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日本共産化の危機『自由 / 共産党の嘘 / マスコミの偏向報道』 - 安部孝一氏(元第百七師団長)の言葉まとめ①

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日本共産化の危機『自由 / 共産党の嘘 / マスコミの偏向報道』 - 安部孝一氏(元第百七師団長)の言葉まとめ①

日本最後の軍人として、明治・大正・昭和の三世代にわたり、戦前・戦中・戦後と 日本が最も波乱に満ちた時代を生き抜いた、安部孝一(あべ こういち)氏。

壮絶な戦争・抑留生活を経験しながらも、国を愛し、自由を愛し、日本の未来を憂う安部氏のことばを、全4回のシリーズで紹介する。


安部孝一氏プロフィール

1892年11月16日(生誕)〜 1977年10月27日(84歳没)。大日本帝国陸軍に所属、最終階級は陸軍中将。

  • 1944年5月、陸軍中将に進級。第107師団長として満州アルシャン(阿爾山)の防衛に当たった。
  • 1945年8月、ソ連軍の進攻を受け、退却作戦を実行。停戦命令が届かなかったため、終戦後も戦闘を継続。
  • その後、厳しいシベリアの収容所の中で11年に及ぶ抑留生活を経て、最後の帰還船で舞鶴の港に帰国。


シリーズ第1回目の本稿では「自由」に関する安部氏のことばをまとめた。

目次
日本共産化の危機『自由 / 共産党の嘘 / マスコミの偏向報道』 - 安部孝一氏(元第百七師団長)の言葉まとめ①

赤化勢力の世界的跳梁と これに対する反省

*「二六会会報」の巻頭言 "昭和46年を顧みて" より


1971年10月25日、国連総会において、賛成76 反対35の圧倒的多数票をもって、中国の国連加盟が決定。国連当初よりの忠実なる台湾国民政府が追放され、しかも同時に中国が常任理事国の地位を占めた。かくて五大常任理事国中、ソ連と中国との二つまでが赤色勢力の主動者となった。

これは全世界が、実力ある中国の存在を無視できなくなった一面、もはや赤色勢力の浸透を拒否できなくなったことの証左とも見られよう。


ちょうど東京都民が自らをマルキスト(共産主義者)と公言する美濃部を三百五十万票をもって知事に選出したのと一脈相通ずるものがある。


大都市とくに東京において、近年共産勢力が非常に伸ばして来た。共産党は終戦後の過激行動の失敗に鑑み、「愛される共産党」なるソフトムードを旗印とし、民衆も深く その本質を究めようとせず、政府のやらないことも 共産党に頼めばすぐに実現し、一切の不満も悩みも親身になって心配してくれるなど、日常身辺のことにのみ目を奪われ、選挙ごとにこの党を支持しその党員に票を投ずるので、その勢は侮れぬ状態になってきた。だが、民衆は共産党の目指す恐るべきものがなんであるかに全然気がついていないようだ。


かれらは疑いもなく、日本をソ連もしくは中国のような共産党に改変することを目的としている。それに拍車をかけるのがマスコミである。それらはその紙面や電波を動員して、ソ連や中国の良い面のみを写真入りで宣伝強調する。民衆の生活は安定、老後は保証され、税金は廉く、物価は低く、託児所は整備、教育はほとんど無料等 羨ましいことずくめ。これが地上の楽園であり、理想郷であるかのように印象づけることに躍起となっている。

また、両国に旅行や出張した“文化人”や“政治屋”たちも、これらの国の民衆はきわめて幸福に生きていることを 裏書きするかの意見を発表する。これでは日本の民衆が騙されるのは当然だ。

自由の問題

だが、そこに重大な本質的な一事が忘れられている。それは人間に最も大切な自由の問題である。

選挙には共産党の選んだ定員だけの候補者のみに絞られ、無競争だから選挙は必要としないのに、投票率はいつもほとんど百%というお祭り騒ぎの猿芝居。これら議員様は、たとえば馬鈴薯を多く収穫したおばさんとか、炭鉱でノルマ以上の能率をあげた青年といった連中だ。


日本がもしこんな国になったら、とても我慢ができない。だが革命後五十五年、かれらはこんなことが当たり前と思っている。恰も飼い馴らされた籠の小鳥と同様、自由の天地へのあこがれを知らない。

こんな国に作り変えられようとしているのに、お人よしの日本人は、目前の利益のみに釣られて、無反省無意識に共産主義への道を踏み出そうとしている。危ないかな日本、哀れなるかなこの日本人!

朝日新聞社について

今や不幸にして事、志と違うものあり、君国はしばしば苛酷なる現実の制約の下に曝されることになった。おそらく今後も幾年か、はた幾十年か、並々ならぬ苦難が続こうとも断じてこれを意とすべきではない。挙国一家国体の護持を計り、神州の不滅を信ずると共に、内に潜熱を蔵しつつ、冷静、以て事に当たるなら、苦難の彼方に洋々たる前途が開けて行くのである。加うるに被圧迫民族の開放、搾取なき国家の再建を目指した大東亜宣言の真髄も、またわが国軍独自の精神の発揮も、ともに大東亜戦争の経過中における収穫というべきであり、これらの精神こそは大戦の結果の如何にかかわらず、双つながら永遠に特筆せらるべきわが国民性の美果としなければならない・・・(略) 敗戦翌日の朝日新聞社の社説
1953年(昭和20年)8月16日


この徳富蘇峰ばりの雄渾なる名文、この高邁なる精神の表現! それがなんと、朝日新聞社の社説であった。

そして戦後いくばくもなく、同新聞は全く変貌堕落し、赤色マスコミのトップとして君臨し、前述論文の主旨と全く逆行している。もし現在の姿が本当であるなら、あの“非民主的”の所論が間違いであったと社会に向かって謝罪せねばなるまい。


およそ共産主義国と全体主義国とにおいて、言論に対する行き方には一大相違がある。

前者においては国家が、言論を統制し、民衆の正しい声は全く無視弾圧され、そこになんら自由も認められないが、後者においてはマスコミが主導権を握り、民衆の声と称して、政府、国民の言論思想を指導し、事実を黙殺または歪曲している。

とくに後者においては、いかなる愛国運動も集会も、記事の対象にはならない。憂国の士の思想や意見に対しては、ほとんど言論の場が与えられていない。政府発行の文書や、民間の愛国的新聞も微力にして問題にはならない。これでは国民を正しく導くことは不可能に近い。

ただ両者における報道が全く対蹠的であるに拘らず、赤化勢力の拡張、浸透に協力している点においては全く軌を一にしている。民衆は正確公正な報道に知らされないから適切正鵠な判断ができないのみか、しばしば正反対の結論にさせ陥らざるを得ない


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