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中国共産党によるプロパガンダ教育の実態と人権弾圧 元ミスワールド・カナダ代表アナスタシア・リン氏のスピーチ(日本語訳)

更新日:中国共産党によるプロパガンダ教育の実態と人権弾圧 元ミスワールド・カナダ代表アナスタシア・リン氏のスピーチ(日本語訳)

元ミスワールド・カナダ代表のアナスタシア・リンAnastasia Lin)氏。

2020年2月6日、リン氏は英オックスフォード・ユニオンにて「中国共産党よるプロパガンダ教育の実態と人権弾圧」についてスピーチを行いました。

本稿では、スピーチ映像と スピーチ内容の日本語訳をご紹介します。

目次
中国共産党によるプロパガンダ教育の実態と人権弾圧 元ミスワールド・カナダ代表アナスタシア・リン氏のスピーチ(日本語訳)

アナスタシア・リン氏の経歴 - 彼女はどんな人物?

アナスタシア・リン氏は、人権派として知られる中華系カナダ人。中国の伝統* 気功法である「法輪功」の学習者です。

※ 伝統的な中国と、現在の中国共産党は、全く異なります。


生まれは中国の湖南省。その後 13歳のときにカナダへ移住。カナダへ移住した後に、リン氏は中国共産党による酷い人権蹂躙(チベット人、ウイグル人への弾圧)の実態を知りました。

参考記事
今さら聞けないウイグル問題① - 21世紀のホロコーストて本当?21世紀に100万人を強制収容所で洗脳なんてできるのか?涙を流す人が続出:ウイグルの現状を訴えた漫画家清水ともみさんの作品も紹介。


その後 女優となったリン氏は、人権蹂躙をテーマにしたテレビ・映画作品へ積極的に出演。


リン氏は23歳のとき、ミス・ワールド2013 カナダ大会へ参加。しかし、それまでミス・ワールドの定番であった水着審査を拒否。大きな物議をかもします。

撮影する前、私はまず強制労働教養所や、刑務所で性的暴行を受けた被害者を取材しなければなりません。大会出場に向けて、実際の被害者たちも私の活動に注目し、支持してくれていると分かっていました。もし、私が瞬くフラッシュのもとで身体を露わにしたら、被害者たちはどんな思いを抱くでしょうか。

出典:「もし私が肌を露わにしたら…」


水着審査を拒否したにも関わらず、同大会にてリン氏は3位入賞。

そして2014年、ミス・ワールドの組織委員会は「女性への尊重に欠けていた」とし、水着審査を永遠に行わないことを発表しました。


翌年 ミス・ワールド2015 カナダ大会において、リン氏は優勝。中国メディアは当初、中国出身のリン氏がミス・カナダに選ばれたことを「中国の栄誉」だと報道していました。

ところが、リン氏が中国共産党の人権弾圧を批判している人物だと知るや、態度を一変。

カナダ代表として ミス・ワールド世界大会2015(中国-海南島)へ向かうリン氏の、中国への入国を認めませんでした。


・・・生まれ故郷である中国へ入国拒否されてから5年。リン氏は屈すること無く、現在も「中国共産党による人権弾圧の真実」を 世界へ訴え続けています。

アナスタシア・リン氏の、オックスフォード・ユニオンでのスピーチ映像

2020年にリン氏がスピーチした オックスフォード・ユニオンオックスフォード連合)は、英オックスフォード大学*の学生で主に構成されている私立学生団体。

「世界で最も権威ある私立学生団体」の1つだと言われています。

※ 英オックスフォード大学:世界でも5本指に入るほどの名門大学


以下は、上記スピーチ映像の日本語訳となります。

アナスタシア・リン氏のスピーチ(日本語訳)

アナスタシアリン

本日は、中国との冷戦を支持すべきという立場で話したいと思います。

しかしこれは「中国共産党」との冷戦のことであり、「中国」自体との冷戦のことではありません。

私はアンチ中国ではありません。私は中国の人々と、中国を愛しています。

中国共産党批判により、家族が脅迫される

私がミスカナダの栄誉を2015年に受けたとき、私は中国共産党の人権侵害について、演壇で話しました。そのせいで、中国にいた私の父は 治安当局に脅迫され、彼のビジネスは奪われたのです。

そして私の祖父母と父は 出国が禁止されました。

このような話を続けることもできますが、今夜のフォーラムでは、新しいアプローチをしたいと思います。それは「中国が我々をどう見ているか」についてです。

言い換えるならば、「中国共産党は、自らが既に『西側との冷戦状態にある』と考えているか否か」です。

中国で今なお続く「プロパガンダ教育」

私が中国で育った幼少期、外国勢力への敵対的なプロバガンダを教え込まれたのを思い出します。

「19世紀に西洋列強国が中国を征服し 屈辱を与えた」と、繰り返し教わりました。そして、これらの古い恨み節(※ 洗脳教育)は、国内の不満をそらすために 今も継続されています。

