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包括的性教育の不都合な真実④ - 性教育の父? アルフレッド・キンゼイの嘘と闇

更新日:包括的性教育の不都合な真実④ - 性教育の父? アルフレッド・キンゼイの嘘と闇

前回の記事では

  • 包括的性教育の推進派は、何故あれほど強引に かつ 堂々と、包括的性教育を推し進めることができるのか?
  • 包括的性教育の母体となった「性の権利宣言」の内容
  • 「性の権利宣言」と 極左投資家 ジョージソロス氏の関係

等について みていきました。


第4回目となる本稿では、「世界の性教育の始まり」「世界の性教育へ多大なる影響を及ぼしたキンゼイ報告(キンゼイレポート)」について解説します。

キンゼイ報告の作者であるアルフレッド・キンゼイの思想は、包括的性教育の危険性を知るためには欠かせません。

目次

フランクフルト学派による急進的な性教育のスタート

今でこそ義務教育(学校教育)で性教育を行うのが当然になっていますが、それまでは家庭で教えるのが一般的でした。

それでは、最初に義務教育として「性教育」を取り入れた国はどこだったのでしょうか?

ハンガリーです。当時ハンガリー・ソビエト共和国では、マルクス主義者ゲオルク・ルカーチ*が文化省長官に就任していました。


ゲオルク・ルカーチ(1919年)
 ゲオルク・ルカーチ(1919年)


現代的な意味での性教育は、フランクフルト学派をはじめたルカーチが大規模に普及させました。その目的は伝統的な欧米の価値観(=キリスト教の価値観)を転覆させること。

そのための方法として急進的な性教育プログラムをつくり、露骨な方法で青少年たちへ「自由な恋愛と性行為」を通した「国家における子ども達の性愛化**」を図りました。


*ゲオルク・ルカーチ - 「ルカーチ・ジェルジュ」とも表記。文化マルクス主義の創始者とされ、親子・家庭・家族という伝統的な秩序の解体を目的とする「急進的な性教育」を行った初の人物。1918年ドイツ革命直後に ハンガリー共産党へ入党し、1919年ハンガリー革命に参与して革命政府の文化省長官となる。マルクス主義者であり性的マイノリティだったルカーチは、国家弱体化のために未来世代を性愛化させることを目的として性教育を公教育に取り入れた。このルカーチの「家庭弱体化」による文化教育を受け継いだフランクフルト学派によって、第二次世界大戦後 欧米はキリスト教に基づく伝統的な家庭観から乖離していくこととなる。

**性愛化 - 一人の人間を性的な欲望の対象としてみること


幼少期から公教育によって「性愛化」されていけば、未来世代は「彼ら(マルクス主義者)」によって牛耳られていきます。

急進的かつ過激な性教育は、子ども達の性的羞恥心を麻痺させ「性に関する道徳性」を破壊し、キリスト教に基づく伝統・文化・家庭観は1世代以内で消えてしまうのです。

学生運動の副産物としての「性教育」

1968年ドイツの学生運動
 ドイツの学生運動(1968年)


ハンガリーに続いてドイツでも性教育が義務化されていきます。これは1968年に盛んだった学生運動(極左活動)の副産物でした。

キリスト教的な価値観を破壊し「性の解放」を成し遂げること

これこそが彼らの目的だったのです。


この時 もしドイツ国民が「性教育義務化」の真の目的を知っていたならば、キリスト教会を主軸として大きな反対運動が起こったことでしょう。

しかし当時のキリスト教会は この意図に気づかずにいました。文化マルクス主義*によって国力の低下を試みた左翼活動家らは、容易に「性教育」の分野を乗っ取ることに成功します。

*文化マルクス主義 - 目に見える暴力ではなく 目に見えない形で、共産主義思想を大衆文化の中に こっそりと植え付けること。端的に言えば「大衆文化に流し込まれた共産主義の毒」。

包括的性教育の不都合な真実⑤ - 文化マルクス主義(文化共産主義)によって「性&家庭」の秩序が崩壊暴力革命を諦めた共産主義者たちは「文化マルクス主義」という新しい仮面を装着。大衆文化から性道徳・性規範を破壊し


