脱北者「李炫昇/李ヒョンスン」インタビュー① 北朝鮮エリート高官の経歴とは?
更新日:脱北者「李炫昇/イヒョンスン」氏のインタビュー全文(書き起こし)を、全5回のシリーズでお伝えします。
李氏は 北朝鮮の元高官。インタビューでは、エリート支配層の立場から見た
- 北朝鮮の実情
- 金正恩は中国(習近平)に対し、どう思っているのか?
- 金正恩の無能さ
- 人権侵害問題
- 飢餓問題
- 韓流ドラマ「愛の不時着」
- 朝鮮半島統一問題
などについて、率直に告白。
北朝鮮では 誰もが羨むような生活をしていた李氏の家族が、なぜ脱北(亡命)するに至ったのでしょうか?
金正恩体制が抱える "闇" について、学んでいきましょう。
謝辞:
情報提供してくださいました 一般社団法人アクション・フォー・コリア・ユナイテッド の皆さまに、心から感謝申し上げます。
エリート脱北者「李ヒョンスン」氏のプロフィール
- 北朝鮮で最高位幹部の息子として、1985年に誕生
- 北朝鮮において名門とされる金星学院(KumSung Academy)と平壌外国語学院(Pyongyang Foreign Language School)を最優秀で卒業
- 2011年、中国の東北財経大学にて経済学の学士号を取得
- 高官の子供たちは 簡単に兵役免除を受けられるにもかかわらず、朝鮮人民軍に志願入隊。3年3ヶ月間 軍に服務
- 2005年、軍での服務を終え 朝鮮労働党へ入党。社会的地位をさらに強固とする
- その後、中国へ留学。学業に励むと同時に、2006年〜2012年まで 金日成社会主義青年同盟の中国大連地区委員長を任される(毎週 大連地区の北朝鮮青年学生を指導)
- 大学卒業後は、北朝鮮のミヤン船舶会社 中国支社の副代表へ就任。その後 3年間、北朝鮮と中国間の貿易・船舶の運営を行う
- 金正恩政権下にて高官の処刑が相次いで発生。友人の家族が政治犯収容所へ送られるのを見て、北朝鮮政権に幻滅
- 2014年10月、家族と共に脱北して韓国居住
- 2016年から米国ワシントンDCに居住
李ヒョンスン氏のインタビュー映像
李氏のインタビューは、こちらの 27分10秒 〜 1時間4分30秒 のあたりです。
本シリーズは、上記インタビュー部分の日本語訳 書き起こしとなります。
※ 各項目の見出しについては、編集者によるもの。全てが直訳ではなく 一部に意訳 などを含みます。
李ヒョンスン氏のインタビュー書き起こし
皆さんこんにちは。北朝鮮から6年前に亡命したイ・ヒョンスンです。今日この場にご招待いただき、とても光栄に思います。
私は本日 皆さんに、私が北朝鮮で生きてきた経験と 様々な北朝鮮エリートたちの視角*について お伝えしようと思います。
* 視角:考え方、捉え方、視点
最初は私の家族が亡命した動機と、その背景についてお話しいたします。
第二に、私が北朝鮮の住民として、北朝鮮の最高位エリートとして生きてきた背景と経験を話そうと思います。
第三は、北朝鮮エリートたちの 日本・韓国・米国・中国に対する視角を述べてみたいと思います。
最後に、昨今 日本でも有名な韓国ドラマ「愛の不時着」に対する私の考えと、朝鮮半島統一に対する「北朝鮮エリートたちの視角」「統一はどのように成し遂げられるのか」についてお伝えしようと思います。