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アジア大学ランキング2017【TOP100/日本国内大学ランキング】by 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)

アジア大学ランキング2017【TOP100/日本国内大学ランキング】by 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)

英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(Times Higher Education:THE)による「2017年度アジア大学ランキング」が、2017年3月15日(ロンドン時間)に発表されました。

このTHE大学ランキングは、数多くある世界大学ランキングの中でも "最も権威ある" と謳われる大学ランキングです。

なお、昨年度(2016-2017年度)の ”THE世界大学ランキング” は、当サイト内の下記リンク先よりご覧いただけます。

THE世界大学ランキング2016-2017


2017-2018年度のTHE世界大学ランキングは、まだ発表されておりません。
”世界” ランキングに先立ち、”アジアのみ” の大学ランキングが、この度発表されました。

上記リンク先(=2016年発表の世界大学ランキング)を確認すると一目瞭然なのですが、誠に残念なことに 東京大学と京都大学を除いては、日本国内において "名門" とされる大学でさえ、世界大学ランキング100以内に入っていません。

しかも世界大学ランキングの上位校は、そのほとんどをアメリカとイギリスの大学が占めています。

そのため、日本国内の大学レベルを他国と比較する際には、"世界全体の大学ランキング" では無く これからご紹介する "アジアのみの大学ランキング" の方が、時として有用なこともあると思います。

それでは早速、THEによるアジア大学ランキング(2017年度版)をご紹介します!出典:Times Higher Education

アジア大学ランキング2017【TOP100/日本国内大学ランキング】by 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)

THEアジア大学ランキングTOP100(2017年度版)

英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)における、アジア大学ランキングTOP100は以下の通り。

※ 「順位」は 2017年発表の順位、「昨年」は 2016年発表時の順位です。

アジア大学ランキングTOP100 (2017年)
順位昨年大学名
11シンガポール国立大学(NUS)シンガポール
22北京大学中国
35清華大学中国
42南洋理工大学シンガポール
54香港大学香港
66香港科技大学香港
77東京大学日本
810韓国科学技術院(KAIST)韓国
99ソウル大学韓国
108浦項工科大学校(POSTECH)韓国
1113香港中文大学香港
1216香港城市大学香港
1312成均館大学校(SKKU)韓国
1411京都大学日本
1514中国科学技術大学中国
1619復旦大学中国
1722香港理工大学香港
1832上海交通大学中国
1925浙江大学中国
2017高麗大学校韓国
2117ヘブライ大学イスラエル
2220テルアビブ大学イスラエル
2326キング・アブドゥルアズィーズ大学サウジアラビア
2415国立台湾大学台湾
2529南京大学中国
2623東北大学日本
2727インド理科大学院インド
2721コチ大学トルコ
2937延世大学校韓国
3024東京工業大学日本
3132光州科学技術院韓国
3230大阪大学日本
3335国立清華大学台湾
3338Sabanci大学トルコ
3534名古屋大学日本
3642慶熙大学校韓国
3736イスラエル工科大学イスラエル
3839漢陽大学校韓国
3931国立交通大学台湾
40NR豊田工業大学日本
4128国立台湾科技大学台湾
4243IIT Bombayインド
4350マカオ大学マカオ
43NRVeltech大学インド
4548九州大学日本
4645ビルケント大学トルコ
4741国立成功大学台湾
4740中山大学中国
4944香港浸会大学香港
4955武漢大学中国
5159東京医科歯科大学(TMDU)日本
5264ボアズィチ大学トルコ
5355梨花女子大学校韓国
5460IIT Delhiインド
5466KFUPMサウジアラビア
5646筑波大学日本
5696キングサウード大学サウジアラビア
5849北海道大学日本
59NRマラヤ大学マレーシア
6070中央大学校韓国
6192同済大学中国
6262IIT Madrasインド
63101-110IIT Kanpurインド
64NRAtılım大学トルコ
6568華中科技大学中国
6652蔚山大学校韓国
6746中国医薬大学台湾
6867バル=イラン大学イスラエル
6952首都大学東京日本
7065IIT Roorkeeインド
7152Sharif工科大学イラン
72NR中国地質大学中国
7278私立東呉大学中国
72NR東南大学中国
7588中国人民大学中国
76NRKhalifa大学UAE
7775ハルビン工業大学中国
77121-130カタール大学カタール
7983華東師範大学中国
7991イスタンブル工科大学トルコ
8180西安交通大学中国
8258天津大学中国
83101-110UAE大学UAE
8463華東理工大学中国
8584ベイルート・アメリカン大学レバノン
8677厦門大学中国
8751IIT Kharagpurインド
8868国立台湾師範大学台湾
8979ネゲヴ・ベン=グリオン大学イスラエル
9084釜山大学校韓国
91111-120台北医学大学台湾
92NR北京航空航天大学中国
9257IUSTイラン
9261Isfahan工科大学イラン
95101-110西江大学校韓国
9689華南理工大学中国
9790マヒドン大学タイ
9882中国農業大学中国
9973国立中山大学台湾
99111-120世宗大学校韓国

