ベネッセのデジタル教材(Classi, ミライシード)のプライバシーポリシーは要注意 - 個人情報が中国へ流出する?
更新日:ベネッセ(Benesse)のデジタル教材である「Classi」や「ミライシード」のプライバシーポリシーは要注意だ。日本人児童の個人情報が中国へ流出する可能性がある。
通信教育をはじめ、特にライフスタイルを中心に事業展開している「ベネッセホールディングス」。最近もアニメ『鬼滅の刃』とコラボした学習ドリルを無料配布し、話題となった。
また、日本政府(文部科学省)が推し進めるGIGAスクール構想に、いち早く対応している企業でもある。
「Classi」や「ミライシード」は、全国の小・中・高校で導入されているベネッセグループのクラウド学習サービスだ。
デジタル教材を用いての学習は、これからの時代避けられない。しかし利便性には危険も伴うことを、保護者はしっかりと理解しておこう。
特に個人情報の取り扱い。もし学校など公的な機関で民間企業のクラウド学習サービスを導入する場合、学校名・学年・クラス・出席番号・氏名などの個人を特定できる情報を提供することになる。
さらには、個人の成績・学習動向・作品(そこから推測できる趣味嗜好)。場合によっては写真・動画なども企業へ提供することになるのだ。
それが全国規模だと考えると恐ろしくないだろうか。日本の大多数の子供の詳細な個人データが、一企業に集まっているのである。
そしてベネッセのようなグローバル企業の場合、集まった個人データが外国支社(中国など)と共有される可能性は否定できないだろう。
現に、プライバシーポリシーにはそのように明記されているのだ!
GIGAスクール構想と「ミライシード」
GIGAスクール構想とは「高速インターネットを用いた学習環境」のことを指す。令和元年12月5日、日本政府によって閣議決定された。
文部科学省は「児童が1人1台のインターネットに繋がるタブレットを持ち、創造性を育む教育の実現」を目標に掲げ、令和5年度までに全国の小中学校で環境を整えるとしている。
デジタル教科書の導入と共に 公立学校へ導入されているのが、ベネッセのクラウド学習サービス「ミライシード」である。ミライシード 公式サイトの案内は次の通り。
ミライシードは、協働学習・一斉学習・個別学習それぞれの学習場面に対応した3つのアプリケーションからなるタブレット学習オールインワンソフト
既に5,000校以上で導入済とのことだ。出典
ミライシードの使用時は「プライバシーポリシーへの同意」が必須
企業が提供するデジタル教材を使用する場合、当然ながらその企業のプライバシーポリシーに同意する必要がある。
「ミライシード」の場合は、ベネッセのプライバシーポリシーに同意することで利用可能となるわけだ。
ベネッセのプライバシーポリシーに要注意
デジタル時代において、特にネットを介する共有サービスには注意が必要である。なぜなら、常に個人情報流出の危険が伴うためだ。
スマホアプリを含む クラウドサービスを利用する際は、必ず個人情報取り扱い欄に目を通すことをおすすめする。
では実際に、子供の詳細な個人情報を集めているベネッセのプライバシーポリシーを見てみよう。
※ なお、ベネッセの個人情報への取り組みに関する内容は、2020年4月1日に改定済。
ベネッセが収集する「個人情報」とは何か?
