【ロシアゲート=オバマゲート】米国のモリカケ問題①「ロシアゲート編」 無罪のマイケルフリンとFBIの罠
更新日:2020大統領選のオクトーバー・サプライズ候補の一つとも噂される「オバマゲート」。
「オバマゲート」を知るには、まずトランプ大統領にかけられた疑惑「ロシアゲート」を知る必要がある。
ロシアゲートが、実は丸ごとオバマ大統領が仕掛けたウソ。つまり「オバマゲート = ロシアゲート」だったからだ。
アメリカでは日々、新事実が公開。両疑惑を調べだすと、膨大な内容と闇の深さに圧倒される。本稿ではシンプルかつ 日本一わかりやすい「ロシアゲート = オバマゲート」の解説を心がけた。
まずは、ロシアゲートについて見ていこう。
ロシアゲート(ロシア疑惑)とは?
ロシアゲート事件とは、「2016年トランプ大統領当選を誘導するため、ロシア政府がSNSなどで サイバー攻撃やプロパガンダ工作を行った」との疑惑。
マイケル・フリンとは?
ロシアゲートでやり玉に挙げられたのは マイケル・フリン次期大統領補佐官。
- 1958年生まれの元陸軍中将。
- オバマ政権下では国防情報局長官。オバマ大統領と喧嘩をして、事実上政権を追われた因縁がある。
- トランプ政権下では、国家安全保障担当の大統領補佐官。ロシアゲート疑惑により、就任翌月に解任。
マイケル・フリンのロシアゲート時系列
2016.11 | トランプ大統領選勝利 |
---|---|
2016.11 | 次期補佐官指名 |
2016.12 | ロシア大使と電話会談 |
2017.1 | トランプ大統領就任 |
2017.1 | FBIが面会 |
2017.2 | 補佐官解任 |
2020.5 | 起訴取消 |
FBIはロシア大使をマークしていた
2016年12月、トランプ大統領の補佐官に指名されていたマイケルフリン元中将が、駐米ロシア大使セルゲイ・キスリャックと就任前に電話会談。
FBIはFISA法*(スパイ防止法)を根拠に、駐米ロシア大使のキスリャックを盗聴。内容を問題視。
* FISA法 - 「外国諜報活動偵察法」と訳される。米国における事実上のスパイ防止法で、諜報対象は外国人。自国民には適用されない。
FBI「フリンはローガン法違反では?」
FBIは「フリンとロシア大使の会談で トランプ陣営とロシアとの裏取引が行われたのではないか?」と疑いをかけた。
そして、フリンとロシア大使の会談が「ローガン法」に抵触していると指摘。
ローガン法とは、政府関係者以外の一般国民が外国政府と交渉することを禁じた法律。
ロシア大使との会談時点で、フリンは大統領補佐官に指名されてはいた。しかし就任前であったため、ロシア大使との会談時点では まだ一般人とみなされたのだ。
フリンは虚偽報告を認め解任
FBIが騒いだことで、フリンはロシア大使との接触について、ペンス副大統領へ曖昧な報告をした。後にこれが虚偽報告であったと認める。
トランプ大統領もかばいきれなくなり、就任早々フリンは解任。
マイケル・フリン3つの問題
上記をまとめると、FBIが問題視したのは次の3点。
- トランプを大統領選で勝利させるため、ロシアと共謀したのでは?
- 一般国民が勝手に外国政府と交渉することは「ローガン法」違反。
- 駐米ロシア大使との会話を偽証したのでは?
ロシアゲート捜査開始
2017年5月、司法省がロバート・ミュラー特別検察官を任命。フリンの捜査を開始。
ミュラー検察官は、フリン側の弁護士と司法取引を協議。フリンの息子の将来まで攻撃することをほのめかしたFBIに屈し、フリンは司法取引を受け入れることを渋々決断。
FBIの罠に気付いたシドニー・パウエル弁護士が司法取引に疑問
ところが、これに疑問を投げつけたのが 腕利きの女性弁護士 シドニー・パウエル女史。
FBIが本当は確かな証拠を持っておらず、強引にフリンを有罪とする悪意を指摘。
FBIの嘘と罠
実はパウエル弁護士の指摘通り、FBIはフリンに罠を仕掛けていた。
正式な取調べではないとのウソをつき、フリンに接触。フリンを油断させた上で、曖昧な発言を誘導。これを持って偽証罪を訴えた。
これはFBIの捜査ガイドライン違反。嘘をついていたのはFBI側だったことが判明した。
フリンの弁護士はオバマのスパイだった
しかもこの後、フリン側の弁護士はFBIの仲間だったことが発覚。FBIとフリンの弁護士は 司法取引でフリンをハメようとしていたのだ。
裁判費用5億円 - フリンは自宅も売却
この時点で マイケル・フリンは法廷闘争のため、弁護士費用5億円を喪失。自宅も売却。並のメンタルなら ここで途方に暮れるだろう。
司法取引を拒否
しかし、フリンは司法取引を拒否。アドバイスをくれたシドニー・パウエル弁護士を信じ、闘いの続行を決意。
ミュラー検察官の結論 - 起訴内容の証拠なし
①FBIはトランプを大統領選で勝利させるため、ロシアと共謀したのでは?
