男性更年期障害の症状(セルフチェック)と対策について
男性更年期障害の症状と対策をご紹介します。セルフチェックもあるので、男性(特に草食系男子)の皆さんは、ぜひ自己診断をしてみてください。
さて、「更年期障害」と聞くと、一般的には中高年女性の病気に思われがちではないでしょうか?? しかし昨今は、男性の若年性更年期障害(=若者の更年期障害)が増えているんです。
男性の更年期障害は、実は放っておくと危険な怖〜い病気。「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群:late-onset hypogonadism)」という正式名称までついており、重症化すると合併症により命が脅かされる程なんです。
また、巷で話題の「草食系男子(=恋愛・セックス・出世・物欲に興味の無い男性)」は、男性更年期障害と無関係ではありません。
男性更年期障害の症状(特徴)
男性更年期障害の症状としては、以下が挙げられます。
軽度な場合は、イライラ、集中力低下、慢性的な疲労感・倦怠感、性欲の減退 など。
中度の場合は、ED(勃起不全)、睡眠障害(不眠、熟睡できない)、不安感、関節・筋肉の痛み など。
重度の場合は、全身から生気が無くなり、何事にもヤル気が起きなくなります。無感動・無気力、鬱(うつ)を発症し、社会的な死を迎えます。
また、骨粗しょう症、貧血、高血圧やメタボ(=内臓脂肪型肥満)も発症し、脳梗塞や心筋梗塞・狭心症のリスクが高まります。
更年期障害の原因
さて、そんな恐ろしい更年期障害の原因は、体内のホルモンバランス異常だと言われています。(これは男女共に当てはまります。)
体内のホルモンバランスが崩れる原因としては、ストレスや食生活・睡眠リズムの乱れ、飲酒・喫煙、筋肉増強剤の乱用 などが挙げられます。
ただし女性の場合、ホルモンバランスが崩れる最大の原因は閉経です。
女性の更年期障害は 閉経の前後数年内に発症することが多く、2年〜最長10年ほどで自然に治まります。
一方 男性の場合、更年期障害が自然に治るケースはまずありません。
男性が更年期障害を発症してしまうと、生活スタイルを劇的に改善しない限り、症状は悪化を続けます。
これが、女性更年期障害に比べ、男性更年期障害が恐ろしい点です。
テストステロンの減少が男性更年期障害の原因
「更年期障害の原因が、男女問わずホルモンバランスの異常にある」ことについては、上章でご紹介しました。
ここでは、男性更年期障害の原因について、より詳しくご紹介します。
男性更年期障害の主原因は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の減少だと考えられています。
テストステロンとは、筋肉・血管・骨格を強くし、内臓脂肪の増加を抑え、性的欲求・性機能(勃起、射精)といった働きを司るホルモンです。
また、ヤル気、向上心、闘争心、決断力、活力 などの、生きるモチベーションアップにも大きく作用します。
そのため、テストステロンが不足気味な男性は、恋愛・セックス・出世 などに興味の無い「草食系男子」となってしまうんです。
つまり、草食系男子とは、男性更年期障害の予備軍だと言っても過言ではありません。
テストステロンの分泌量は年々減少する
テストステロンの分泌量は、生涯を通して一定ではありません。
人生において最もテストステロン値が高い時期は、10代後半〜20代。その後は老化と共に、徐々に分泌量が減少していきます。
(「30代からは、毎年1%ずつテストステロン分泌量が減少していく」と主張する学者もいます)。
そのため、40〜50代の頃になると、ED(勃起不全)やメタボ率が上昇し、男性更年期障害で悩む人が多くなってしまうんです。。。
男性更年期障害のセルフチェック
男性更年期障害を簡単にセルフチェックできる設問をご紹介します。
最近の様子を振り返りながら、Yes/Noで気楽に答えてみてください。
- 何かと意欲が湧かない(=ヤル気が出ない)ことが多い。
- 慣れているはずの業務において、作業効率が落ちた。
- 疲れやすくなり、日中でも休憩や睡眠の衝動に駆られる。
- 身長が縮んだ。
- お腹周りがポッコリしてきた。
- 最近2週間以内に、セックス または 自慰行為を一度もしていない。
- 勃起力(=陰茎の角度、硬さ、持続力)が落ちた。
- 情緒不安定になった。(ex 不安になったり、怒ったりすることが多い など)
