包括的性教育の不都合な真実② - 包括的性教育の驚愕の中身 / "生みの親" 国際家族連盟の裏の顔
更新日:前回の記事では
- 戦前の日本の性教育は、「男女間の正しい性道徳の確立」「人格教育」に重きをおいていた。
- 日本の性教育の歴史は、家庭倫理を守ろとする保守派と 急進的な性教育推進派の攻防戦が、戦後から現在まで継続してきた。
- 人の生涯に大きな影響を及ぼすのが「性」。性に関する正しい知識や価値観を学ぶことは とても重要。
- 「専門家の言うこと」「国際標準(グローバルスタンダード)」が、必ずしも正しいとは限らない。
- 包括的性教育を推進する勢力は、その良い面しか語らない(包括的性教育のデメリットを語らない)。
等について みていきました。
第2回目となる本稿では、包括的性教育の "生みの親" である国際家族計画連盟と、驚愕の中身について解説していきます。
包括的性教育は、国際家族計画連盟(IPPF)が生みの親
現在の包括的性教育は、国際家族計画連盟(IPPF)が2006年に提唱したのがはじまり*です。
そして日本を含む国連加盟国へ積極的に配布されているのが 国際セクシュアリティ教育ガイダンス(ITSE)** という本。
この本は5~18歳までの児童・青少年たちへ 包括的性教育をカリキュラムに沿って教えるための指針書です。
- 国連教育科学文化機関
(ユネスコ/UNESCO) - 国連合同エイズ計画
(UNAIDS) - 国連人口基金
(UNFPA) - 国連児童基金
(ユニセフ/UNICEF) - 国連女性機関
(UN Women) - 世界保健機関
(WHO)
が協同で 国際セクシュアリティ教育ガイダンスを作成しました。
以来 国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、性教育のグローバルスタンダート(=国際的な性教育の指針)として 世界各国で紹介されています。
*包括的性教育のはじまり - 「包括的性教育」という概念や言葉自体は、すでに1970年代のアメリカに存在していました。
*国際セクシュアリティ教育ガイダンス - 2009年に初版、2018年に第2版が発行。包括的性教育を体系的に教えるために作成されたのが、この「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」という本です。
包括的性教育を推進する国際機関
下に提示した機関は、包括的性教育を支持・推進する団体です。
- 国際家族計画連盟
(IPPF:全世界140カ国に支部を置く) - 国連教育科学文化機関
(ユネスコ/UNESCO) - 国連児童基金
(ユニセフ/UNICEF) - 世界保健機関
(WHO) - 世界性科学学会
(現在名:世界性の健康学会/WAS) - ガットマッハー研究所
(アメリカと発展途上国に拠点を置くシンクタンク。避妊と中絶に関する州や国内の法律や政策を継続的に監視) - 全国教育協会
(アメリカ) - 人口委員会
(アメリカ) - 性教育フォーラム
(アメリカ) - 性情報と教育評議会
(アメリカ)
など
包括的性教育の "生みの親" 国際家族計画連盟の正体
- ユネスコなどの国連機関を隠れ蓑としているが、包括的性教育は世界的なNGO団体である「国際家族計画連盟」の意向が色濃く反映されている。
- 実態は国際家族計画連盟によるものだとしても、表向きはユネスコという「国連組織」が作成した指針。そのため、各国政府も包括的性教育を無視できない。
※ 国連機関を操り 自らに都合よく各国政府へ圧力をかける手口については、下記をご一読ください。
国際家族計画連盟は、下記の内容とも無関係ではありません。
また、さらに衝撃的な内容があります。
全米家族計画連盟(国際家族計画連盟の加盟団体)は 大規模な妊娠中絶仲介事業も行っているのですが、
- 大勢の若者たちに包括的性教育*を行い、性に対して開放的にさせ、妊娠させる。
- その後「中絶してあげるよ~」と近寄り、中絶した胎児をこっそり売りさばいている。
このような事実が発覚しました。
*包括的性教育 - 詳細は本シリーズで解説して行きますが、端的にいえば「子ども達が幼い頃から 性への興味と快感を刷り込みつつ、性規範(性道徳)を無くさせる洗脳」です。
「もしこれを見て良心にショックを受けないとしたら、他に何で受けるでしょう」「赤ちゃんがただ母親の子宮で命を奪われるだけではなく、その子たちの遺体が利益のために汚されるのです。これはただ殺人的だというのみならず、もっとも残虐な方法での殺人的行為です」ラッセル・ムーア委員長
(南部バプテスト連盟倫理宗教自由委員会)出典
国際家族計画連盟は「鬼畜・悪魔」といっても過言ではありません。
そして 上述したように、包括的性教育には、この国際家族計画連盟の意向が色濃く反映されているのです。
この事実だけでも、包括的性教育の危険性が伝わってきます…。
国際家族計画連盟とWHOが発刊した「ヨーロッパにおける性教育の標準案」 - 驚愕の中身について
包括的性教育を推進する勢力は、性に対し どのような価値観・倫理観を持っているのでしょうか?
