ネオコン(新保守主義)とは何か? 共和党内『反トランプ派・リベラル』の正体と、ディープステート
更新日:ネオコン(新保守主義)とは何か? その起源〜現代におけるディープステートとの関係に至るまで、分かりやすく解説する。
アメリカ政治でよくある疑問。「同じ共和党なのに、なぜネオコンは反トランプ?」
衝撃的な結論を言うと、「ネオコンは保守ではなく、隠れ共産主義(リベラル)」なのだ。
「ネオコン = 極右」というイメージがあるので、初めて聞く方は驚かれるだろう。
マスコミは この事実をわざと説明しない節がある。ニュースがグッとわかりやすくなるポイントなのに。
マスコミは真実を隠しているか、報道の使命を放棄している。
ネオコンとは? - ディープステートの武闘派
- ネオコンとは「Neo Conservatism(新保守主義)」の略称。
- 保守派・右派である共和党の中でも 極右の位置づけ。外交は好戦的なタカ派。
- wikipediaによると、「自由主義、民主主義を重視して アメリカの国益や実益よりも思想と理想を優先し、武力介入も辞さない思想」。
ネオコンと関連する著名人
- アーヴィン・クリストル教授
- ジョージ・ブッシュ元大統領
- ミット・ロムニー元大統領候補
- ジョン・マケイン元大統領候補
- ラムズフェルド元国防長官
- アーミテージ 元国務副長官
- ジョン・ボルトン元国務次官補
ネオコンの歴史 - 起源は 亡命ユダヤ人トロツキー派
ネオコンの起源は、共産主義者である左派トロツキストからの 右派転向グループ。つまり、旧ソ連からの亡命ユダヤ人。
彼らはNY知識人*と呼ばれ、20世紀アメリカ文化に多大なる影響を与えた。
*NY知識人 - 当時はまだハーバード大学などのアイビーリーグ校が、白人であるWASP以外の入学を敬遠しがちだった。一方、ユダヤ人も受け入れていたNY市立大学が トロツキストの拠点に成長。
トロツキストとは?
トロツキストとは、旧ソ連で、スターリンとの権力闘争に敗れたレフ・トロツキーのグループ。
まずはソ連国内で共産主義を完成させるという「一国社会主義」を主張するスターリンに対して、トロツキーは革命を全世界で展開する「世界革命」を主張していた。
武力による民主主義の輸出 = 革命の輸出
トロツキストが訴えた「革命の輸出」。武力による「世界革命」は、今日におけるグローバリズムの起源にも思える。
ネオコンが武力を用いてでも「民主主義の輸出」を主張するのと、そっくりなのだ。
反共、反ソ連の正体
ネオコンは反共産主義として日本でも知られている。それゆえに保守の看板を掲げていても、あまり疑われなかった。
しかし 実は、「反共」ではなく「反スターリン」がネオコンの真実。トロツキストを追放したスターリンが主導するソ連への怨みが、トロツキー派にはずっと残っていたのだ。
ネオコンは、ディープステートの『両建て作戦』に利用されている
では ディープステートは、ネオコンをどう利用しているのか?
左右『両建て作戦』 - 共和党が勝った時の保険
アメリカは2大政党制の国柄。ディープステート一押しの民主党が いつも大統領になったり、議会多数派になるとは限らない。
そこで共和党にもディープステート要員がほしい。ここにネオコンの存在意義がある。
いわゆる「両建て作戦」。共和党、民主党いずれが勝利しても、ディープステートに取っては、自分達の息がかかった候補が勝利する と言うわけだ。
しかも国民には「民主主義選挙で自分たちが選んだ」と思わせられる。
参考記事
リベラルホーク - 民主党オバマ、ヒラリー、ブレジンスキー
面白いことに、ネオコンとほぼ「同じ思想」を持っていながら「党籍だけは民主党」という連中までいる。リベラルホーク、リベラル側のタカ派だ。オバマ、ヒラリー、ブレジンスキーが主要メンバー。
人権・平和・平等・寛容・多様性を訴えるオバマ政権が 戦争をいくつも勃発させた矛盾は、ここに理由が隠れていた。
オバマ vs マケイン という八百長
2008年アメリカ大統領選挙は、共和党マケイン vs 民主党オバマ。お気づきの通り、両者ともディープステートの子飼いと見られている。
マケインは有名なタカ派。つまりネオコン。外交は武力行使を前面に出し、内政では非常にリベラルで有名だった。
これまではメディアがネオコンの背景を解説して来なかったために、なぜそんな議員がいるのか不思議に思う方も多かったはずだ。
しかしネオコンの正体を知ってみると、全米がディープステートのプロデュースしたプロレスに 参加させられていたという…。
ネオコンとリベラルは お友達
共和党なのにネオコン議員がわざわざ反トランプを表明し、オバマやヒラリー、バイデンに投票した理由が、これでやっと見えて来る。
RINOとは?
Republican In Name Only(名ばかりの共和党員)の略。ネオコン議員もRINOによく含まれる。
RINO議員は、保守派である共和党が大切にしてきた「建国の精神」や「家庭の価値」など重要論点において、リベラル民主党と同じ行動を取りがち。生粋の共和党支持者はRINOに怒っているが、一大勢力に拡大した。
本稿では深掘りしないが、日本の自民党を 親中議員やグローバリストが乗っ取った構造と似ているのは、無関係ではない。
元トランプ政権の閣僚も
ネオコンとして有名なジョン・ボルトン元大統領補佐官は、国家安全保障を担当していた。北朝鮮が非常に怖れた武闘派だ。武力行使を避けるトランプ大統領と反りが合わず解任。
その後 政府の許可なく回顧録を出版し、トランプ批判を展開した。
ネオコン = 戦争ビジネス集団?
