絵本ハブルータのやり方(手順)を実践で解説 by ユダヤ式英才教育法ユナママ
更新日:ユダヤ式英才教育法「絵本ハブルータ」のやり方を 詳しく解説します。
※ ハブルータって何? という方は、以下の記事をご参照ください。
絵本ハブルータは 親子ですぐに始める事ができ、筆者が主催している「ママ同士のハブルータ同好会」でもお馴染みの材料。
ハブルータ初心者の方は、まず大人同士(ママ友や夫婦)で絵本ハブルータに挑戦してから、お子さんとのハブルータをオススメします。
大人同士で事前に練習すると、親子で行うハブルータが、より深く充実したものに。
また、海外在住の日本人ママの中には、「子どもに母国語で絵本を読んであげたい!」という方も多いはず。そんな時にお勧めなのが、こちらの デジタル童話無料サイトです。
今回は、上記サイト内の イソップ童話「北風と太陽」を使って、絵本ハブルータのやり方をご紹介していきます。
絵本ハブルータの手順を①~④で解説します。
※ ①と②は一人で行い、③と➃はペアで進行。
① ゆっくりと、一人で最後まで絵本を読む
まずは教材として選定した絵本を、じっくりと読んでみましょう。
もし知っている物語だったとしても、もう一度読んでみる事が大切。
慣れてきたら、絵本を読みながらでも「② 質問作り」が同時進行できるようになります。
② 4種類の質問作り
同じタイトルの童話でも、出版社ごとに内容が若干 異なる場合があります。
ママ同士(大人同士)でハブルータをする際は、同じ絵本を使用するようにして下さい。
質問作りに関する手順などは、以下の記事でも解説しています。
1.「事実確認の質問」の例
- この童話の中で分からない単語や文章があった?
お子さんと絵本を読む場合は、必ず「先に聞いてあげてから」討論をはじめましょう。多くの場合、お子さんは分からない単語をそのままスルーしてしまっている為です。
2.「想像質問」の例
- 北風はどうして太陽に勝負を挑んだのだろう?
- なぜコートを脱がす勝負だったのだろう?
(他の勝負でなかった理由は?) - 太陽はなぜ勝負を受けたのか?
(勝つ自信があったのか?) - 太陽がもし勝負の内容を決めていたら、どんな勝負をしていただろうか?
(同じように服を脱がす勝負だっただろうか?) - この勝負は両方にとってフェアだったと思う?
- 北風はどんな勝負だったら太陽に勝てたと思う?
- この旅人は、どこから来てどこへ行こうとしていたのか?
- いきなり涼しくなったり、寒くなったり、そしてまた暖かくなったり、最後には暑くなった旅人はどんな気持ちだっただろうか?
(北風と太陽の勝負に巻き込まれた立場として) - 川に飛び込んだ後の旅人の気持ちは?
- 勝負が終わった時の、太陽と北風のそれぞれの気持ちは?
3.「適用・実践質問」の例
- もし あなた(私)が北風だったら どんな勝負を挑んだ?
(そもそも太陽に勝負を挑む?) - もし あなた(私)が太陽だったら どんな勝負を挑んだ?
- あなた(私)が旅人だとすれば、いきなり気候がどんどん変わっていくこの状況に どう対処すると思う?
- あなたの過去の人生で、寒かった経験(不幸や絶望を感じる瞬間)と暖かい経験(幸福や希望を感じる瞬間)がいつで、どんなことがあったのかを教えて。
- 上の二つの出来事が あなたの人生にどんな気づきや学びを与えてくれた?
- あなた(私)にとって "他人よりも優れていると思う、勝てる勝負" とは何だろうか?
- 勝負に勝つことの意味とは?
(なぜ人は勝ち負けにこだわるのか?) - 勝ち組の人生、負け組の人生の定義とは?
(あなたの定義によれば、あなたは勝ち組?負け組?)
ここで皆さんがよく迷うポイントを整理!
想像質問
… 登場人物を元にした想像力が必要な質問。
適用・実践質問
… 主語が「あなたと私」に置き換わった質問。「自分だったら? 自分の人生で起きたとしたら?」という観点で質問を作っていきます。
ここまで質問ができたら、最後に「この童話を通して学んだ内容を整理する質問」を作っていきましょう。
4.「総括・総合質問」の例
- 勝ち負けとは結局 何を決めることなのだろうか?
勝つということの本当の意味とは? - 自分にとって「勝てる勝負」にだけ挑むことの重要性は?
- 人生において、突然起こり得る「不幸だと思える出来事」や「幸福だと思える出来事」に対処する姿勢とは?
以上の3つが、私が「北風と太陽」を読みながら考えた総括質問です。
最初から1〜4全ての質問が作れなくても焦らずに! 初めは難しく思えても、場数を踏めば誰でもできるようになってきます。
質問作りが難しいと思う方は、1, 2だけでも挑戦して、まずは質問作りに慣れていってくださいね ^^
③ ペア討論をしてみる
お子さんとハブルータを始める前に、まずはママ友(大人同士)でペア討論をしてみましょう。そうする事で、お子さんともスムーズに討論することができます。
お互いの質問を、質問し合う
話が行ったりきたりしないように、できるだけ絵本のページに合わせて質問していきます。1ページ目に質問ある人? といった感じ。
自分の質問に、自分の考えで返答
相手の返答を聞きながら、自分の考えとは異なる観点に驚くことがあります。広がった視野で、自分が出した質問に、もう一度 答えてみましょう。
ハブルータは勝ち負けをつける論争ではない
ハブルータは、あくまでも多様性を認め合い より発展した考えを開拓していくためのペア討論です。自分と異なる意見を責めたり、説得する必要は全くありません。
ポジティブな受け答え
共感した際は すぐに相手へ表現することが大切。
例)
「そっか~。あなたはそう思うんだね!それも良い考えだね」
「私には思いもよばなかったよ。私は こう思うんだ~」 等。
これは お子さんとのハブルータにおいても、とても必要な対話姿勢です。
題材をもう一度 読み直す
ペア討論が終わった後に、討論の題材(この場合「北風と太陽」)を改めて読み直します。その後ハブルータの感想を述べあって終了。
特に大人同士の場合、一人でただ読んだ時よりも、もっと深く広い気づきを得られるはずです。
➃ 全体への共有時間(もし複数のペアが一緒にいる場合)
私は ママ同士の絵本ハブルータ同好会を、毎回5〜6名で行っています(多いときは10名ほど)。
ペアが2~3組できるため、自分のペアで出た意見を 最後は参加者全員の前でシェア。
この全体共有の場は、より多くの意見(=視野・考え方)に触れることができるため 刺激的な時間です。
私たちのペアではこういう面白い質問があって、これに対して こういう答えが出てきたんです。
でもこの質問に関しては 二人では良い解答が得られなかったんですが、何か良い意見をお持ちの方いますか?
という感じ。
全体共有の時間を持つことで、自分とパートナー(=ハブルータの相手)だけでは得られなかった「知恵・知識、経験」を、他の参加者から学ぶことができます。
最後は「北風と太陽」についての新しい学びや気付きを、一人ずつ発表し合いながら その場をまとめていきます。
これが絵本ハブルータの一通りの流れです。
「質問作りが大変!」という方は、まず上記の質問例に沿って、ぜひトライしてみてくださいね ^^