ベネッセのプライバシーポリシーには、個人情報を収集すると明記されている。
※ 以下は ベネッセ公式サイト 「個人情報保護に関する公表文」より引用して要約
ベネッセが個人情報を収集する事業
- 進研ゼミなどの通信教育
- e-learningによる学習支援
- 書籍・雑誌の編集・販売
- 学習ソフトなどの販売
- 「進研模擬」などの試験、診断テスト、能力テスト、就職、求職などの情報提供
- 出産、子育て、趣味、などの情報提供
- 「ベネッセウイメンズパーク」などコミュニティサイト運営
- 学習教室運営
- 放送サービス
- 旅行、エンタメ
- 介護サービス
- その他、上記各号に関連し、または附帯する目的
ベネッセによる個人情報の利用目的
- 商品やサービス提供のため
- サービスの案内や情報提供のため
- 統計資料、マーケティング資料の作成のため
- 当該事業に関連する研究・企画開発に利用するため
- 業務委託、モニター協力の依頼、アルバイト等の依頼のため
- その他、上記各号に関連し、または附帯する目的
とくに以下の2点に注目したい。
- 「その他」という記載:
曖昧な表現で濁している点を見逃してはならない。
(LINEも、問題発覚前は同様であった) - 業務委託:
後述するが、ベネッセが収集した個人情報は業務委託先に渡っている。
(業務委託先が日本企業である保証はない)
ベネッセで個人情報の訂正・削除には「970円」が必要
ベネッセは、収集した個人データの訂正・削除要請に応じるとしている。しかし、その手順が複雑であることは知っておきたい。
そして 個人情報の削除を申し込む際には、さらに詳細な個人情報を送る必要があり、別途手数料も発生する。
個人データの「開示等の請求等(訂正・削除含む)」に必要なもの
- ベネッセの用意した申込書1通
- 運転免許証、健康保険証など現住所が記載されているもののコピー1通
- 手数料970円
また、委任による代理人の場合は、さらに次のものが必要だ。
- 委任状1通
- 本人の印鑑証明書1通
- 代理人証明としての運転免許証などのコピー1通
ベネッセは、収集した個人情報を第三者へ提供する
ベネッセのプライバシーポリシーには、第三者への情報提供についても明記されている。基本的には提供しないとしながらも、以下を例外的な場合としている。
- 法令に基づく場合
- 人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき
- 公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
- 国の機関もしくは地方公共団体またはその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
一見もっともらしく記されているが、非常に抽象的な説明ではないだろうか?
簡潔にまとめると「本人の同意がなくとも ベネッセ側の判断で第三者へ個人情報を提供できる」ということになる。
またベネッセは「第三者に個人データを提供する場合には、直接本人に通知するか、ホームページで公表する」としている。
しかし気をつけたいのは、もしホームページの隅に記されていた場合、もしくは 膨大な資料の一部に小さく記されていた場合には、個人データの保有者がそれを見つけるのは困難だ。
ベネッセグループ間では個人情報を共有 - 中国にも?
収集した行動データは、個人を識別しない形でベネッセグループ内で共有するとしている。
※ 一応、個人データの共有を拒否することはできるそうだ。
ここで気になるのは、ベネッセグループが、外国(中国)にもあるという点。中国では、政府が命令を出せば 外資系企業もデータを全て提供する義務がある。
すなわち、中国共産党がその気になれば、ベネッセが収集した「日本人の膨大な行動データ、学力データ、趣味嗜好データ」などは 中共の手に渡るということだ。
ベネッセ スマホアプリのプライバシーポリシー
ベネッセ プライバシーポリシーの中でも特筆すべきが、スマホアプリ(タブレット含む)に関する部分である。
「必然性のない情報の取得は行わない」「ユーザの同意の上取得する」と謳ってはいるが、以下のデータをベネッセ アプリでは取得するとのこと。
- アプリの利用履歴
- 契約者・端末固有ID 等
- GPS等による位置情報
- メール内容、通話内容・履歴 等
- 端末内の電話帳(連絡先の氏名、メールアドレス、電話番号)等
- 写真・動画 等
デジタル教材アプリが、なぜメールや通話の履歴までも収集する必要があるのだろうか?