彼らの主張をまとめると、次のとおりです。
- 人間は出生時から、性的な存在であり、性的欲求を持っている。何歳であっても(親や教師に干渉されることなく)性活動を享受する自由と権利がある。
- 大人(親・教師)は子ども達の性的欲求を認めて、全年齢に「性の固定概念」なく 性行為について詳細に教育すべきである。
続いて、包括的性教育の実例としてよく挙げられる、ヨーロッパの性教育標準案*に提示されている 年齢別の性教育指針をご紹介します。
*ヨーロッパの性教育標準案 - 国際家族計画連盟ドイツ支部と WHO(世界保健機構)が作成
0 ~ 4歳
子ども達は、裸の状態で 自身の身体 及び 性アイデンティを探求する権利がある。
子ども達は良いヒミツと悪いヒミツを区分することを学ばなければならず、「私の体は私のもの」という事実を教えるべきである。
4 ~ 6歳
子どもたちは、各身体部位の名前を学び、子どもの世話をする人々は身体の部位を洗ってあげながら、性的な言葉で性に関する話をしなければならない。
子ども達には幼少期の自慰行為について「自分の体を触る楽しいことである」と伝え、同性に向かう友情や愛、ヒミツめいた愛と初恋、権利に対する認識などを学ばなければならない。
6 ~ 9歳
子ども達は
- 月経や射精
- 妊娠の選択
- 多様な避妊方法
- インターネットを含んだメデイア媒体におけるセックス
- 自分の体を触るときの楽しさと快楽(自慰、自己刺激)
- 友情と愛と情欲の違い
- 同性に向かう友情と愛
- 性に関連した疾病
に対する情報を知らなければならない。
子ども達は自らの体を検査し、性的な言葉を使用して、多様性を受け入れるべきである。
9 ~ 12歳
子ども達は
- 初めての性体験
- 性行為の多様性
- 避妊薬とその使用法
- 快楽と自慰、オーガズム
- 性アイデンティティと生物学的な性別の違い
- 性感染症とHIV
- 性的な権利
について学ぶ。
子ども達はインターネットとスマホを使用して メデイアリテラシーを育てるべきであり、ポルノを扱うことができなければならない。
子ども達は、性に関することを話し、性的な経験をするか否かについて 意思決定を下さなければならない。
12 ~ 15歳
コンドームを使用する技術を学ぶ。
安全で楽しい性関係を持つためのコミュニケーション技術を学び、羞恥心や怖れ、嫉妬や失望に対処する方法を学ぶ。
子ども達はより現代的なメデイア能力を育て、ポルノを扱う方法を習得する。
15歳以上
- 女性割礼
- 包茎手術
- 拒食症、過食症
- 処女膜の再生
- 同性関係における妊娠・避妊サービス
- ニーズに合わせた生殖(遺伝子を選んで妊娠するということ)
について学び、
妊娠と親になることに関連する文化的・宗教的規範に対する "批判的な" 見解を育てる。
※この文書の付録には、アメリカにおける児童と10代への性教育を主導する文学やカリキュラム、機関やセンター、青少年団体の目録が含まれている。
ここまで読んでいただいた皆さん、いかがでしょうか。「開いた口が塞がらない!」とはまさにこのこと。
これが、私たち日本人が憧れる(?)進んだ社会であるヨーロッパで「性教育の標準」とされている内容なのです。
幼児に(自分のお尻もちゃんと拭けない子たちに!)自慰行為を教え、小学校低学年に(字を書くことを覚える子たちに!)コンドームの付け方などを教えることが、正常なことでしょうか?