2015年までのTHEアジア大学ランキングでは、日本の東京大学が3年連続でトップでした。

しかし、2016年発表の同ランキングでは、シンガポール国立大学が1位、北京大学が2位、東京大学は7位に転落。

今年発表の同ランキングでも、シンガポール国立大学が1位、北京大学が2位、東京大学は7位となっています。

また、2015年にアジアTOP100大学にランクインした日本の大学数は19校でしたが、2016年度は14校、今年は12校となりました。

日本国内大学からのランクイン数が減少したということは、それだけ他国の大学がランクインしたということになります。

ランキング上位である「アジアTOP20大学」に絞って見てみると、中国から6校、香港・韓国からそれぞれ5校、日本・シンガポールからそれぞれ2校がランクイン。

・・・人口の多さに比例しランクイン大学数も多い中国や、人口と比較しランクイン大学数の多い香港・韓国・シンガポールなどは、科学技術立国である日本にとって 間違いなく脅威だと言えるでしょう。

日本国内の大学ランキング(2017年度版)

日本国内における大学ランキング2017は以下の通りです。

※ 上記のTHEアジア大学ランキングTOP100だけではなく、詳細順位が不明なアジアTOP101〜300のランキングからも抜き出してみました。

※ 「順位」は 2017年発表の順位、「昨年」は 2016年発表時のアジア大学ランキング順位です。

日本国内TOP大学ランキング (2017年)
順位(日本)順位(アジア)昨年大学名
177東京大学
21411京都大学
32623東北大学
43024東京工業大学
53230大阪大学
63534名古屋大学
740NR豊田工業大学
84548九州大学
95159東京医科歯科大学(TMDU)
105646筑波大学
115849北海道大学
126952首都大学東京
13101-11073広島大学
14111-120101-110千葉大学
14111-120101-110金沢大学
14111-120111-120慶応大学
14111-120171-180愛媛大学
18121-13099大阪市立大学
19131-14097東京農工大学
19131-140111-120神戸大学
19131-140121-130早稲田大学
19131-140NR高知大学
23141-150111-120順天堂大学
23141-150121-130熊本大学
23141-150121-130岡山大学
23141-150NR名古屋市立大学
27151-160111-120横浜市立大学
27151-160121-130東京理科大学
27151-160121-130徳島大学
30171-180131-140豊橋技術科学大学
31181-190171-180信州大学
31181-190NR名古屋工業大学
33191-200161-170近畿大学
33191-200NR山形大学
33191-200NR東京慈恵会医科大学
36201-250151-160岐阜大学
36201-250161-170東京海洋大学
36201-250171-180九州工業大学
36201-250171-180新潟大学
36201-250171-180大阪府立大学
36201-250171-180埼玉大学
36201-250171-180横浜国立大学
36201-250181-190長崎大学
36201-250191-200東海大学
36201-250NR中央大学
36201-250NR群馬大学
36201-250NR長岡技術科学大学
36201-250NR埼玉医科大学
36201-250NR静岡大学
36201-250NR昭和大学
36201-250NR富山大学
36201-250NR山梨大学
36201-250NR山口大学
54251+191-200鳥取大学
54251+NR千葉工業大学
54251+NR同志社大学
54251+NR法政大学
54251+NR岩手大学
54251+NR関西大学
54251+NR関西学院大学
54251+NR明治大学
54251+NR大分大学
54251+NR立命館大学
54251+NR芝浦工業大学
54251+NR島根大学
54251+NR上智大学
54251+NR東京都市大学
54251+NR東京電気大学
54251+NR宇都宮大学

