川口マーン恵美著『移民難民』 - EU難民問題から学ぶべき「移民政策の失敗」とは?
更新日:EU難民危機の衝撃から現地では未だに抜け出せないでいる。日本ではほぼ報じられないが、移民・難民問題でドイツは慢性的パニック状態。
シュツットガルト在住の日本人作家、川口マーン恵美氏による著書『移民難民 世界一安全で親切な国日本がEUの轍を踏まないために』を読んで、筆者は衝撃を受けた。
本稿では、難民受け入れを主導したドイツを中心に、欧州移民問題の概要を取り扱う。
川口マーン恵美氏とは?
- 日本の作家
- 拓殖大学日本文化研究所客員教授
- 大阪府出身で現在はシュツットガルト在住
- 夫の転勤で戦時下のイランで2年間を過ごした経験も
ドイツ人口構成 - 4人に1人が移民?
ドイツ人口 | 約 8300万人 |
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移民の背景を 持つ人口 | 約 2100万人 (北海道500万人の約4倍) |
外国人 | 約 1000万人 |
2014年 | 約130万人 (=青森県、奈良県レベル) |
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2015年 | 約200万人 (=岐阜県、長野県レベル) |
欧州という地続きでもあり、ドイツには何世代も続く古くからの移民も多い。しかし、近年の移民増加はあまりにも急激。
ドイツ国内に もう一つ国家
広義の移民は約2100万人、外国人が約1000万人。もはや他国がドイツの中に別途存在しているようなものだ。
近隣国の人口を参考に想像してみてほしい。
オランダ人口 | 約 1700万人 |
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ベルギー人口 | 約 1100万人 |
スイス人口 | 約 850万人 |
近所で文明の衝突
それも急増しているのは 同じ欧州のキリスト教文化圏でなく、トルコ、シリア、北アフリカからの移民。ドイツ語を話さないことも多い。
「日本に突如、中東から移民が大挙して来たら」と想像できるだろうか? 日本人同士でもご近所トラブルは日常茶飯事。文化の衝突は免れない。
「移民」と「難民」の違い
- 移民
- 合法・不法を含めて、現地国で定住する異国からの移住者。 - 難民
- 戦争・災害などによる一時的な避難者で、(建前上は)いずれ母国へ帰国することが前提。
「移民」と一括りにされがちだが、EU・ドイツの人口動静はカオス状態。難民もかなり多く含まれている。そして川口教授の言う通り、難民はほとんどの場合、いずれ移民となり 母国へは帰国しない。
結論として、ドイツ移民人口については ドンブリ勘定で話さざるを得ない。確かなのは、急増していることだけ。
ドイツ人は少子高齢化
ドイツの出生率は1.57で、ドイツ全体としては人口回復傾向(2017年)。しかし生粋のドイツ人は少子高齢化。
つまりドイツ人は減少しているのに、移民が増加していることがわかる。
移民は多産
出産しているのは、トルコを始めとする中東移民が圧倒的に多い。このままでは100年後、生粋のドイツ人はマイノリティへと転落。ドイツは、トルコ人の国になるかもしれない。
それはキリスト教ではなく、イスラム教国家になることを意味する。ドイツの伝統や文化は全く別のものとなるだろう。
シェンゲン協定、ダブリン協定とは?
ドイツのメルケル首相が強引に難民を欧州へ招き入れたため、EUにおける「移動と難民のルール」が無力化しているとの懸念が強まっている。
シェンゲン協定
グローバリズムに基づき、ヨーロッパの加盟国間を国境検査なしで通過できる協定。ただし1カ国でも検査が甘いと、簡単にテロリストが欧州各国を移動できてしまう欠点も。
人が国境を自由に越えられるため、新型コロナウイルスが瞬く間に欧州へ拡散することにも繋がった。
ダブリン協定
シェンゲン協定圏内に入った最初の国で難民申請をするルール。違反者は最初の国へ送り返される。
イタリア、ギリシャなど欧州の玄関口となる国への負担が大きいため、見直しが求められている。
難民たちはというと、社会保障の手厚いドイツまで来てから難民申請をするため、ダブリン協定は有名無実化。
2015年欧州難民危機
「2015年欧州難民問危機」は 日本でも多少は報道された。シリアの内戦激化などにより、年間100万人以上の難民が欧州へ流入。
難民のEU流入ルート
- バルカンルート
- シリア、イラク、アフガニスタンなど中東難民 - 地中海ルート
- 北アフリカ難民
人道NGO救助が前提のボートピープル?
北アフリカの難民がEUへ向かい、広い地中海をボロいボートで漂流。すし詰め状態で。マルタ、イタリア、スペインなどがひとまずの目標地。
船がボロいのは、最初からEUのNGO救助船に助けてもらえることを前提にしているからという。
難民発生の背景とは?