彼らは、彼らに都合よく法律を立法化し 行政から多額の財政支援を受けながら、「性教育」を主導する確固たる地位・権力を確立していきました。

主要マスコミは彼らの仲間であり、マスコミ自らも文化マルクス主義革命の目標を達成するために世論を操作。「性革命」に大きく寄与することになります。

若者を堕落させれば、国の未来を潰せる by 共産主義者

若者を支配する者こそが、未来を支配する

この言葉どおり、「誰が次の世代である若者を教育するのか」という問いは非常に重要なものです。


ほんの数十年前まで、ヨーロッパ各国 そして日本においても、個々人の性欲はコントロールすべきであり、社会と家庭内において責任ある行動をとることを奨励してきました。

しかし今では、そのような価値観は過去のものとなってしまったように思います。


「伝統/tradition」という言葉の由来は、通過・伝達するというラテン語のtradereが元になっているといいます。

先祖から受け継いだ真理・正義・善といったものを子孫へ伝えることができなければ、次の世代から文化が崩壊していくのは明らかでしょう。

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人間は生まれたときから性的な存在?

いわゆる「西欧的な性教育者」たちは、こう言います。

  • 「性は、生まれた時から始まる」
  • 「生まれた瞬間から人間は性的な存在である」

これらは真実でしょうか?


彼らが奨励する性教育とは、以下のようなものです。

  • 幼稚園生に、お医者さんごっこを真似た自慰行為を教える
  • 離婚家庭を一般的な現象として描写
  • 同性愛を正常な関係として表現
  • 性的な羞恥心を無くす教育を教室で行う
  • 児童期から性的な衝動を活性化させ、良心の呵責を感じさせないよう指導

実際の学校教育では、表現をオブラートに包み 子ども達が より受け入れやすい形で入り込んできています。

第2回の記事で言及したように、これがドイツで行われた「包括的性教育」の実態です。

アルフレッド・キンゼイ - ユダヤ-キリスト教的な性道徳の退廃を目指した人物

次に、アメリカだけでなく全世界へ大きな衝撃を与えた「キンゼイ報告キンゼイ・レポート)」についてご紹介します。

ゲオルク・ルカーチが「性教育の創始者」であるならば、キンゼイ報告の作者であるアルフレッド・キンゼイは「性教育の父」として広く知られている人物です。

アルフレッド・キンゼイ
 アルフレッド・キンゼイ


包括的性教育の起源を探るなら、アルフレッド・キンゼイの名を外すことはできません。

キンゼイは、現代の性教育における「最も重要な性科学者・性教育のパイオニア」として扱われています。

彼が発表した 性に関するレポート(通称 キンゼイ・レポート/キンゼイ報告)は、現代の性教育の基礎を築いたといっても過言ではないでしょう。


しかし、このように多大なる貢献をしたにも関わらず、昨今では「科学者の名に値しない危険人物」だとみなされるようになりました。

全世界的に深刻化する家庭崩壊、性感染症の蔓延、妊娠中絶、ポルノ中毒 など、一連の性的混乱の元凶といわれている程です。


何故そこまで非難されるようになったのでしょうか?

それは「キンゼイ自身の歪んだ人格と性癖」「キンゼイ報告の虚偽」が明らかになったためです。

アルフレッド・キンゼイの歪んだ人格と性癖

『You’re Teaching My child What? / うちの子に何を教えてるの? 医師が暴露する性教育のウソと子どもへの害悪』の著者ミリアム・グロスマン氏は、キンゼイについて次のように述べています。

性教育においてキンゼイ博士とは、自動車でいうならヘンリー・フォードのような存在。

彼は人間の性に対する新しいモデルを構築した建築家であり、
「伝統的な道徳性は無意味であり、破壊的である」という彼の信念を基盤としている。

まさに性教育を通して「性道徳」を破壊することがキンゼイの信念だったのです!


