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性のタブー視はNG! ユダヤ教徒から学ぶ「家庭内での性教育」が必要な理由とは?

更新日:性のタブー視はNG! ユダヤ教徒から学ぶ「家庭内での性教育」が必要な理由とは?

ユダヤ人の親が子どもへ継承し続けてきた本当の「性教育」。

性とは美しく尊いもの。彼らの性に対する価値観をご紹介します。


皆さんが持つ「性教育」のイメージは どのようなものでしょうか。

出産の映像や、男女の生殖器が描かれた教科書でしょうか?

昨今の子ども達は「性」に対して早熟といいます。しかし、だからといって性を正しく理解しているわけではありません。

むしろ初体験の低年齢化や、青少年性犯罪の広がりを見れば、性教育の見直しが必要といえるでしょう。


本来「性教育」とは家庭で行われるべきもの。

親から子へと大切に継承される「愛と命の教育」なのです。

目次
性のタブー視はNG! ユダヤ教徒から学ぶ「家庭内での性教育」が必要な理由とは?

ユダヤ人が子どもに行う性教育

ユダヤ人の父母が子どもに教える最初の「性」とは、「どうして性教育が必要なのか」という問いかけ。

彼らはこれを ハブルータで教えるといいます。

ハブルータについてはこちら
天才ユダヤ人の勉強法「ハブルータ」…学習効果は18倍 【ユダヤ式教育5】ユダヤ人が行う最も効率の良い勉強法「ハブルータ(質問・討論)」についてご紹介


ユダヤ人にとって性教育とは、聖書に基づく信仰教育の一環。父母が行うべき大切な人格教育であり、決して他人任せ(教師やメディア 等)にはしません。


日本における一般的な性教育とは異なり、ユダヤ人父母は聖書を引用しながら 以下のように子どもへ質問します。

  • 神はなぜ男と女を創造し、人間に性欲を与えたのか
  • 「性」を使って神は何を計画されたのか(人間に期待されることは何か)
  • なぜ性行為は夫婦間でのみ許されるのか
  • 真の喜びを得る夫婦関係を築くには、性に対してどんな価値観を持つべきなのか

これらの概念は「結婚の目的」とも繋がる重要なテーマ。

ユダヤ人の結婚観は、単純に男女が惹かれ合う「恋愛」とは異なり 下記3つを重要視しています。

  1. 神の選民を多く生み育てること
  2. 夫婦が一対となり神が与えた喜びを享受すること
  3. これらの価値観を 幼いうちから教えること


すなわち ユダヤ人にとって性教育の第一歩は「価値観教育」なのです。

参考記事
結婚は何のため? ユダヤ人(ユダヤ教)の結婚観が理想的すぎる!結婚とは何か? 結婚は何のためにするのか? ユダヤ人が4000年間継承してきた独特の結婚観から

「性」はタブー(恥ずかしいもの)なのか?

皆さんの家庭では「性」について親子で会話することができますか?

特に日本の家庭では、「性」を「恥ずかしいもの」「汚れたもの」「俗っぽいもの」として捉えがちです。タブー視される為、ほとんど話題にものぼらないことでしょう。


しかし考えてみて下さい。

「性」とは 恥ずかしいもの、汚れたものなのでしょうか?


ユダヤ人は「性」を以下のように解釈します。

性=Sex(男女が肉体的に関係を結ぶこと)とは、ラテン語の「Sexus」という言葉に由来し、切る(Cut),分ける(Divide)という意味を持つSecoの動詞として派生したもの。

男女とは、刀で二つに割ったように異なるアイデンティティを持ち、さらに異なる生殖器を持つもの。

※ 結婚して一対になる事で完成する

この考え方を土台としながら、性に対する神聖な価値観を持っているのです。

  • 男女の生殖器とは、二つが一つに結合することで、新しい生命を生み出す美しく尊い器官である。
  • 夫婦間の性行為は、神の人間に対する『産めよ増えよ』という祝福であり、それを実現する最高の喜びの瞬間である。

ユダヤ人が「性」をネガティブに教えることはありません。

「性」は、人間としてごく自然に誰もが享受すべき権利。彼らは、神に選ばれた民族として性を正しく守っていくことを重要視するのです。

正しい性教育の必要性

なぜ今、家庭内で「親による性教育」が必要なのでしょうか。

それは現代社会が、本来美しく尊いはずの「性」を大きく歪曲している為。

現代の子ども達は かなり早い時期から、性に対する間違った観点と情報を吸収する環境にいます。


近年ますます若年化する、ポルノ動画に接する年齢と初体験の年齢。

小学生も例外ではありません。スマホの出会い系サイトやゲーム内の音声チャットなどで、見知らぬ相手と簡単に出会えてしまう恐ろしい時代。

少女達は悪い成人男性の餌食となり、安易に性器の写真を交換してしまうといいます。

しかも それらは脅しの道具として悪用され、最終的には望まぬ性行為という地獄に繋がるのです…。

被害に合う少女達の年齢は、小学校高学年 〜 中学2年生が最多。

これ以上 幼い子ども達が苦しまない為には、正しい性教育が急務といえるでしょう。

学校で行われている「誤った性教育」

では学校の性教育を強化すれば良いのでしょうか? そうではありません。

韓国の例を挙げるならば、公立学校(中1)の保健の授業で、詳細な避妊方法、具体的な避妊具の使用方法を教え問題となりました。

また レズビアンやホモセクシャルを「個人の嗜好」とし、トランスジェンダーを第3の性として尊重すべきなどと紹介。

これらに反対する保守的なクリスチャンから、「行き過ぎた性解放思想を未成熟な子どもたちへ注入している」と非難されています。


学校で教える「性教育」は、単なる「望まぬ妊娠を回避する方法」「性病予防」であるのが現状です。

「真」の性教育とは、道徳心や命への責任、男女の精神的な繋がりも含め、未来に築く家庭生活を土台に語られるべきもの


「性 = 性行為」という観点だけでは、現在のネガティブなイメージを取り去ることはできません。

「性の神聖さ」を伝えていないこと。これが日本社会において 性がタブー視される理由です。

家庭で教えるべき『性教育3つのRight』とは?

