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フェミニズムの歴史② - 「第1波フェミニズム」「第2波フェミニズム」とジェンダー問題

更新日:フェミニズムの歴史② - 「第1波フェミニズム」「第2波フェミニズム」とジェンダー問題

フェミニズムは革命の中で生まれた思想である。

誕生当初こそ「女性の参政権獲得のために有益だった」と評価できるが、現在に至っては「自由」の名の下に、家族解体へと突き進む過激な破壊思想と言わざるを得ない。

フェミニズムは 文化マルクス主義 * を社会へ浸透させるための、共産主義者たちの道具なのだ。

*文化マルクス主義 - 大衆に気付かれぬよう こっそりと文化の中へ植え付けられたマルクス主義(共産主義)


フェミニズムの歴史を理解しフェミニズム思想の本質を知ることで、現在の危機的状況を実感できるだろう。

シリーズ第2回目の本稿では

  • 第1波フェミニズムと第2波フェミニズムの違い
  • フェミニズムの拡がりによって起こってきた社会現象とは何か

についてみていく。

目次
フェミニズムの歴史② - 「第1波フェミニズム」「第2波フェミニズム」とジェンダー問題

第1波フェミニズム: ~第二次世界大戦終了まで

第一波フェミニズム

思想・活動

  • セックス*(身体的な男女の区別)を強調
  • 「女性の政治的権利の獲得」を目標としていた
  • 女性も男性同様に自由で平等な存在であると主張

* 性行為という意味ではない。「ジェンダー」と比較しての「セックス」。

時期

18世紀の自由主義・啓蒙主義の影響を受ける。19世紀後半から20世紀初めの女性参政権運動(1890~1920年)が主。

オランプ・ド・グージュらによるフランス革命から登場したフェミニズム運動は、メアリ・ウルストンクラフトへと続いていく。

フェミニズムの歴史① - 世界史に残る女性運動家たち / 日本の代表的なフェミニスト昨今さまざまな場所で見聞きするようになった「フェミニズム」「フェミニスト」。これらに対し、多くの人々は 次のように

特徴

フェミニズム第1波と第2波の違いは「第1波 自由主義」に対して「第2波 急進主義」として区分される。

リベラル・フェミニズムといわれる第2世代(第2波)は、政治を「個人主義的な観点」から理解し、他者に迷惑を掛けない限り「個人の自由」は最大限に享受すべきと訴えた。

■ ヨーロッパ

第1波フェミニズムの主要舞台。主に女性の教育権・労働権・参政権を獲得するための運動として急拡大。

■ アメリカ

女性の人権と参政権確保に主力。

■ ドイツ

穏健派と急進派に分裂。急進派には労働階級女性主義者たちが属し、女性の参政権と教育を主張して劣悪な労働条件から女性労働者たちを保護するための闘争を主張。

■ 中国

19世紀末に纏足(てんそく)反対運動から始まり、20世紀に入ってから参政権、財産相続権、結婚と離婚の自由、機会均等の要求へと発展。

第2波フェミニズム: 1960年代後半〜冷戦終了まで

ウーマンリブ

次に、現代のフェミニズム運動に大きく関わってくる「第2波フェミニズム」についてみてみよう。

思想・活動

  • ジェンダー(文化的・社会的な男女の区別)を強調
  • 既存の性役割に対する対抗
  • ウーマンリブ運動
  • 性差を認めず、機会均等、賃金の均等を求める

時期

第二次世界大戦以降、1960年代後半にアメリカではじまる。1970年前後に学生運動や反体制運動が世界中で盛り上がる中、新左翼運動内部でも依然として存在する「性差別」に対抗。世界各地へ広がった女性解放運動である。

特徴

第1波・第2波、それぞれの思想的原点は次の通り。

  • 第1波フェミニズム:
    制度上の欠陥が女性を抑圧
  • 第2波フェミニズム:
    社会的に内面化された(=大衆の意識に刷り込まれた)性規範と家父長制度が女性を抑圧