THEアジア大学TOP300にランクインした日本の大学は、計69校です(上表の通り)。

100位以内にランクインした大多数の日本国内の大学が、昨年に比べて順位を落としています。

そんな中で、今年新しくランクインした「豊田工業大学(略称 TTI)」の躍進は、注目すべきでしょう。

フィル・バティ氏(タイムズ・ハイアー・エデュケーション・ランキングの編集長)のコメント

「アジア大学トップ300リストの4分の1以上を占める中国の圧力が高まっているとはいえ、69校がランク入りした日本がアジアの大学で首位を走るというのは、素晴らしいニュースです。日本がアジア大学ランキングで単独首位に立ったのは3年ぶりのことです。 2年連続で全リストの7位を維持する東京大学を筆頭とする日本の代表校は、激しい上位争いの中で快挙といえます。ただし、日本の教育機関の大半は順位が後退する結果となっています。多くの場合、これらの機関が昨年より点数を伸ばしていることから、他国の機関がさらに速いペースで上昇していることが伺えます。また、昨年の200校から300校に拡大したことを受けて、今年は競争が激化しています。」

「このような欠陥があるものの、日本政府は同国の高等教育制度の弱点を認めた上で対処しています。日本の大学は、資金不足に加えて、有能な国際的人材を誘致したり、研究者らに海外の仲間との協力を奨励するといった点で弱い傾向にあります。そこで、2014年に日本政府は、国際競争や国際化を目指す特殊資金援助プログラムを発表しました。これは、英語のみで実施の学部課程プログラム作成を目的とするグローバル30プロジェクトの後に続く計画です。」

「全体として、このアジア・ベスト300大学ランキングを見れば、アジアがダイナミックで多様かつ競争力の高い高等教育地域に成長していることは明らかです。日本は油断できません。」

「全体的な教育機関の数では日本が優勢とはいえ、中国は今回もこのランキングで傑出した存在です。3年ぶりに単独首位を手にした日本がアジア随一の大学大国である一方、日本の大学の大半が順位を落としています。これとは対照的に、精華大学、上海交通大学、同済大学といった中国の複数の一流大学が順位を上げています。北京大学は2位の座を維持しています。全体として、中国はトップ300リストの54校を占めています。」

「中国の特別行政区である香港も、アジアの高等教育の立役者です。厳しい上位争いにもかかわらず、ランク入りした6大学のうち、昨年の4校からさらに1校増えて5校がトップ20入りを果たしています。」

「その他の東アジア地域の中では、韓国が健闘しています。延世大学校や中央大学校が飛躍的な上昇を遂げる中、KAIST(韓国科学技術院)が5年の当ランキング史上初めて韓国を代表する教育機関として首位に躍り出ました。全般に、韓国は首尾よく26校の大学を本年度のアジアのベスト大学に送り込み、そのうち、昨年の13校を上回る15校がトップ100入りを果たしました。」

「しかし、ランキングはゼロサム・ゲームであり、これらの国々が躍進した一方で、今年は台湾の順位が後退しています。急速に上昇した他国の教育機関に追い抜かれた台湾は、国立台湾大学が15位から24位に転落したのち、5年の当リスト史上初めてアジア大学ランキングのトップ20入りを逃す結果となりました。」

「全体として、このアジア・ベスト300大学ランキングを見れば、アジアがダイナミックで多様かつ競争力の高い高等教育地域に成長していることは明らかです。東アジアはこの進展の鍵を握る重要な地域というわけです。」


日本国内での難関大学が、世界(アジア)諸国の大学と比較してどのように評価されているのかを調べることは、面白いですね^^

・・・それにしても、日本の大手学習塾などが発表している「大学入学の偏差値ランキング」と、世界中の大学を対象としているTHEのランキングが 似通った結果となっているのが、興味深いです。

なお、上記ランキングの一部が 日本国内で発表される偏差値ランキングと異なる理由については、
『THE世界大学ランキング(アジア大学ランキング) と 日本での偏差値ランキングとでは、そもそもの評価基準が異なる。』という点、『世界大学ランキングでは、理工系大学への評価が高くなる傾向にある。』という点が挙げられます。

本記事が何らかのお役に立てましたら幸いです^^