ベネッセが幼児向け・学生向けサービスを多く展開していることを考えると、日本の子供たちの行動・思考がベネッセに筒抜けといっても過言ではない。
またベネッセは、情報収集モジュール*によって収集した個人データを直接他社に送信する場合があるとしている。
* 情報収集モジュール - アプリに直接組み込まれたプログラムのこと
「情報収集モジュールの組み込み等によりお客様の情報を直接他社に送信し、第三者がお客様の情報を取得する場合は、事前にその旨をお知らせします」と記載されてはいる。しかし 具体的にどのような形でお知らせされるのか、プライバシーポリシーページには記載がない。
そして「取得する情報の項目、利用目的」の欄には「行政や他の企業等へ提供するため」と記載され、また委託業者とも共有するとしている。(なお、委託業者が日本企業とは限らない)
公立学校でベネッセアプリが導入された場合、実質 個人情報の利用を拒否できない
お客様からご提供いただいた情報の利用を拒否される場合、アプリの全部または一部をご利用いただけない、あるいはアプリをアンインストールしていただくことがあります。
ベネッセが収集した個人情報の利用を ユーザが拒否した場合には、アプリを使えなかったり、一部の機能を使えないようだ。
すなわち、公立学校でベネッセの学習アプリ(デジタル教材)を導入している場合は、実質拒否できない立場となる。
グローバル企業に日本の子供たちの情報がわたる危険性
膨大な量の詳細な個人データというのは、国家機密ともいえる重要情報である。もし敵国に悪用された場合、国家の存続を脅かしかねない。
特に児童向けサービス、学生向けサービスを展開するベネッセは、日本の子供の詳細データを大量に持っている。
株式会社ベネッセホールディングスは、教育をはじめ、生活・介護・語学・他関連事業など幅広く展開するグローバル企業ということを忘れてはいけない。
ベネッセの情報流出事件
2014年に発生した最大3504万件の顧客情報流出事件。外部のエンジニアにより顧客情報が名簿業者に売却された。出典
2020年4月にも、ベネッセ関連事業であるクラウド学習サービス「Classi」において、不正アクセスによる情報流出があった。Classiは現在、全国の高校、中高一貫校など約2,800校で導入されており、全国の高校の半数、3分の1の高校生が利用しているとされる。
以下は、日経ビジネス(2020年4月14日配信)からの引用。
外部から不正アクセスを受けたことと、流出した可能性のある情報の範囲が11日に判明。13日の公表に至った。教員や保護者を含む全利用者約122万人分のユーザーIDと、パスワードを暗号化した文字列、2031人の教員が作成した自己紹介文が流出した可能性がある。
今後も このような事件が起きないとは限らないのでは?
ベネッセと中国との関係
筆者が危惧するのは、ベネッセが中国と密接に繋がっていることだ。
ベネッセの教育事業は、中国に5つのグループ企業がある
- Benesse Hong Kong Co., Ltd.
- 倍楽生教具技術諮詢(深圳)有限公司
- 倍楽生商貿(中国)有限公司
- 上海児童時代倍楽生文化発展有限公司
- 広州倍楽生商貿有限公司
大株主には中国関連企業も
ベネッセホールディングスが公開している株式状況(2020年9月30日現在)によると、ベネッセ株の36.32%を外国法人が保有している。
大株主には、中華系企業も目立つ。
ベネッセとソフトバンク「Classi」
ベネッセは、ソフトバンクと共同で高校生向けクラウドサービス「Classi(クラッシー)」を運営。
ソフトバンクといえば、2020年に人気アプリLINEを買収。しかしLINEは昨今、中国・韓国に情報が筒抜けであったことが暴露されたばかりである。
※ 本稿では深く言及しないが、ソフトバンク創業者の孫正義氏と中国共産党との関係も指摘されている。
ベネッセと創価学会との関係
トランプ政権時代、公明党(創価学会)は「媚中」だとアメリカから名指しで批判された。
そんな創価学会とベネッセは繋がりがあると、ネットの一部では噂されている。
皆さん、そろそろ気づいて下さいね。
— 佐倉 淳 (Jun Sakura) (@JunSakura_Japan) 2020年1月6日
創価企業パソナ(年収などの情報収集と労働収入から搾取&公務への派遣)
創価企業ベネッセ(学力情報収集と教育から収入)
創価企業ニトリ(人民解放軍への住居提供から収入)
paypay(購買思考取集と中国への送金フロー)
※孫正義の元秘書は公明党議員
※ ベネッセと創価学会の関係は真偽不明なため、判断は読者の皆さまに委ねる。
保護者は賢明な判断を
多くの学校教育現場で導入され始めている「ミライシード」と「クラッシー」。
もちろん、ベネッセが提供する学習サービスが優秀であることを否定はしない。しかし利用には、上述したプライベートポリシーへ同意する必要がある。
これほどの詳細な個人情報を、中国と密接な繋がりのある一企業に集めることの危険性を、保護者の皆さんは真剣に考えるべきだ。
もしベネッセのプライバシーポリシーに同意できない場合は、ぜひ異議を唱えて欲しい。多くの保護者がクラウドサービスの危険性に気づかなくてはいけない。