→ 盗聴内容はすでに公開。内容は、アメリカのロシア制裁解除の協議。あくまでも純粋な政治的内容で、選挙に関する共謀事実がそもそもなかったことが判明。
②「ローガン法」により、政府関係者以外が勝手に外国政府と交渉することは違法では?
→ 実は、ローガン法は1852年に成立して以降、裁判で一度たりとも使われたことがない。ローガン法自体が憲法違反であるとみなされているからだ(これはトランプ大統領も、マスコミにも知らされていなかった)。
つまりフリンとロシア大使の会談は、そもそも合法だったのだ。
政府閣僚でない一般の米国民であろうとも、米国政府が他国と交渉するチャンネルの一つとして重要な役割を果たすことはよくあること。
しかも、マイケル・フリンは次期大統領補佐官としてすでに指名されていた。間近に控えたトランプ政権発足を円滑に船出させるため、当然の役割を果たしていただけ。
③駐米ロシア大使との会話を偽証したのでは?
偽証と言っても、もともと曖昧な表現しかしておらず、FBIの嘘で誘導された強引な司法取引のために 渋々認めただけ。偽証罪も成立せず。
うそつきはFBIだった
「彼(フリン)を訴追するために、ウソをつかせる ~」。
→ 2020年4月、FBIのメモがマスコミに公開。これで誰もFBIを信用しなくなった。逆に、フリンがはめられたと 全米が知ることに。
ロシアゲート終了
結局、ウィリアム・バー司法長官は捜査担当者を変更。捜査の見直しを表明。
フリン起訴取消
2020年5月、FBIはフリンの罪を問える証拠を持っていなかったことを確認、起訴取消しが決定。
日本のモリカケと同じ - マッチポンプ
ここが日本のモリカケ問題とそっくりなのだが、結局トランプ大統領とロシアの共謀は証拠が全く出なかった。4年間かけて、何一つ出なかったのだ。
それどころか、ウソをついていたのはFBIだった。厳密には、NYタイムズ、ワシントンポストもグルだったと見られている。
FBIはウソで強引にトランプ政権を打倒しようとしたが、さすがにミュラー検察官も 証拠なしではこれ以上押せなかった。
結果、FBIの負け。トランプとフリンの大勝利だ。
フリンの再起用はあり得る
トランプ大統領はマイケル・フリンの政権復帰を示唆している。スパイ弁護士に全財産を支払い、FBIと司法取引に応じなければ「息子の将来まで犠牲になる」と脅されながら戦い続けたマイケル・フリン。
トランプ大統領は、自身の失脚を狙う勢力(ディープステート、民主党)の標的にされただけだとフリンを評価。ハリウッド映画よりも壮大な司法ドラマを勝ち抜いたのだ。
こうして「ロシアゲート」はめでたく終了。
しかし! ここからが「オバマゲート」の始まりだった…。
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この記事のまとめ
【ロシアゲート=オバマゲート】米国のモリカケ問題①「ロシアゲート編」 無罪のマイケルフリンとFBIの罠- ロシアゲート事件とは、「2016年トランプ大統領当選を誘導するため、ロシア政府がSNSなどで サイバー攻撃やプロパガンダ工作を行った」との疑惑。
- マイケル・フリン次期トランプ政権の大統領補佐官が、ロシア大使と電話会談したことをFBIが盗聴。
- FBIはフリンの問題として次の3点を挙げたが、いずれも疑いが晴れた。
- ロシアとの共謀
→ なし - 一般国民が外国政府と交渉することを禁じたローガン法違反
→ ローガン法自体が憲法違反なので、会談は合法 - 虚偽報告
→ FBIの違法捜査と、詐欺的な司法取引が原因のため不問
- ロシアとの共謀
- 逆にFBIの違法捜査が問題に
- 2020年5月、フリンへの起訴取消し