海外から東京大学が酷評！世界大学ランキング2018（タイムズ・ハイアー・エデュケーション）

THE世界大学ランキング2018のTOP100

THEによる世界大学ランキング2018のTOP100は、以下の通りです。

出典：Times Higher Education

世界大学ランキング2018では、昨年度に引き続き英オックスフォード大学が1位を維持しています。

また、英ケンブリッジ大学が、米カリフォルニア大学・米スタンフォード大学を抜いたことで、イギリス勢が1位・2位を独占しました。

本記事ではTOP100(百)しかご紹介していませんが、タイムズ・ハイアー・エデュケーションでは世界77カ国の名門大学をランク付けし、TOP1000(千)までを公表しています。

TOP1000位以内に 日本からは71大学がランクイン（そのうち14大学は、初めてのランクインです）。

日本国内大学の最高位は、46位の東京大学となりました。

なお、日本ではさほど知名度が高くない海外の大学名が含まれていますが、世界的に見た場合「日本国内の難関大学よりも 遥かに評価が高い大学たち」ということになります。

研究職やグローバルにビジネスを展開している方々は、ぜひTHE世界大学ランキングで100位以内の大学ぐらいは、全てチェックしておきましょう。

アジア地域の大学について

アジア地域では、北京大学が昨年度より2ランク上がって27位に、清華大学が5ランク上がって 30位にランキングされています。

シンガポール国立大学は22位（同大学の史上最高）となり、アジアの大学3校がトップ30に入ったのは、現在の評価基準になってからは初めてです。

中国の大学について

世界全体では米国が大学ランキングの多数を占めていますが、中国のランクイン数が昨年度より大幅に増加しています。

北京大学は ニューヨーク大学とエディンバラ大学と同等の評価（27位）を受け、名門のカロリンスカ医科大学（38位）よりも上位に位置しています。

清華大学は、世界各国の名門大学である メルボルン大学、ジョージア工科大学、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン（LMU）、ローザンヌ連邦工科大学 などを追い抜いています。

中国において "中堅" とされている大学たちも、世界ランキングで徐々に存在感を増してきました。

香港の大学について

香港で「一流」と謳われる2つの大学も、ランクを上げました。

香港大学は3ランク上がって40位。香港科技大学は5ランク上がって44位です。

日本・台湾・韓国の大学について

中国・香港の大学に比べ、日本・台湾・韓国の大学は、かなり酷評されています。

日本国内トップである東京大学は、同大学の史上最低ランク（46位）に下落。

国立台湾大学は3ランク下がって198位となり、トップ200にかろうじて留まっています。

韓国のトップ3大学も、ランクが下がりました。

THEランキング編集者フィル・ベイティ（Phil Baty）氏の、アジア地域に対するコメント

今年の中国の台頭は目覚しいものであり、世界の高等教育の状況の変化を示しています。

13年のランキング史上で、中国から2大学がトップ30に入り、中国の一流大学は今や世界のエリートに仲間入りし、米国、英国、ヨーロッパの有名大学を追い抜いています。

この結果は、他の東アジア諸国がこのアジア大国との競争を感じていることを示しています。

近年好調だった韓国は、今年の中国の成功により犠牲となった多くの国の1つです。

中国以外の東アジア諸国は、中国が急速に上昇し、世界のエリートに加わったように、懸命に努力し、ランクを維持する必要があります。

THEによる日本国内の大学ランキングTOP71（2018年度）

THE世界大学ランキング2018による、日本国内の大学TOP71は以下の通りです。

（※ 世界ランキングTOP1000に 日本からランクインした大学が71校。）

THE世界大学ランキングは、大学の入学偏差値ランキングではありません。

しかし上位7位あたりまでは、日本での受験偏差値ランキングと似通った結果となっているのが、興味深いところです。

東京大学は、昨年から7ランク世界ランキングが下がり、2010～2011年からは20ランクも下がっています。

これは主に、大学および研究面での収入の減少によるものです（2004～2015年にかけて、高等教育機関に対する税金投入が12％減少しました）。

過去1年間は、博士課程の学生の割合、学生と職員の比率、研究の生産性も低下しました。

東京大学の転落と 国内他大学の台頭が相まって、日本国内では「世界ランキングにおける大学格差」が縮小しつつあります。

例えば、東京大学と京都大学（＝世界74位）のランク差は、昨年度 52ランク差 → 今年度 28ランク差 となっています。

京都大学が最も好調で、昨年度と比較し 17ランク上がりました。

ランクが上がった他の主な大学には 大阪大学があり、251～300位 → 201～250位へと格上げされています。

一方で、長崎大学と名古屋工業大学は、いずれも601～800位 → 801～1000位 へと格下げされています。

フィル・ベイティ氏の、日本に対するコメント

東京大学の世界大学ランキングの継続的な下降は心配です。

中国、香港、シンガポールなどの他のアジア地域の一流大学が、継続的な資金レベルの高さもあり一貫してランキングを上げているため、東京大学はさらに下降傾向にあります。

今年は、香港大学と創立26年の香港科技大学の両方に追い抜かれました。

東京大学は、高等教育における主要なグローバルプレーヤーであり続けるには、資金調達方法を多様化する必要があります。

「海外大学の評価」「世界の大学と比較した国内大学の評価」を知ることで、学習・研究・ビジネスに対するモチベーションアップの助けになればと思います。

何らかのお役に立てましたら幸いです♪