【あがり症・ビビリ症の克服】人前で緊張しないためには集中力を鍛えろ!?
あがり症(ビビリ症)の克服には集中力を鍛えるのが効果的という研究結果をご紹介します。
人前で話すと緊張し、頭の中が真っ白になってしまう「あがり症(ビビリ症)」。
本番で実力を出し切れなかったり、とっさの出来事に戸惑って判断ミスを犯すなど、あがり症は人生において大損。
できるならば、あがり症を克服し、常に冷静沈着な行動をとれるようにしたいですよね?
ここでは、あがり症を治すトレーニング方法をご紹介したいと思います。
あがり症(ビビリ症)と集中力の関係を調べる研究
イスラエル-ベングリオン大学の研究チームは、「集中力トレーニングをすることで、脳の感情反応にどのような変化が起きるのか」を調査する研究を行いました。
その研究では、「集中力トレーニング」と「感情反応テスト」の2つに大別された実験を遂行。精神状態が健康な26名が被験者として集められたそうです。
集中力トレーニング実験
始めに行われた集中力トレーニングでは、被験者たちは モニタに表示される矢印の向きを識別させられました。
この時、全ての矢印を識別させるのではなく、"モニタの中央に表示される矢印以外は、無視しなくてはならない" というルールが定められていたそうです。
"モニタの中央に表示される矢印のみ" が識別対象となっていたため、集中力を鍛えるトレーニングとして最適とのこと。
そして、全被験者中の半分には難易度を低く、残りの半分には難易度を高くした問題が出題されました。
1回に掛ける集中力トレーニングの時間は 約15分。これが1日3回、6日間に渡って継続されました。
そして、毎日3回の集中力トレーニングが終わるたびに、続けて感情反応テストが行われたとのこと。
※ なお集中力トレーニングにおいて、難易度の低いグループの正解率は80%、難易度の高いグループの正解率は20%程度だったそうです。
感情反応テスト実験
感情反応テストでは、被験者たちはモニタに表示される四角形の色を識別させられました。
ただし、識別対象である四角形が表示される前には、必ず何らかの画像が表示される仕組みになっていたそうです。
そしてその画像には、下記のどちらかがランダムで表示されました。
- 精神的な恐怖を感じる物
(ex 吠えて噛み付きそうな犬) - 全くの無害な物
(ex コップなどの日用品)
あがり症と集中力の関連性
さて、上記「集中力と感情反応の実験」において、興味深い事実が判明。
感情反応テスト時において、ランダムで表示された画像が「恐怖を感じる物」であった場合、その後の色を識別する速度に遅れが生じたのだそうです。
これは全被験者において共通の現象であり、このことから「あがり症(=ビビっている状態)は、人の判断脳力を低下させる」ということが、科学的に立証されたことになります。
あがり症は集中力を鍛えることで克服できる
実験により明らかとなったのは それだけではありません。
研究チームは、実験開始日と最終日の感情反応テスト中に、被験者全員の脳をfMRIで撮影していました。
※ fMRIとは、脳内で活発に活動している部位を映像で表示してくれる医療機器です。
その結果、難易度の高い集中力トレーニングを受けていたグループは そうでないグループに比べ、恐怖を感じる画像を見た場合の「扁桃体の活性度」が低くなっていることも判明。
※ 扁桃体(へんとうたい)とは、不安や恐れといった感情と関連性があると言われている脳の部位です。
それらを踏まえ、この実験結果をまとめると下記の通りとなります。
「平常心を乱すと判断能力は鈍ってしまうが、難易度の高い集中力トレーニングを受けることで、恐怖などを感じにくくなる。」
→ 集中力を鍛えることは、あがり症(ビビリ症)の克服につながる!
研究チームは次のようにコメントしています。
「周辺の不必要な情報を無視し、必要な情報にだけ集中する訓練をつめば、脳の感情処理機能を作り変えることができる。」
「あがり症や恐怖といった否定的な感情を克服したい人にとって、今回の研究が大いに役立つであろう。」
「あがり症を治すには、場数を踏むしかない」などと良く言われますが、実際にあがり症の人からすれば、そんなこと堪ったものではありません。
しかし、集中力を鍛えることで あがり症(ビビリ症)を克服できるのであれば、これほど嬉しいことはありませんね♪
お役に立てましたら幸いです^^