「西側諸国は今でも、我が国をひそかに孤立させ、弱体化させ、国を不安定にし続けている」と、何度も何度も言われました。


中国では、国内問題について いかなる不満の表現も許されません。

例えば、チベット仏教徒の支持者、法輪功の学習者、民主活動家は、すべて西側反対勢力の黒い手先であると非難されます。

中国の勇敢な人権派弁護士は、外国の敵対勢力の代理人だと呼ばれます。

このパターンは現在まで続いており、「香港の民主化運動と台湾政府には、裏に西側諸国がいる」と中国政府は主張しています。

そして基本的に、すべての国内問題は「見えざる敵(西欧列強)」のせいにされるのです。


西側の企業は、自らの技術が 悪名高い社会的信用システムを通じて、中国政府のシステムを強固にする手助けをしていることを知っています。それでもまだ、彼らと取引をしています。

ファーウェイの5G技術がトロイの木馬であり、私たちの未来、子供たちの未来へ影響を与えることを、我々みんなが知っています。

しかし、我々は契約にサインしてしまいました。我々の価値観はすでに妥協しており、我々の生き方はすでに 中国共産党へ譲歩したのです。

中国共産党に対する傍観が、新型コロナウイルス拡大を増進

しかし覚えておいてください。中国の領土内で起きている人権侵害・不正行為は、中国国内だけに 留めておくことはできないことを。

それは 世界の静かな傍観者全員に届こうとしており、そして新型コロナウイルスの発生は その良い例です。


2019年12月1日、中国政府は武漢において コロナウイルス最初の症例をすでに発見していました。しかし地方当局は そのニュースを隠すため、「噂を広め社会を不安定にさせた容疑」で8人の勇敢な医師を逮捕したのです。

それどころか、地方政府は10万人もの人々を 公式に旧正月の宴会に招待することさえしました。

それは、武漢がこれまでになく反映し、そしてこれまでと同じように安全であることを 誤示するためだったのです。


これはチェルノブイリで起こったことを連想させます。

当初、ソビエトは核事故を認めませんでした。スウェーデンが放射性降下物を拾い、「国際原子力機関に報告する」と脅されるまでは。

当初、中国政府はウイルスを公表せず、それに関して 報告もウイルス発生の確認もしなかったのです。タイで最初の海外症例が検出されるまでは…。

中国共産党は「人民の生死に関心がない」

「なぜ中国当局が そのような危険を冒すのか?」と質問する人がいます。

中国共産党のメンタリティ(考え方)とは、「自分自身の平穏のためには、他者の生命を危険にさらすことを何とも思わない」ということです。

そしてこのメンタリティは、ごく小さな町から北京の中央政府まで同様です。中国共産党の唯一の目的は「権力を維持」すること。人々の生死は眼中にありません


多くの勇気ある医師たちや看護師たちが、様々なルートを通じて 世界に中国のアウトブレイクの真実を伝えようとしました。

彼らは 病院が定員を超えていると報告し、医師や看護師が感染していること、多くの人が病院で断られ 自宅で自己隔離しており、多くの人が亡くなっていると報告しました。


中国共産党の独裁下で生きる命とは、安くみられ、粗末に扱われる命です。

それは人間として「あなた本来の価値」が決して認められない人生であり、あなたの価値は「中国共産党にとって どれだけ役立つか」だけで判断されます。

それが私の子供時代でした。

中国共産党が、他国を特別扱いするはずがない

最後に、皆さんにこれを伝えて締めくくりたいと思います。

中国、いや、中国共産党との冷戦を支持するということは、中国の人々と一緒に立ち上がることであり、何十年もの間、この地に混沌と苦しみをもたらしてきた政権に立ち向かうことなのです。


さらに私は この質問も皆さんに残したいと思います。

自国の市民さえも虫けらのように扱う中国共産党政府に対して、どうして西側の私たちは、「自分たちだけ特別の扱いを受けられる」と期待できるのでしょうか?


この記事のまとめ

中国共産党によるプロパガンダ教育の実態と人権弾圧 元ミスワールド・カナダ代表アナスタシア・リン氏のスピーチ(日本語訳)

中国共産党による人権弾圧に、妥協しない姿勢を貫くアナスタシア・リン氏。

中国で生まれ育ち、中共によるプロパガンダ教育の現状を よく知っている彼女の言葉を、私たちは軽視してはいけません。


自国の市民さえも虫けらのように扱う中国共産党政府に対して、どうして西側の私たちは、『自分たちだけ特別の扱いを受けられる』と期待できるのでしょうか?

リン氏が強調する上記の意味を、真剣に考える必要があるのではないでしょうか。