- 夕食後、すぐに寝ることが多くなった。
- ひげが薄くなったり、伸びるのが遅くなった。
これらに3つ以上Yesと答えた人は、男性更年期障害が徐々に進行している可能性があります。
気になる方は医療機関を受診し、テストステロン値を測定してもらいましょう。
男性更年期障害の対策 - テストステロンを増やす方法
最後に、男性更年期障害の対策をご紹介します。
「テストステロン分泌量の減少」が男性更年期障害の原因であるため、「テストステロン分泌量を増やすこと」が男性更年期障害の対策となります。
※ 以下は、男性更年期障害の発症後には治療法として有効であり、発症前には予防法として有効です。
筋トレ(筋力トレーニング)
筋トレなど、筋肉に大きな負荷を与える短時間の運動で、体内のテストステロン分泌量が増大します。
ただし、体が脱水状態の場合はテストステロン分泌量が減少してしまうため、こまめに水分補給を行いながら筋トレに励んでください。
なお、筋トレには美容・健康面においても様々なメリットが存在します。
(参考記事:筋トレのメリット6つ)
BCAAを摂る
筋トレとセットでBCAAを摂取すると、テストステロンの分泌量が跳ね上がることが分かっています。
BCAA(分枝鎖アミノ酸)には 疲労回復や筋肉の合成を促進する効果があり、筋トレマニアやアスリートの間では 非常に有名な栄養素です。
亜鉛を摂る
ただ亜鉛を摂るだけでも、テストステロンの分泌量が増大します。
食事内容・運動習慣を変えず、亜鉛サプリだけを1ヶ月半摂り続けただけで、テストステロン値が大きく上昇したという報告があります。
スポーツ観戦
スポーツ観戦(特に格闘技観戦)などの闘争心が刺激される行為によって、テストステロン分泌量が著しく増大します。
自分が応援している選手・チームが活躍した場合、20%以上もテストステロンの分泌量が増えたとする研究報告もあります。
ただし、自分が応援している選手・チームが不甲斐ない結果に終わった場合、逆にテストステロンの分泌量が著しく減少するとのことで、諸刃の剣かも知れません。。。
女性の裸体を眺める(ただし自慰は厳禁)
性的な衝動を高めることで、テストステロンの分泌量は他に類を見ないほどに増大します。
「アダルト動画を5分間閲覧した男性のテストステロン値は、100%以上も上昇した」という研究報告がある程です。
ただし、自慰を始めてしまう(ましてや、射精をしてしまう)と、テストステロン値は急激に減少。ジヒドロテストステロン(DHT:通称、悪玉男性ホルモン)と呼ばれる、テストステロンとは真逆の作用をするホルモンが分泌されてしまいます。
性的に興奮し、その欲求を解消しない "欲求不満" な状態を維持することで、体内のテストステロン値を高く維持することができます。
アルコール・タバコ・砂糖・炭水化物・サラダ油・加工食品の摂取を控える
お酒(アルコール)、タバコ、砂糖、炭水化物、サラダ油、加工食品 などを摂取すると、テストステロン値が減少することが分かっています。
これらを完全に断つことが難しい場合は、少しでも量を減らす努力をしてみましょう。
よく笑う
笑うこと(=笑顔を作ること)には、ストレス解消・免疫力アップ・心臓疾患予防 などのメリットが存在します(参考記事:笑うことのメリット7つ)。
笑顔とテストステロン分泌量の間には、直接的な関わりはありません。しかし、テストステロン減少によって引き起こされる男性更年期障害の様々な症状を、笑うことのメリットが緩和してくれます。
テストステロンの補充
男性更年期障害の症状が酷く、上でご紹介した方法では効果が薄い場合には、医療機関でテストステロンを補充してもらいましょう。
最も即効性があるのは注射ですが、飲み薬・塗り薬のテストステロン補充方法もあります。
飲み薬・塗り薬タイプの物は、処方してもらい家や職場でも使用することが可能です。
この記事のまとめ
男性更年期障害の症状(セルフチェック)と対策について- 男性更年期障害は、女性更年期障害とは異なり、放置すると危険(社会的にも、肉体的にも)。
- 男性更年期障害は、体内のテストステロン分泌量が減少することによって発症する。
- 恋愛・セックス・出世 などに無関心な草食系男子は、男性更年期障害の予備軍である。
- 男性更年期障害を予防するためには、筋トレをしたり、性的にムラムラした状態を維持し続けることが効果的。
本記事が、何らかのお役に立てましたら幸いです^^