思春期以前に避妊法と中絶、同性愛の正当性を教え、ポルノの奴隷 あるいは セックス中毒にしてしまう ・・・これが果たして「子ども達の権利」を守ることなのでしょうか?
そのような性教育を受けた子ども達はどんな大人に成長するか ・・・想像するだけでも恐ろしく感じます。
包括的性教育を推進する人々の価値観・倫理観は、まともではありません。
しかし彼らは、海外の性教育を「国際的な標準」「最も科学的かつ客観的に作成されたカリキュラム」としてもてはやし、その悪意を隠して日本国内へ持ち込もうとしています。
私たちは断固としてNO!を突き付けなくてはならないでしょう。
包括的性教育のキーコンセプト
次に、日本でも注目されている「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の中身をご紹介します。
"包括的" という言葉は「全てを含めた、総合的な」という意味合いで使われます。
※ ここには、同性愛・小児性愛・動物(獣姦)・AIとの恋愛など「様々な対象を性的対象として認めさせる」という大きな野望も含まれています。もし包括的性教育が定着し性道徳・性規範が破壊されていけば、いずれ近い未来にはそうなっていくことでしょう。
従来の性教育を「知識中心の教育」とするならば、包括的性教育は「性行為のスキル、人間関係、性に向き合う態度や価値観など、より幅広い視点を用いた総合的な学習」であると、このガイダンスでは紹介しています。
以下の8つをキーコンセプトに教育を実施することを推奨。4つの年齢別に分けたカリキュラムが存在し、子ども達へ繰り返し学習させます。
※ 以前までは6つのコンセプトでしたが、2018年に新しく2つ(ジェンダーの理解、暴力と安全確保)が追加されました。
包括的性教育8つのキーコンセプト
- 人間関係
- 価値観、人権、文化、セクシュアリティ
- ジェンダーの理解
- 暴力と安全確保
- 健康とウェルビーイング(幸福や喜び)のためのスキル
- 人間の体と発達
- セクシュアリティと性的行動
- 性と生殖に関する健康
1.人間関係
- 様々な人間関係のあり方
- 親密さ
- 健全・不健全・強引な関係とその見分け方
- 権利と義務
- 仲間からの圧力と社会規範
- 誠実性
- コミュニケーション
- 愛とセックスは異なること
など
2.価値観、人権、文化、セクシュアリティ
宗教・文化・民族・社会的地位・障害・性的指向などの差別を認知し、若者たちが単純な寛容を超えて 多様性についてより理解し、前向きな見方を持てるようにする。
3.ジェンダーの理解:
- 生物学的な性別(セックス)と、社会的な性(ジェンダー)の違い
- 社会的・文化的・心理的に後天的に作られるジェンダーへの偏見・固定概念・不平等の解消
など
4.暴力と安全確保:
- ジェンダーに基づく暴力
- 合意に基づかいない性行為
- 助けの求め方
- 加害者と被害者の関係
など
5.健康とウェルビーイング(幸福や喜び)のためのスキル
- 若者たちがセクシュアリティに対して肯定的で前向きあること
- セックスは合意に基づいて楽しむ行為であること
- 自慰行為や情欲 及び 性の多様性、初体験、快楽にまつわる恥辱の存在
など
6.人間の体と発達
- 生殖器、月経、射精に関する内容
- 思春期の変化や妊娠に関する具体的な内容
- 各自の身体へのイメージ
など
7.セクシュアリティと性的な行動
- 国際人権と国の政策の知識
- 性と生殖に関する法律と構造、障壁
- 利用可能なサービス
- 多様で流動的なセクシュアリティ
- 性的同意、安全で健康で楽しい方法で自分のセクシュアリティを自由に表現し探求する権利
など
8.性と生殖に関する健康
- コンドームの使用法
- 様々な避妊方法(救急避妊法含む)
- 合法的で安全な中絶と安全でない中絶
- HIVを含む性感染症
など
このような内容を、5歳児から行うよう推奨しています。
5歳児からスタートという点を考慮すれば、日本の学校教育では包括的性教育を本格的に取り入れることはできないかもしれません。
そのため、この性教育ガイダンスに沿って「親が、家庭で」教育していくことを、日本の各性教育関連のサイトでは指導しています。
上述した「ヨーロッパにおける性教育の標準案」は0歳児スタート、そして内容がとても過激だっただけに、この包括的性教育は 幾分穏やかな(?)内容に感じられるかもしれません。
しかし 繰り返し強調しますが、上述の「ヨーロッパにおける性教育標準案」を生み出した勢力と、包括的性教育を生み出した母体は、同じです。
表面上の言葉だけに惑わされず、彼らの悪意を正しく把握しなければなりません。
包括的性教育のコンセプトに隠れている悪意
包括的性教育の 一見すると優しくオブラートに包んだような各コンセプト。
読者の皆さんは、この文中に隠れている悪意に気がつきましたでしょうか?
