゼルにあるBIS本部の中央銀行総裁会議には出席。
*BIS - 国際決済銀行。第一次世界大戦後のドイツ賠償を主導するために創設。銀行の中の銀行。本部のあるスイス政府の影響も受けず、独自の警察を所有。
暗躍するシカゴボーイズ
ちなみにBIS、IMF、世界銀行、各国の中央銀行総裁には、奇妙なほどシカゴ大学経済学部出身者が多いとの指摘がある*。
彼らの呼称は、新自由主義経済学者ミルトン・フリードマン傘下のシカゴボーイズ。
*前日銀総裁 白川方明は、シカゴ大学院で経済学を専攻。フリードマン自身の教え子。
米国ネオコンの標的と中央銀行
21世紀初頭時点で、中央銀行がまだ存在しない国は8カ国。その後、2022年時点で米国ネオコンに攻撃されたアフガニスタン、イラクには すでに中央銀行が創設済み。
ブッシュ政権が「ならず者国家」「悪の枢軸*」と名指しした国ばかりなのは偶然だろうか。
- アフガニスタン
- イラク
- イラン
- 北朝鮮
- シリア
- スーダン
- パキスタン
- キューバ
*悪の枢軸 - 第43代ブッシュ米大統領のスピーチライターであった ユダヤ系カナダ人デーヴィド・フラムによる命名。フラムは当時米国籍なし。
戦争ビジネス⑤ 敗戦処理 - 国家資産略奪・ショックドクトリン
戦争ショックドクトリン
戦争というパニックは、ショックドクトリン(惨事便乗型資本主義)絶好の機会。
敗戦国は賠償金に加えて、もちろん戦費を利子付きで返済する義務がある。途方もない借金で国庫は空っぽ。政府は債権者に頭が上がらない。
国民は動揺し、治安は不安定。職も失えば、今日の生活だけで精一杯。
国際金融資本にとって、どさくさで敗戦国の資産を強奪する千載一遇のチャンスが到来。
資源大国が狙われる理由
では借金の返済ができなければ、一体何をもって賠償・返済するのか?
天然資源国ならば 天然資源を外国資本に売却。繰り返しになるが、米国ネオコンが狙うのはイラン、イラク、リビア、アフガニスタン、ロシアなど天然資源大国がほとんど。
では国家資産が盗まれ、国家が傾けば? 新世界秩序へ組み込むきっかけにもできる。
戦争ビジネスのゴール:新世界秩序
新世界秩序とは「1%の金融エリートが99%の人類を奴隷支配する世界」。戦争ビジネスを繰り返す未来は、最終的に新世界秩序へと向かう。
戦争を繰り返すほど、国家と国民は疲弊。その一方で、死の商人たちが大儲けを繰り返す。世界の貧富格差が歪になるのは当然。
国家・世界のマネー支配
銀行家が国家を統治した歴史はすでにある。いずれ世界次元でそれが起こり得る。
- フィレンツェを支配したメディチ家
- 植民地経営をした東インド会社
国家債務危機
繰り返しになるが、国家は債務により繁栄し、債務により滅びて来た。ではデフォルト(債務不履行)した国家を、誰が牛耳るのか?
破産人が 債権者に頭が上がらないのは 世の常。問題は銀行家たちが支配しつつも、表に出ないでいたがること。多くの国民はそれと気付きにくい。
第3次世界大戦後の新秩序:世界政府
世界レベルの大戦争、パンデミック、金融パニック、大恐慌。これらの恐怖で、人類は世界政府の設立を受け入れるかもしれない。それこそが国際銀行家たちの作戦と気づかないまま。
- 第1次世界大戦後
→ 国際同盟 - 第2次世界大戦後
→ 国際連盟 - 第3次世界大戦後
→ 世界政府?
では、誰が世界政府設立のイニシアチブを取るのか? 国家は死の銀行家たちに頭が上がらない。マネーが世界を統治するのか?
戦争の本当の主体へこそ抗議すべき
私の息子たちが望まなければ 戦争が起きることはありませんグートレ・シュナッパー
(初代ロスチャイルドの妻)
人類の多くがこの戦争ビジネスのカラクリを知ることで、私たちは戦争を回避できるヒントを得られる。
戦争当事国への訴えはもちろんあっていいが、本当の戦争責任があるのは それを引き起こした「死の銀行家」。
反戦の熱いハートは、国際金融資本にこそぶつけるべきではないだろうか。
■「戦争ビジネス②軍需産業編」へ続く
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この記事のまとめ
戦争ビジネス①金融編 - 「死の銀行家」が戦争を扇動・拡大・長期化!? 戦争はなぜ起こるか?- 戦争で儲かるのは戦争ビジネスに融資した「死の銀行家」だけ
- 「国家は債務で繁栄し、債務で衰退」
- 国際銀行家たちが世界基軸通貨USドルの通貨発行権を所有するFRBを設立したことが、世界大戦の主要な原因
- 両建て作戦 - 国際銀行家は戦争当事国両者に戦費を融資
- 戦争ショックドクトリンで国際銀行家は敗戦国の国家資源を支配可能に
- 戦争ビジネスの行き着く先は「1%が99%を支配する新世界秩序」