キンゼイは、両性愛者、サディスト、マゾヒストであり、男性スタッフとの性的関係に自分の妻を加えていたとされるほど変態的な性癖を持っていました。

LGBT関連の話題でよく引用される「10人に1人は同性愛者」という分析も、元を辿ればキンゼイに行き着きます。

※ 現在北米の多くの専門家は、同性愛者の正しい割合を人口の1~2%としている。

LGBTの不都合な真実② - 同性愛は先天的(生まれつき)ではない / 同性愛者の割合を誤認させるメディアの印象操作今回の記事はLGBTの一部分である、同性愛者にフォーカスをしてみようと思

このような人物が子ども達の性教育教材の基礎をつくったのだとしたら、・・・親御さん達はどう思うでしょうか?

そして、公正・中立・客観的な姿勢が求められる科学者でありながら、自分に都合の良い結論を出すためにキンゼイ報告を利用したことが 指摘されています。

キンゼイ報告(1948年、1953年)の虚偽

キンゼイ報告は、アメリカ人の性生活に関する膨大な調査書として、当時 全世界に衝撃を与えた報告書です。

内容は多岐にわたり

  • 思春期における性的興奮
  • 年齢別のセックスの傾向
  • 夫婦生活における性生活の実態
  • 社会的な階層や職業別の性生活

など、あらゆる角度からライフスタイルとしての性生活に関するデータがまとめられています。


しかし後に、キンゼイが研究対象とした被験者たちには かなりの偏りがあったことが判明しました。

主に 性的虐待被害の少年少女、性犯罪者、異性装者、男娼などを研究対象としていたのです。


そのため

キンゼイ報告は

  • 同性愛や姦淫行為を正当化するために作成された。
  • 特殊集団(男娼や前科者など)の性経験の内情を知る上では有意義なものであるが、アメリカ社会全体の性生活の内情を推測するサンプルとしては、全く不適切。

だと指摘されています。

今でも学校教育でキンゼイ報告が使われている

このように現実と乖離した研究データであるにも関わらず、現在、公立学校で用いられている性教育カリキュラム、とくに「フリーセックス哲学」は、キンゼイと弟子たちによって生み出されたものを使用しているのです。

1956年キンゼイが死亡した後、彼の後継者であるポール・ゲバードによって「キンゼイ研究所」は受けつがれ、キンゼイに精通していたウォーデル・ポメロイと共に サンフランシスコ初の性科学と性教育の主要教育機関が設立されました。

※ キンゼイ研究所は、州政府と連坊政府から多額の資金援助を受けながら、インディアナ大学ブルーミングトン校キャンパスに現在もあり、セクシュアリティ・生殖・ジェンダーについての研究を継続中。

キンゼイ報告に関するオススメ動画

筆者の知る限りでは、日本語で ここまでキンゼイ報告のことを詳しく語ってくれている動画は、他にありません。ぜひご視聴してみてください。


※ シリーズの続きはこちら
包括的性教育の不都合な真実⑤ - 文化マルクス主義(文化共産主義)によって「性&家庭」の秩序が崩壊暴力革命を諦めた共産主義者たちは「文化マルクス主義」という新しい仮面を装着。大衆文化から性道徳・性規範を破壊し

この記事のまとめ

包括的性教育の不都合な真実④ - 性教育の父? アルフレッド・キンゼイの嘘と闇
  • 世界の性教育の始まりは ハンガリーの共産主義者ルカーチ。ルカーチの思想はフランクフルト学派によって欧米社会へ普及されていった。
  • 性教育は ドイツをはじめとする学生運動(極左活動)の副産物であり、「キリスト教的な価値観を破壊し性解放を成し遂げること」を裏の目的としていた。
  • 「若者を堕落させれば、国の未来を潰せる」by 共産主義者
  • 変態だったアルフレッド・キンゼイは、「自らの変態性を正当化するため」そして「性教育によって性道徳を破壊するため」に、キンゼイ報告書を作成。
  • 「嘘まみれ」のキンゼイ報告書は、今でも世界中の性教育へ多大なる影響力を持っている。

次回は、本稿で言及した「文化マルクス主義」について さらに深堀りしながら、「性道徳の破壊」による国家弱体化戦略を解説していきます。
お楽しみに^^


※ シリーズの続きはこちら
包括的性教育の不都合な真実⑤ - 文化マルクス主義(文化共産主義)によって「性&家庭」の秩序が崩壊暴力革命を諦めた共産主義者たちは「文化マルクス主義」という新しい仮面を装着。大衆文化から性道徳・性規範を破壊し