天才ユダヤ人の勉強法「ハブルータ」…学習効果は18倍 【ユダヤ式教育5】
更新日:ユダヤ人が行う最も効率の良い勉強法「ハブルータ(質問・討論)」についてご紹介します。
人は、疑問を持つことができる唯一の生き物。
例えば 空を飛ぶ鳥を見ても、サルは「どうしたら自分も飛ぶことができるだろうか?」とは、永遠に考えません。
しかし人は「鳥は何故 飛べるのか?」という疑問を持ち、「人が空を飛ぶためにはどうすればよいか?」を考え、試行錯誤を繰り返すことができます。
そしてついには、「鳥のように空を飛べる飛行機」を発明したのです。
人は、疑問(質問)を形にする創造力を持っています。
「質問する力」とは、まさに人類発展の原動力・・・。
ハブルータ勉強法
天才集団として名高いユダヤ人。ハブルータ勉強法とは、長い歴史を通してユダヤ人たちが子供に施してきた「ユダヤ式教育の核心」です。
この勉強法のポイントは、ずばりパートナーと1対1で行う「質問」と「討論」にあります。
ユダヤ人
ユダヤ人の親は、子供を学校に送り出す際、毎朝決まってこう語りかけます。
「今日も先生にたくさん質問をしてきなさい」
「質問する」ことは「とても望ましい」ことだと、幼少期から刷り込みます。
日本人(韓国人)
一方、ほとんどの日本人・韓国人の親は こう語りかけますよね。
「今日も先生の言う事を良く聞いて、お利口にして来るんだよ」
質問することを奨励するユダヤ人と、授業進度が遅れる・場の空気を乱すといった理由から、質問することを躊躇する日本人。
(日本人は質問をされることも嫌がる傾向がありますよね。)
「質問」と「討論」は、まさにユダヤ人特有の文化です。ユダヤ人学校の教室では、黙って授業を聞いていてはダメ。
教師へ どれだけ多くの質問をしたかによって、その学生の評価が決まると言います。
また、ユダヤ人は 学生同士(家庭では親子)で宗教経典を学習する際に、必ずパートナーとペアになって「質問」と「討論」をしながら、騒がしく勉強します。
1対1の討論では グループ討論よりも発言回数が増えるため、勉強への意欲が向上。そのためユダヤ人は、この「ペア討論」の大切さを強調するのです。
※ ユダヤ教の宗教経典:聖書やタルムード など。
↑ 学校の図書館でペアになって勉強するユダヤ人学生
「勉強は一人で静かにするもの」・・・といった日本の考え方とは、大きく異なりますよね。
なぜ彼らは、このような勉強方法を習得してきたのでしょうか?
その理由は、ユダヤ教徒として守るべき戒律(613個)を、実生活に定着させるためです。
ユダヤ教の戒律は 生活に密着したものが多く、実践しなくては意味がありません。
彼らは、「質問」と「討論」を繰り返し行う事で 戒律を深く学び、ユダヤ教徒としての強い信仰を形成していくのです。それを3,500年間も続けてきました。
すなわち、ユダヤ人にとって「ハブルータ勉強法」とは、彼らの宗教的背景から生まれた文化の一つ。
ハブルータではパートナーを必要としますが、人生で最初のパートナーは親です。その後、就学時には同年代のパートナーを作って学び合い、成人すると「一生涯のハブルータ・パートナー」を作ることが、彼らの伝統になっています。
最も効率の良い勉強法は「教え合うこと」
日本では 未だ馴染みの薄い「ハブルータ勉強法」ですが、韓国では 数年前からこの勉強法が注目されています。なんと今では、家庭内だけではなく 教育現場でも採用され始めました。
※ ユダヤ式教育2で、韓国は「世界で最も受験戦争の激しい国」だとご紹介しました。
なぜ韓国では、「ハブルータ勉強法」が こんなにも注目されているのでしょうか?
その答えは単純明快。ハブルータが従来の勉強法に比べ、とんでもなく優れているからです。
ちなみに韓国では、従来のような「教師による "一方的な詰め込み教育" では生徒の学力が育たない」という結論を、既に出しています。
学習効率ピラミッド
学習効率ピラミッドとは、主な勉強法を対象にした「24時間後にどれほど記憶に残っているか」を表した図のこと。
上図を見れば一目瞭然ですが、私たちが従来 行ってきた「聞く・見る」といった学習方法では、24時間後の記憶率が僅か5%。
その一方で「他人に教えた経験、互いに説明し合う」といった学習方法では、24時間後の記憶率が驚異の90%。
その差はなんと18倍にもなります!