子ども達には「性」に対する肯定的で美しいイメージを伝えてあげましょう。

将来 幸せな家庭生活を送るには、性に対する正しい理解が不可欠です。

心から性の喜びを享受した夫婦生活を送れるよう指導するのは、親の大切な役目。


以下は、韓国人クリスチャンが書いた「3R運動による性教育」の一部です。

  1. 正しい時に(Right Time)
    =結婚後に
  2. 正しい相手と(Right Person)
    =配偶者とだけ
  3. 正しい場所で(Right Place)
    =家庭の寝室や 安全に心穏やかでいられる所

価値ある性行為というのは 3Rを実現すること。「性教育=正しい価値観を教える事」だと著書は強調しています。


歪曲された性の情報が入り込む前に、正しい判断力と 誘惑に打ち勝つ免疫力を育てるのは 親の役目なのです。

家庭で! 父母が! 幼少時から! 性教育を行うことが急がれています。

年齢別の「性教育指導」内容とは?

最後に年齢別の性教育指導指針をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

幼児期(~7歳)の性教育

  • 生殖器に対する好奇心を持つ年齢
  • 正式名称や機能に対して絵本などを使いながら事実通り教える
  • 大人と自分の生殖器の違いを比較するなど


男女の違いについて子供が質問してきたら?

恥ずかしがらずに真面目に説明しましょう。生殖器は男女ともに大切な器官。普段から清潔に保つこと、傷つけないよう過ごすことを教えましょう。

小学校低学年(8~10歳)の性教育

  • 男女の生殖器の違いを教える
  • 生殖器とは、生命誕生のための尊い部位であることを強調する
  • 男女は互いを相互補完し合う存在
  • 男女は助け合って家庭生活を営むパートナーであり、違いを尊重し合う大切さを教える


性的ないたずらや暴力的な行動が見える時には「なぜそのような行動をしてはいけないのか」を明確に教え、再発防止に努めましょう。

この時期の子は思春期に比べると、比較的 素直に親の言葉を受け入れます。

「性行為は夫婦間でのみ行う」「父母の愛の証として生まれた尊い存在があなた」だと 子どもたちへ伝えるには、最適な時期です。

小学校高学年~中学生(11歳〜)の性教育

  • 初潮や夢精を迎える時期
  • 妊娠・出産に対して具体的な対話を始めましょう
  • 異性交際や婚前純潔、結婚生活に対する親の意見を伝えること


特に オンライン上で接するポルノ動画が、実際の夫婦関係とは異なる誤った情報だという点は、きちんと伝えましょう。

この記事のまとめ

性のタブー視はNG! ユダヤ教徒から学ぶ「家庭内での性教育」が必要な理由とは?

家庭での性教育を成功させる秘訣は以下の2つ。

  • 夫婦が互いを尊重し愛し合う姿を見せること
  • 親子間の深い信頼関係の形成


どんなに素晴らしい教育方法を知っていても、夫婦関係に葛藤があれば「美しく尊い性」を語ることはできません。

また、性に関する対話が「何か特別なイベント」になってしまっても意味が無いのです。


性教育とは、ごく自然な会話の中で 子どもが成長し一人前になるまで行われるのが理想。

そのためにも、普段から親子の対話を大切にし、温かな家庭の雰囲気を作ることを心がけましょう。


※ 夫婦・親子間の信頼関係形成のために、ぜひ幼少時からハブルータ対話法を家庭で習慣化してみてください。
【ユダヤ式学習法】ハブルータのやり方(後編)「良い質問の仕方4つ」のうち「実践の質問」と「総合の質問」について解説していきます


ユダヤ人にとって「性教育」とは、生き方を伝承する「生教育」。

美しく価値ある "尊い性" = 美しく価値ある "尊い結婚生活"

へと繋がっていくのです。


ぜひ一度、家庭で本来の性について話し合ってみてください。

幸せな家庭づくりの助けになれば幸いです。

ユダヤ式英才教育ユナママ
ユダヤ式英才教育ユナママ

日本ハブルータ教育研究会代表。

東京都出身、在韓歴21年目の日本人。家族構成は、夫(韓国人)と3人の子供たち。韓国の大学を卒業後、米国語学留学。USCPA(米国公認会計士)試験に合格し、英語・韓国語・日本語を生かして韓国大手会計法人にて勤務。米国滞在時より世界の経済を牛耳るユダヤ人には興味があった。第2子を出産後、本格的にユダヤ式英才教育を学びたいと思い、韓国ハブルータ教育協会にて、父母教育&読書討論指導過程を修了。現在は、韓国人&在韓日本人ママ向けに、ハブルータ読書討論コーチ・父母教育講師として活動中。

〇 メッセージ 〇
「我が家に最適な育児法とは?」という悩みを数年間 抱き続け、様々な教育方法を学んでいた2014年に「ユダヤ式家庭教育法」に出合いました。それ以来、育児の指針となったユダヤ式教育と、学力だけでなく豊かな人間性を育てることができる「ハブルータ」の虜に。
(ハブルータ:ユダヤ式1対1質問討論学習法 & 読書討論法)

この素晴らしい教育法を広めるべく、この度 インターネット上でも執筆させていただく事となりました。ぜひ一人でも多くの親子が、幸せで豊かな人生を送るお手伝いができれば幸いです。