今さら聞けないウイグル問題① - 21世紀のホロコーストて本当?
更新日:ウイグル人の弾圧問題を 耳にしたことがある方は 多いだろう。
「なんだか中国では、少数民族がいじめられているらしいぞ」
「ウイグルには美人さんが多いらしいよ」
これくらいの認識は、筆者を含めた周辺でも一般教養程度にある。
しかし、実際のところはよく知られていない。
同じイスラム教を信仰する中東諸国が、ウイグル人への弾圧を 黙認しているのも 不思議だ。
以下に 概要をまとめてみた。
ウイグル人とは?
地理:新疆・ウイグル自治区(東トルキスタン)
人口:約1000万人*
言語:ウイグル語(テュルク系諸語)
宗教:イスラム教スンニ派
*ウイグル人口の正確な情報調査は困難で、約2000万人という意見があることも併記しておきます。
(ブログ「台湾は日本の生命線」より)
新疆ウイグル自治区は 中央アジアに位置するため、多様な民族の血が混ざり ハーフ系の美男美女がとても多いことで有名。一般的に、性格は豪放で人懐こく、家族の結びつきも強い。
(秘境の旅写真館より)
どんな弾圧があるの?
最低でも46回に及ぶ核実験
ウイグル人には告知なし、無断で核実験。使用された核爆発は広島原爆1370発分。異常なガン発生率、奇形児などの甚大な被害が報告されている。
モスクの破壊
敬虔なイスラム教徒である ウイグル人。心の拠り所モスクは、次々と破壊。
美しいモスクは 人類全体の遺産
100万人が思想教育施設(強制収容所)へ
ウイグル人の再教育を名目に、「強制収容所」では洗脳教育が24時間、100万人規模で行われている。「教育内容」はあまりにも凄惨で、倫理に反するためここでは書けない。
(BBCより)
生きたまま臓器売買
ウイグル人から生きたまま、麻酔も使わずに取り出している。当の執刀医エンバー・トーティ氏が、2013年 亡命先のスコットランドで 告発している。
(The Epoch Timesより)
2017年、当局が健康診断と称して、DNA登録を指示。今やウイグルのカシュガル空港には、臓器運搬専用のレーンが設置。共産党の高官や、海外富裕層に販売しているという。
(SAPIOより)
参考:「Bloody Harvest」デービット・キルガー カナダ元国会議員
今の市内は?
監視カメラがビッシリ
テロ阻止を名目に、街中には監視カメラで 死角が一切できないよう設置。監視カメラにはSONY、SHARPの技術が使用されているという。2019年、米国政府は 中国への監視カメラ禁輸措置を発動した。
(産経新聞 ロイターより)
孤児が溢れている
ある日突然、両親や親戚が職業訓練所(強制収容所)に連行されることで、幼い子供たちが孤児になっている。幼い子供たちは人身売買、臓器売買のターゲット。
(BBCより)
経済的差別
ウイグル人は、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)こそ彼らの故郷であるにも関わらず、就職差別に遭う。やむを得ず 当局の一員となって、同胞を監視することもある。心はズタズタだろう。
(wikipediaより)
当局員が「家族」としてやって来る
強制収容所へ親や、伴侶が連行されている間に、当局職員が「家族」として同居する。母、娘しかいない女世帯でも、男性職員が同じ部屋で寝るという。
「民族浄化」強制結婚
ウイグル人の若い男性は、よく拘束される。正体不明の注射や 薬を飲まされるが、それが交配能力を奪うもの だということは知られている。だが拒否する権利は事実上ない。
一方、美人で知られるウイグル人の若い女性たちは、経済的貧困と「家族の安全のため」、移住してきた漢人と結婚することを余儀なくされている。
留学生は家族を使って脅迫される
世界に散らばるウイグル人は、家族から帰国を迫られる。通信の背後には共産党員。帰国して、空港で拘束されるウイグル人は 後を絶たない。
(abema.TVより)
国際社会の反応は?
チャイナマネーで各国は萎縮
別記事にある通り、同じイスラム教を信じる国家が中国の肩を持っている。「一帯一路」政策で、多数の国々が経済的誘惑を受け、中国に服従。
サウジアラビアのサルマン国王 (newsweek ロイターより)
日本の人権派は沈黙
日本の学校教育ほど「人権教育」に熱心な国はなく、TV、新聞では政治家、運動家、コメンテーターが、人権を口にしない日はない。にも関わらず、その誰もが ウイグルの人権弾圧には全く触れない。国民も 関心が非常に低い。
※ 一部人権団体が声をあげ始めてくれています!