包括的性教育では、性行為や自慰の「快感」、快感を得る「手段・権利」を強調する一方で、倫理道徳(性道徳、愛に対する責任)については 全く言及しないのです!
包括的性教育の根底にある思想
包括的性教育を推進する人々は、幼児にすら具体的な「性行為」を教えることを推奨します。
彼らは「幼いうちなら素直に羞恥心無く学んでくれるから」と言いますが、それがいかに不自然なことであるかを理解していません。
なぜそのような発想が生まれてくるのか? といえば、 ・・・そもそも包括的性教育の根底に存在する価値観が「性欲」を中心としているからなのです。
人間は出生時から性的な存在
彼らは「人間は赤ちゃんの頃から性的な存在」と主張します。そのため性行為に関する道徳的な教育を「抑圧」とみなしています。
※ この思想はフロイト左派が100年以上前から主張し続けている内容です。
悲しいことに、現在 児童 及び 青少年に関連する多くの政府機関・国際機構が、この主張を根拠として「性行為に対する道徳性の除去」に資金を投入している状況です。
性は、快楽のためだけに存在する
包括的性教育を推進する人々は、「性欲」と「生殖」と「愛」を完全に分離してしまいました。
彼らにとって、性行為による生命の受胎は「望まない副産物」といえるでしょう。その副産物は 避妊や中絶によって処理することができ、その方法を実行すれば解決できると教えます。
そこに伴う心理的な傷や性感染症などの危険性は些細なものだと、嘘八百を並べるのです。
・・・およそ信じられないかもしれませんが、このような思想が「国際家族計画連盟」のような巨大国際組織の根底にあるのです。
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この記事のまとめ
包括的性教育の不都合な真実② - 包括的性教育の驚愕の中身 / "生みの親" 国際家族連盟の裏の顔- 現在の包括的性教育のはじまりは「国際家族計画連盟」。国際家族計画連盟の価値観・倫理観は まともではない(0歳児に自慰行為を教える、等)。
- 実態は国際家族計画連盟によるものだとしても、表向きはユネスコという「国連組織」が作成した指針であるため、各国政府も包括的性教育を無視できない。
- 包括的性教育は「性欲」を中心とした価値観であり、性道徳や性規範を「抑圧」とみなしている。
- 包括的性教育では、性行為や自慰の「快感」、快感を得る「手段・権利」を強調する一方で、性道徳・性倫理については 全く言及しない。
普通の感覚をもった親御さんならば、話を聞けば包括的性教育の異常さに気づくはずです。
「こんな性教育、うちの子には受けさせたくないぞ!」と。
しかし包括的性教育の推進派は、何故あれほど強引に かつ 堂々と、包括的性教育を推し進めることができるのでしょうか? 次回はその理由についてみていきます。
当サイト「世界の深層」コーナーでお馴染みの、ジョージ・ソロス氏の名前も登場します。お楽しみに ^^
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