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【ユダヤ式教育9】深い討論を導く、良い質問の仕方4つ(前編)

【ユダヤ式教育9】深い討論を導く、良い質問の仕方4つ(前編)

ユダヤ人はなぜ優秀なのか。その答えは、彼らの独特な学習法である「ハブルータ勉強法」にヒントがあります。

ハブルータとは「1対1で楽しむ、対話による学習法」。

いつでも、どこでも、誰とでもできる・・・ため、世界中のユダヤコミュニティーにおいて、3500年の歴史を経た現在も、根深く継承され続けています。

今回の記事からは、天才脳をつくる「ハブルータ勉強法」の具体的なやり方について解説していきます。

( ※ ハブルータ勉強法に関する内容は、ユダヤ式教育5 を参照 )

【ユダヤ式教育9】深い討論を導く、良い質問の仕方4つ(前編)

ハブルータは「質問」で始まり、「質問」で終わる

学習能率ピラミッド

上図は「学習効率ピラミッド」と呼ばれ、「主な学習法の24時間後の記憶率」を表したものです。

従来型の「講義」では 24時間後の記憶率がわずか5%。一方で、「互いに説明し合う」学習法の記憶率は 90%にも及んでいます。

その差は約18倍!「互いに説明し合う学習法」は非常に優れているのです。


1対1で行う「ハブルータ勉強法」

ユダヤ式教育の核心である「ハブルータ勉強法」では、この「互いに教え合う学習」を用います。

数人によるディスカッションとは異なり、ハブルータは1対1で行うのが基本。

互いに質問し合い、共に考え、より良い解答を探し出していく過程を、ペア(1対1)で行うことで、より深い学びへと繋がるのです。

幼い頃からの「互いに教え合う」勉強法によって、物事を深く考える習慣・知的好奇心が身に付きます。

ハブルータで養った知的好奇心が原動力となり、ユダヤ人たちは様々な分野で突出した人材を輩出し、成功を収めてきたのです。

良い質問の仕方

ハブルータ勉強法の素晴しさは、パートナー同士が作り出す「質問」によって発揮されます。

ハブルータ勉強法では、いかに「良い質問」をつくるかがキーポイント。

良い質問 … 深い洞察力を持ち、意義深い討論を導き出す質問。


とはいえ、良い質問づくりは 言う程に簡単ではありません。これには、慣れと訓練が必要です。

特に日本の社会や教育現場では、質問することを重要視してこなかった背景があります。

そのため、とつぜん「質問討論せよ」と言われても、難しく感じてしまうのは当然のこと。


しかし、ご安心ください。これからご紹介するトレーニングを行うことで、誰でも「質問の天才」になることができます。

まずは「4つの質問」を作ってみよう

より深い討論をするためには、「良い質問づくり」が必須。

質問が核心を突き、良いものであればある程、討論する内容にも当然 深みが出ます。

逆に、薄っぺらい質問でいくら討論をしても、深い学びには結び付きません。

良い質問のつくり方

テキスト(絵本、教科書、聖書などの宗教経典など)を参考にしながら、4つの質問を考えてみましょう。

ハブルータ 4種類の質問

質問を考える時には、上図を参考に「事実の質問」から順に作っていくのが理想的。

特に、幼い子供を相手にした絵本ハブルータでは、必ず "質問ピラミッドの一番下" から行うようにしましょう。


日本では、子供がある程度成長し文字が読めるようになると、一人で本を読むことを推奨します。

しかし、これは非常に勿体ないこと。

なぜなら絵本とは、「ハブルータ勉強法」を家庭で簡単に実践できる最高の教材だからです。

たった1冊の本を、ゆっくりじっくりと親子で対話しながら楽しむ、これが絵本ハブル―タのスタートなのです。


良い質問の仕方1:事実に関して

「事実に関する質問」とは、「テキスト内容」への質問になります。

テキストの内容や単語の意味について、事実的な事柄を確認するためのものです。


「三匹の子豚」を例に挙げてみましょう。絵本を読みながら、まずは親から質問を投げかけます。