積極的干渉主義、国際協調主義、自由・民主化の美名を用い、ネオコンは世界中で戦争を積極的に仕掛けた。アラブの春、東欧カラー革命、イラク戦争への不正な関与も疑われている。
戦争には莫大な費用が必要だ。軍産複合体が戦争を発生させることで、軍需産業株式が高騰し、株主である国際金融資本(ディープステート)が大儲けするというわけだ。
詳しくは「両建て作戦」を必ずご覧頂きたいが、左右どちらにも戦争資金を貸すことで 必ず儲けるビジネスを、ディープステートは繰り返して来た。
*軍需産業 - ロッキードマーティン社、ボーイング社など。武器の相場は、ミサイル1発数億円、オスプレイ ¥120億/機、戦闘機 ¥300億/機など。街を破壊すれば土建業界も儲かる仕組み。
宣戦布告なしでも問答無用
リベラルホークの例になるが、オバマ政権はパキスタン、アフガニスタン、シリアなどを攻撃した。いずれも北米大陸から遠く離れている上、いずれもアメリカに宣戦布告をしていない。
若者の愛国心を利用したネオコン
このいかがわしさが分かるだろうか? 清潔なダイニングで朝食を取る輩が、愛国心ある米国の若者を不毛な戦地に送り込んだ。祖国のためではない、彼らの金儲けのためだ。
そんな米国(ディープステート)と、自由・民主主義の理想を信じたまま戦死したアメリカの若者に、筆者は深い同情を禁じ得ない。
参考記事
ネオコン = グローバリズム = 社会主義
ネオコンと社会主義は、グローバリズムという共通項で一致する。
馬渕睦夫大使の解説によると「保守 vs 革新」だけでは世界情勢を見抜けない。「グローバリズム vs ナショナリズム」で見ると、世界情勢がわかりやすくなるという。
ウォルター・リップマンの経歴
ウィルソン大統領の側近で、ジャーナリストとしても2回ピュリッツァー賞を受賞したウォルター・リップマン。彼の思想経歴は興味深い。最初は社会主義、その後リベラル、最後はネオコンとなったのだ。
- 社会主義者
ー ウィルソン政権時代 1910年代~ - リベラリスト
- ネオコン
ー 1960年代〜
通常の見方では、「左 → 中 → 右」への大きな転向になるが、そうではない。リップマンは終生「国際主義外交の擁護者」だったという。
社会主義、リベラル、ネオコンの共通項はグローバリズムというわけだ。
ネオコン(新保守主義)は、保守ではない
リップマン、つまりトロツキストたちの中身は何も変わっていない。看板だけ常に変え続けるのはディープステートのお家芸。
身も蓋もない言い方になるが、保守層の票を奪うことを目的に「新保守主義」と自称しただけ。実際には保守ではない。グローバリズムとは、立派な左翼思想なのだ。
グローバリズム vs 自国ファースト
東欧カラー革命、アラブの春に関与?
ネオコンは武力を用いてでも各国を民主化する。米CIA、ジョージ・ソロス、ネオコンが選挙に介入。そして彼らが支配する世界政府樹立を目指す。
東欧カラー革命にあった①民主化、②民営化、③グローバル化だ。
参考記事
アメリカファーストで 戦争がなくなった
トランプ大統領はこうした悲劇に反旗を翻した。「愛国心あるアメリカの若者を、もう犬死にさせてはいけない」というのが トランプ大統領の主張だ。
一部のグローバリストの金儲けや世界政府樹立のために、愛国心あるアメリカの青年を利用してはならない。本来の任務である米国本土防衛に邁進してもらおうというのが、トランプ大統領の アメリカ・ファースト的思考だ。
参考記事
実際、史上唯一新しい戦争を始めなかった大統領こそトランプ氏。海外に駐屯している米兵を どんどん帰国させている。
ネオコン日本支部 - ジャパンハンドラーズ
リチャード・アーミテージ元国務副長官。共和党重鎮でありながら、2016年はヒラリー、2020年はバイデンへ投票。
海外へ積極的に進出するネオコンは、もちろん日本へも。ジャパンハンドラーズと呼ばれるリチャード・アーミテージと 小泉元総理親子の関係は有名だろう。
ネオコンらしく反共。ゆえに中国共産党・朝鮮半島への姿勢は 日本の保守層から喝采を浴びる小泉親子。しかし 実は、内政においてリベラルな面が見過ごされがち。
女系天皇容認、移民問題など、ディープステートの影が見えるのは象徴的だ。
一般的に「右派」とされる彼らが、「左派」メディアからも なぜか好意的に報道されるのも奇妙だ。
日本の保守層は、彼らを含めたネオコン勢力が果たして本当に愛国心ある保守なのか?しっかり見抜く必要があるだろう。
参考記事
この記事のまとめ
ネオコン(新保守主義)とは何か? 共和党内『反トランプ派・リベラル』の正体と、ディープステート- ネオコンの起源はトロツキスト。
- トロツキストとは、世界革命を主張したが 一国社会主義を掲げたスターリンとの権力闘争に破れ、NYへ亡命した左派ユダヤ系知識人。
- 極右とされるネオコン(新保守主義)は、保守ではなく 実際は左派。
- 世界の対立軸は「保守 vs 革新」でなく、「ナショナリズム vs グローバリズム」に変化している。