日本の 中華系出身 女性政治家(wikipediaより)
サッカー ドイツ代表 エジル選手の声明
(メスト・エジル HPより)
2019年12月 トルコ系移民出身である エジル選手(アーセナル所属)は、Twitterにトルコ語で胸の内を表明した。しかし 所属する英国プレミアリーグ・アーセナルは、中国の反発を恐れ沈黙。
「コーランが焼かれ、モスクが閉鎖され、イスラム神学校が閉校させられ、聖職者たちが次から次へと殺され、兄弟たちが強制的に収容施設へ送られている。それなのにイスラム教徒たちは沈黙している。」
米国が声を挙げた
トランプ共和党政権は、中国への対決姿勢を明確にしている。ウイグル弾圧も糾弾。2020年5月14日、「ウイグル人権法案」を上院で可決。
中国との経済関係精算(デカップリング)
トランプ大統領が就任してから、米中貿易戦争が世界の注目を集めている。
中国への経済依存が解消されることで、遠慮なく 正義を貫くことができる。
中国共産党がウイグル人を弾圧する理由
(AFPより)
では、そんな歌と踊りと酒を愛するウイグル人が、なぜ弾圧をされるのか?
主な理由は、次の3つとされる。
- 経済 ---- 天然資源
- 世界戦略 ---- 一帯一路
- 国内事情 ---- ISテロ防止・少数民族支配
① 経済的理由 - 新疆・ウイグル自治区には膨大な天然資源がある
1980年代後半に、新疆ウイグル自治区には莫大な量の油田、天然ガスなどが発見された。現在、石油、石炭、天然ガスは中国全体のそれぞれ約30〜40%。中国巨大マネーの重要な柱。
(ブログ 心の時空より)
② 国際戦略 -「一帯一路」構想の拠点
習近平共産党政権が掲げる一帯一路は、現代版「植民地政策」と揶揄される。各国をチャイナマネーで借金漬けにさせて、支配下におくいわゆる「債務の罠」がその実態。最終目的は世界征服。
新疆ウイグル自治区 首府ウルムチは、地政学上 一帯一路の重要な中心軸。
(NHK HPより)
③ 国内政治 - ISなどのテロを警戒
訓練するアメリカ兵
ISテロ対策が名目では、国際社会も反論が難しくなる。2014年には習近平 暗殺未遂と疑われる事例もあった。中国政府は「再教育」を施すことで、「治療」していると弁明。だが中央アジアには、元々 多様な民族と宗教が 互いを兄弟として、尊重しながら共生してきた豊かな歴史があった。
実際には イスラム教の神アラーを崇拝すると、カリスマが失われて困る共産党。また、他の少数民族への 見せしめともされている。
私たちにできることは?
日本の勇気ある漫画家 清水ともみさんによる作品、「その國の名を誰も言わない」 をご覧になってほしい。
「私たちは歌と踊りを愛する穏やかな民族だった。ただ情報にうとかった。初めは友好的だったのに、気が付いたらこうなっていた。」
「私たちがこのまま全滅しても、決してそれが終わりじゃない。」
皆さんの心は、何と言っているだろうか?
この作品を、ぜひ皆さんの大切な方々に 拡散してほしい。
しかも実は、次に日本が中国共産党から狙われているのを ご存知だろうか?
ウイグルだけでなく、もう私たちの問題でもある。
沖縄におけるデモ行進での衝突(シーサー平和運動より)
同胞であるイスラム諸国を始め、国際社会に見捨てられているウイグル。せめて同じ時代に生きる人類の兄弟として、私たちはこの現状を家族、友人、知人に伝える必要があるのではないだろうか。
- ウイグル問題をまず自分が知ること
- 友人・知人・社会に知らせること
私たち一人ひとりの力は、わずかかもしれない。
しかし、小さな石を 一つだけ投げてみてほしい。
その波紋が集まれば、何かが動くかもしれない。
(平成・美しい日本を守る会ブログより)
■ おすすめ書籍:
■ ウイグル問題シリーズ:
※ チンギスハンについて触れている箇所がございましたが、歴史的評価がまだ定まらないこともあり、今回の記事中ではいったん該当箇所を削除してあります。ご了承ください。 (2020.6.5)
※ 冒頭の画像を、よりメッセージ性の強いものに変更しました。 (2020.6.6)
この記事のまとめ
今さら聞けないウイグル問題① - 21世紀のホロコーストて本当?◾️どんな弾圧があるの?
- 核実験46回
- 思想教育施設
- モスク破壊
- 臓器売買ーDNA登録
- 出産制限工作
- 家族を人質
◾️今の市内は?
- 監視カメラがビッシリ
- 孤児が溢れている
- 経済的差別
- 同胞を監視
- 民族浄化結婚
◾️国際社会の反応は?
- 経済支配で各国は萎縮
- 日本の人権派は沈黙
- サッカードイツ代表エジル選手が声明を出した
- 米国政府が声を挙げた
- 米中デカップリングが進行中
◾️弾圧の理由は?
- 経済ー新疆・ウイグル自治区に眠る豊富な天然資源
- 国際戦略ー「一帯一路」構想の拠点
- 国内政治ーISなどのテロを警戒
◾️私たちにできることは?
- ウイグル問題をまず自分が知ること
- 友人・知人・社会に知らせること