「末っ子の子豚は、何を使って、家を作ったでしょうか?」

このように、正解をすぐに見つけることができる質問からスタートします。慣れてくれば、子供もすぐに自分の質問を作り出します。

これは、絵本に載っている事実を互いに質問し合うことで、相手がどれくらい内容を理解しているのか確認し合う段階。

テキストに載っている用語を、自分の言葉で表現し相手に伝えることを通して、学ぶべき対象の概念を把握し整理します。


討論を長く続けるには、与えられたテキストの内容を十分に理解していなくてはできません。

「事実に関する質問」は、簡単なように見えて、基礎となる重要な質問です。ぜひこの質問づくりからお試しください。

良い質問の仕方2:想像に関して

上記「事実に関する質問」が 内容を把握する段階であるならば、次の「想像する質問」は 自由に発想する段階。

この質問を通して想像力を養います。


もう一度「3匹の子豚」を例に挙げると、

「何でオオカミは子豚の家の前で待ち伏せずに、家ごと壊そうとしたんだろう?」

このように、想像力を発揮させて質問をつくります。


実は子供たち、この想像する質問が大得意。慣れてくると、大人では考えもしない質問が次から次へと飛び出してきます。

もちろん、初めから上手くできない子供もいます。その時は、親がまず手本となる質問を考え、答えも合わせて教えてあげましょう。

子供の脳はとても柔軟です。次第に一人で質問を考えられるようになるので、ご安心を。


もし、子供が突拍子もない質問を考え出したり、テキスト内容とは関係ない質問をしたとしても、それは「良い質問づくり」の過程。

無下に否定せず、好奇心を発揮して自らの言葉で表現できた子供のことを、心から喜んであげてください。

「何て面白い質問なんだろう。すごいわね。」

「あなたはどう思うの? ママにあなたの考えを聞かせてくれる。」

これらの切り返しは、ユダヤ人の親が使う「マジックワード」

彼らはこのマジックワードを使うことで、多くの天才を世に生み出してきたのです。


親子の対話こそ「ハブルータ」

想像する質問に正解はありません。

たった一冊の絵本からでも、多様な質問と解答を子供たち自らが探し出すことができます。

そして、自ずと連想力と創意力が身に付いていきます。


親にできることは、その手助けをすること。

まずは「事実に関する質問」と「想像する質問」を、親が手本を示して作ってあげてください。

そして、絵本の読み聞かせをしながら、お子さんとの対話を楽しんでみましょう。

その対話こそが、既に「ハブルータ」なのですから。

この記事のまとめ

【ユダヤ式教育9】深い討論を導く、良い質問の仕方4つ(前編)

今回はハブルータ実践編「4つの質問づくり」をご紹介しました。

ユダヤ人家庭においては、空気のように「質問」が流れているそうです。生まれた時からそういう環境で育っている彼らにとっては、「意識して質問をつくる」という発想はきっとないんでしょうね…。

しかし、ご心配なく。私たち日本人であっても、上述の「良い質問づくり」練習を通して ハブルータ勉強法を実践できます。


まずは簡単なテキストである絵本で、親子ハブルータを始めてみてください。

絵本選びには親が慣れ親しんだイソップ童話やアンデルセン、日本昔話など、ストーリーが把握しやすいもので挑戦することをオススメします。

こうして幼少時から絵本ハブルータに慣れていくことで、よりレベルの高いテキスト(教科書、専門書籍)でも質問と討論をしながら学習していく習慣を作っていくことができます。


「真の学び」とは、決して学校のテストで高得点を取るためのものではありません。

親子で、兄弟で、友人同士で 深い質問討論を重ねていくことで、一人では決して学ぶことができない気付きを得ていきます。それがハブルータ勉強法の目的なのです。


次回の ユダヤ式教育10 では、「深い討論を導く、良い質問の仕方4つ」の後半をご紹介いたします。

お楽しみに。