つまり、ハブルータのように「パートナーと教え合う勉強法」で 一度しっかり理解すれば、忘れることはないという事。
最新の教育論には目がない韓国の父兄や教師たち。彼らにハブルータが注目されている理由が、まさにこの「学習効率性」にあるのです。
韓国の公教育現場では、教員たちが様々な科目(数学、国語、美術、科学、英語、道徳など)で「パートナーと教え合う」勉強法を推進しています。
※ 我が家で実際に行っている絵本読み聞かせハブルータと、日常に用いるハブルータ対話法を、別記事にてご紹介しています。
頭の良い人の特徴
一般的に「頭の良い人」というのは、総じて「メタ認知能力」が高いと言われています。
メタ認知能力:自分が「本当に熟知していること」と「知っていると錯覚していること」を区別する力。
このメタ認知能力を高める最適な方法が、他者からの質問に答えることです。
自らの言葉で説明すると「実は曖昧にしか理解していなかった」ことに気づきます。
ハブルータ勉強法は このメタ認知を用いることで、「自分が今何を理解しており、何を理解していないのか」を、はっきりと区別することができるのです。
パートナーと質問し合い、答えを出すために討論し、教え合うという過程を通して、「自分が本当に理解している知識」を蓄積していくことができます。
日本人親子のハブルータ実践
ユダヤ人が「頭脳明晰な民族」と呼ばれる理由は、幼少期よりハブルータ勉強法を通して訓練されているため。
しかし、心配ご無用。ユダヤ人ではなくとも、この「質問」と「討論」はできますよね。
質問すること、されることに慣れていない日本人にとっては、難しいな~と初めは思われるかもしれません。
そのため、いきなりお子さんへ「何か質問してみなさい!」と言うのではなく、まずは親から子へと「質問」を投げかけてみてください。
親子でハブルータ・パートナーになるのです。
例えばこんな感じ↓
「今日、学校で習ってきたことを、ママ(パパ)に話してくれる?」
要するに、先生ごっこをするということです。
こうした復習を毎日するだけでも、子供たちは自ずと「自分が何を理解し、何を曖昧に理解しているか」を悟っていきます。
部屋に閉じこもって一人で勉強するよりも、こうして対話をすることで、彼ら自身も勉強に飽きることがありません。
何故なら「誰かに何かを教える」という行為は、知的好奇心と意欲をとても駆り立てられることなのですから!
子供たちの方が先に、「教え合う勉強法」の魅力を存分に感じてくれるはずです。
第4次産業革命時代に必要な5つの「C」
第4次産業革命時代には、4つの「C」を持つ人材が必要だと言われています。
- Creativity・・・・ 創造力
- Collaboration・・・ 協業能力
- Communication・・疎通能力
- Critical Thinking・・批判的思考力
この4つの能力を育てるためには「質問」が最適。
「質問」とは考えの種であり、コミュニケーションのスタート地点。
また「批判的思考力」を持つためには、常に疑問を持ち続ける必要があると言われています。
そして、実際にハブルータ勉強法を体験してみると、上記4Cに加えて「 Character(人格)」をも成長させる力があると実感します。
どんなに明晰な頭脳や卓越した能力があったとしても、それらを入れる器(人格)が成熟していなければ、その能力は本人と周囲の人々へ悪影響を及ぼしかねません。
その点 ハブルータ勉強法は、人としての成長に必要な能力をバランス良く習得できる、優れた勉強法なのです。ハブルータ勉強法の効果
「ハブルータ勉強法」は、必ずパートナーが必要な勉強法です。
ハブルータを習慣付けることで、相手を尊重し傾聴する共感能力を育てることができます。これは、他の勉強法にはない大きな魅力。
また同時に、相手が理解しやすいよう自分の考えを理論立てて説明する「意思疎通能力」も、育てることができます。
大人の筆者ですら そう実感しているのですから、・・・スポンジのような頭と心を持つ子供たちには、より一層 効果があるのは言うまでもありません。
ユダヤ人はこのようなハブルータ勉強法を、「熱い鉄は、熱い鉄で強くする」と表現します。まさしく「頭脳と頭脳のぶつかり合い、心と心の交わり」なのです。
ただし、そのぶつかり合いは・・・勝ち負けを争うためでなく、人生に和合と調和をもたらしてくれるものです。
この記事のまとめ
天才ユダヤ人の勉強法「ハブルータ」…学習効果は18倍 【ユダヤ式教育5】今回は、ユダヤ式教育の核心である「ハブルータ勉強法」についてご紹介しました。
※ 具体的なやり方については、
で詳しく解説しています。
ハブルータ学習法は、実践すればする程、その効果に心から感動します。明晰な頭脳をつくる事はもちろん、人生がより豊かになっていくことでしょう。
次の記事では、ハブルータと並んでユダヤ人家庭で最も大切にしている「チェダカ(慈善教育)」についてご紹介します。
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