フェミニズムとは、これらの信念のもと「日常に潜む性差別」を問題化。社会的な抑圧から女性を解放しようという思想であり運動である。

マルクス主義フェミニストとラディカルフェミニスト

第2波以降のフェミニズムは、次第に過激さを増していった。代表的な例を2つ挙げる。

■ マルクス主義フェミニスト

(家庭や社会における)女性の闘争とは階級闘争であり、女性を社会的な労働階級とし「男性同様の(または男性以上の)権利」を主張。

■ ラディカル(急進的)フェミニスト

経済体制を超えて存在する性差別に注目し「家父長制度の解体」を目指した。それまで「女の幸せ」と思われてきた主婦生活における権力関係(家父長制)を廃止し、女性たちには家庭の外で働くことで「新しい女性像」を探すことを要求

第2波フェミニズムの影響 - 国家と家庭を破壊

女性解放運動(第二波フェミニズム)で家庭崩壊

第2波フェミニズム(女性解放)によって社会はどう変化したのか?

端的にいうなら「家族の解体、家庭崩壊」が進み 社会混乱と国力低下が引き起こされていった。


当時 ジェンダーフリーウーマンリブという言葉を聞いた人々は、斬新でカッコイイと感じたに違いない。

しかし実は、これらの思想や運動は 保守的な価値観や信仰(伝統)の継承を否定し、さらには家族間の愛情を脅かす「毒薬」だったのである。

■ 関連記事:
ディープステートの戦略③ 『文化マルクス主義』 - 国家を内部崩壊?ヒッピーも、ロック、ドラッグ、LGBT、ジェンダーフリーも? ディープステートが国家破壊工作手段の一つとして採用している「文化マルクス主義」とは?

性に関する学問の浸透

さらに、同時期に発達したのが「性」に関する学問。フェミニズムは政治運動だけでなく 思想や学術分野にも広がっていった。

女性学、フェミニスト学、男性性学およびクィア・スタディーズへの奨学金が制度化され、多くの人々がフェミニズム思想を学んだ。


オバマ元大統領や 現バイデン政権の政府高官たちの多くは、1970年代に大学生活を送った急進的フェミニストたち。彼らの実績としては

  • 暴力被害女性保護のための組織、法律の制定
  • 家庭内暴力や夫婦間の性暴力に対する警戒心の向上
  • レイプ被害女性保護所の設立

などがある。

既存の「性」に対する価値観を破壊

そして この時代に登場したのが

  • ジェンダー主流化
  • 性愛化
  • 性自己決定権
  • 性認知感受性
  • 男らしさ・女らしさの否定

といった言葉。

現代においても、これらが「保守 vs 文化マルクス主義」の重要な論争点となっていることは間違いない。


第2波フェミニストたちは「個人的なことは政治的なこと」というスローガンを掲げた。長い間「女性の私生活」としてタブー扱いされてきた性・妊娠・堕胎・出産・育児が、政策イシュー・研究対象として公論化したのである。

第1波の当初「女性の参政権」を主張したフェミニストたちは、第2波を機に「女性解放」という家族解体の道を歩み始めた。それが現代のLGBT運動にも繋がっている

第2波フェミニズムで登場した用語の解説

最後に、第2波フェミニズムによって生まれた言葉を整理しておこう。

ジェンダー主流化

第4回国連世界女性会議(1995)で公式的に使用された言葉。あらゆる社会的活動や政策において 男性と女性が同等に関与し、男女は平等に恵沢を得るべきであるという考え方。

性愛化

性的本能による愛情の対象 または その対象とされること。愛情を感じる対象が、同性、未成年、さらには動物や物体であることもあり得る、とする。

性自己決定権

他者や社会の干渉 もしくは 強要なく、自らの意志と判断によって自律的に恋愛・性行為を決定することができる権利。

性認知感受性

両性平等の観点から、日常生活で性別による差別や不均衡を感じとる能力。


続きはこちら:
フェミニズムの歴史③ - 「第3波フェミニズム」「第4波フェミニズム」とLGBTQシリーズ第3回目の本稿では「第3波フェミニズムとLGBTQの関係」「第4波フェミニズム」について解説していく

アイラ
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女性や家庭に関する内容をオンライン・オフライン問わず発信中。

本来の「男性性」と「女性性」を個人と家庭が取り戻すことで、この世はバランスを取り戻し、平和な世界が訪れると信じています。