ハッキリ言うと茶番が疑われている。目的は ①難民ビジネス、 ②欧州キリスト教文化圏の破壊だが、詳細はまた別の機会に言及しよう。
「人道」という名目で「遭難救助」にくるNGOの立派な大型船は、豊富な資金力を伺わせる。
もちろん現場の職員や医師は善意。その善意を利用している黒幕の存在が問題であることを、念のため断っておく。
難民 = 人身売買ビジネス?
日本の感覚では信じ難いが、難民ビジネス、密航ビジネスというのは現実として存在する。巨大マーケットゆえ、国際マフィアが暗躍することは想像に難くない。
たしかにボロいとは言え、難民が乗るボートは 一体誰が準備するのか? 国際的な情報と高度な人的ネットワークがなければ とても成立しないのだ。
難民も犠牲者
川口教授によると、難民希望者は密航斡旋業者に大金を積むらしい。「途中で『人道団体』が『救助』してくれることになっている」との言葉を信じて。
残念ながら、地中海には多くのボートが沈んでしまっているようだ。難民自身が犠牲者であることを忘れてはいけない。
ケルン大晦日大量性暴行事件
移民・難民問題が大々的に注目されたのは、ケルン大晦日大量性暴行事件がきっかけ。
2015年12月31日大晦日に 独ケルン中央駅前で発生した、大規模な窃盗や強姦。被害者は20歳前後の若いドイツ人女性たち。
ケルン大聖堂前は 大晦日カウントダウンの花火に若者が詰め掛けることで有名だったが、そこでアラブ・北アフリカ系の男性約1000人が犯行に及んだ。恋人の目の前で被害を受けた女性も。
移民問題の放送はタブー
これだけの規模の犯罪が公衆の面前で行われたにも関わらず、マスコミ報道は1月4日まで「自粛」。事実上の隠蔽が疑われたため、かえって国民の怒りを煽った。
参考記事
「No Go Areas」警察も不介入 - これ本当にドイツ?
日本人の認識では、世界を牽引する先進国であるはずのドイツ。まさかそのドイツで、警察も恐れて介入できない「No Go Areas」が急激に増加しているとは驚きだ。
大っぴらには語られにくいが、単刀直入に言うと 土着化した移民の血縁関係で、移民の一部がマフィアとして君臨。ドイツの法よりも、移民マフィアのルールが支配する治外法権エリア。
公立学校の教師も怖くて なり手が不足。古くからのドイツ人は出て行く。ドイツが少しずつ消えて行く過程なのだろうか。
前述のケルン以外にも、ベルリン、ニュルンベルク、フランクフルト、ミュンヘンなどの都市圏。つまり もうドイツ全域に、こうしたエリアがあるという。
難民への性教育講座?
男女平等の概念も随分違う。異教徒女性への対し方、考え方も違うようだ。
- ドイツ人女性が挨拶したら、自分に興味がある?
- ドイツ女性が薄着しているのは、自分を誘っている?
ドイツ政府統計によると、2018年の移民による性犯罪は 報告されているだけで約6000件。ドイツ文化圏であらぬ誤解や摩擦がこれ以上起きないよう、難民の若い男性には「移民向け性教育講座」なるものが実施されている。
日本で難民問題が発生したら?
ある日、もし北朝鮮難民が大量に日本海を渡って来たら? 外国NGOの救助船で「人道的」に新潟、舞鶴、福岡へ難民が到着したら?
優しい日本人は断れるだろうか? メディアはなんと報道するだろうか?
異論を唱えた政治家は差別主義者扱いされないだろうか? 火中の栗を拾い、真実を話せる国士はどれだけいるだろうか?
日本はすでに世界第4位の移民大国?
本稿では触れなかったが、日本への移民計画は着々と進行している。それもグローバリズムを信奉する日本の政治家たちによって。
「我が国がすでに世界第4位の移民大国」になっていることを、多くの日本人は気付いていない。なぜ日本のメディアは報道しないのだろうか?
北海道500万人移住計画
海に囲まれた島国であることだけでは、永遠に守られる訳ではない。中国からは北海道500万人移住計画も着々と進行中。
今こそ日本人は気づかなければならない。子供たちのためにも。
次回記事では、ディープステートによる移民・難民を用いた国境破壊戦略、グローバリズムの野望を考察してみる。
この記事のまとめ
川口マーン恵美著『移民難民』 - EU難民問題から学ぶべき「移民政策の失敗」とは?- ドイツでは4人に1人が移民の背景を持つ。
- 世界では難民ビジネスが存在。
- 2015年欧州難民危機とケルン大晦日大量性暴行事件で、移民難民問題が表面化した。
- ドイツは移民難民問題で治安悪化、文化の衝突が深刻化。
- 「ドイツ人は少子化、移民は多産」なため、将来人口逆転の可能性がある。
- 世界第4位の移民大国日本でも、北海道500万人移住計画など警戒が必要。