ユダヤ式記憶術『ハブルータ』で学校の成績アップ (受験勉強にも効果的)
更新日:ユダヤ式記憶術として有名な「ハブルータ勉強法」。はたして「ハブルータ」で 学校の成績はアップするのか? 受験勉強にも役立つのか?
・・・皆さん、大いに気になるところだと思います。
※ ハブルータについては 下記参照。
結論から言えば、
成績アップ間違いなし!
本稿では、ハブルータの効果を確かめる実験と その驚くべき結果をご紹介します。
韓国でTV放映された「ハブルータ勉強法」
筆者の住んでいる韓国は「世界で最も受験戦争が過酷な国」の1つだと言われています。その韓国において 物議をかもした映像が こちら↓
ハブルータ学習法について(韓国語)
この映像は、2015年に韓国のEBS(国営教育TV局)が シリーズで放映したもの。「我々はなぜ大学に行くのか?」という視点で教育改革を訴えた話題作です。
※ EBSは韓国の教育ママたちへ影響力の大きいメディアです。様々な教育コンテンツを(学校教育はもちろん、時事ニュース等も含め)お茶の間へ放映しています。「私塾に通わせなくても無料で大学受験に備える」というスローガンを掲げ、大学入試の専門講師による講義を配信中。
このTV番組の中で ユダヤ式勉強法「ハブルータ」が紹介され、韓国内における知名度が急上昇。今では多くの教育現場で ハブルータが取り入れられるようになりました。
詰め込み式勉強法 VS ユダヤ式ハブルータ の比較実験
番組では、ユダヤ式勉強法「ハブルータ」が従来の勉強法に比べ、どれほど優れているのかを検証。大学生16名を対象に比較実験が行われました。
実験内容は次の通りです。
- まず、全体を「8名 × 2つ」にグループ分け。
- その後、西洋史を それぞれ3時間ずつ学習してもらいます。
(※ 難易度は大学入試レベル) - この時、一方のグループでは 独りで机に向かう「詰め込み式 勉強法」、もう一方のグループでは ペア討論による「ユダヤ式ハブルータ」で学習。
- それぞれが3時間ずつ学習した後、模擬試験。
詰め込み式(静かな学習法)の様子
(画像出典:YouTube)
こちらの画像は従来の方法で勉強する学生達。まさに典型的な受験勉強スタイルです。
(画像出典:YouTube)
学生たちは蛍光ペンで目に付いたところに印をつけ、最終的にはノートを整理しながら 年度や人物名などを頭に詰め込んでいます。
ハブルータ(話す学習法)の様子
一方 別の部屋では、残る8名がユダヤ式勉強法「ハブルータ」を用いて試験勉強中。
(画像提供:YouTube)
ペアになりお互い説明し合いながら勉強しています。
(画像提供:YouTube)
ハブルータの特徴は「一人で勉強しない」こと。必ずペアになって教え合います。
蛍光ペンを握る代わりに黒板を使って、パートナーへ説明するのが基本。
そして3時間が経過し、いよいよ模擬試験が開始。
(画像提供:YouTube)
全く異なる勉強法で試験に備えた16名。
果たして試験の結果は??
ユダヤ式勉強法ハブルータの驚くべき威力
下表は試験の点数をグラフにしたものです。
(画像提供:YouTube)
なんと、大差でハブルータ(話す勉強法)を行ったグループの成績が良い という結果に!
試験を終えた学生たちへインタビューしてみると、ハブルータ学習グループからは 次のような回答が。
誰かに説明することで、自分が理解している事と理解できていない事が明確になりました。すでに理解している部分はスキップして、理解できていない部分だけに集中して学習したので、非常に効率良く勉強できました。自分で説明することで、分かっていない部分を自分で知る事ができました。
「パートナーと会話しながら勉強することで、3時間があっという間に過ぎてしまった」と感想を述べたハブルータグループ。ユダヤ式学習法「ハブルータ」は、楽しみながら効率良く勉強できる最強の勉強法なんですね。
ユダヤ式ハブルータで成績アップする理由は「メタ認知」
番組の最後は 脳科学者による解説。専門家曰く ハブルータの効果は「メタ認知がもたらすもの」なのだとか。
メタ認知とは、自らの思考能力を客観的に見つめる もう一つの視点。メタ認知が働くことで「本当に理解している事」と「理解していると錯覚している事」を判断できるようになります。
つまり「成績の良い子」とは「メタ認知能力の高い子」なのです。
例)同じ時間 机に座っていても、効率よく学習し、テストに出そうな部分からサクサク覚えちゃう など。
もちろん、「メタ認知を鍛える」ことは十分に可能。誰かに説明することを通して メタ認知能力は高まっていきます。
学習効率ピラミッド
以下の図をご覧ください。これは「学習効率ピラミッド」といい、学習後 24時間が経過した時点で「学習内容がどれだけ記憶に残っているか」を表したものです。
互いに説明し合うユダヤ式勉強法「ハブルータ」は、講義式の「聞くだけ学習法」に比べ、記憶に残る量が18倍も多いのです。
※ 詳細はこちら
自分では理解していると思っていても、いざ誰かに説明してみると 上手く説明できない事ってありますよね…。
そんな時ユダヤ人はこう言います。
自分の言葉で説明できないのは、結局 理解できていないことと同じ
誰かに説明する事で「理解している事」と「理解できていない事」が明確に区分され、知識の因果関係についても 頭の中で整理されるのだとか。
つまりハブルータを用いて勉強すると、成績が良くならないはずがない! ということです。
ハブルータはイジメ問題を解決する!?
また、ハブルータの継続によって 想像力と好奇心が豊かになり、学習する目的が「成績重視」から「探究心 = 自ら積極的に学びたい」へと変化していきます。
・・・これって、とんでもない "やる気スイッチ"(モチベーション維持の原動力) だと思いませんか?
実際に、韓国の学習塾では ハブルータを取り入れている所が増えてきています。
しかし私は、もっと公教育の現場(とくに中学校や高校で)でハブルータを取り入れてほしいと思うのです。
なぜなら ユダヤ式勉強法「ハブルータ」で授業する学級では、イジメ等が無くなるはずだから…。
ハブルータでは、クラスの誰もが 自分の学習を助けてくれるパートナー。クラスメートは「成績で序列を付ける競争相手」や「蹴落とすべき対象」でなく「一緒に成長していける友」。
このように素晴らしいハブルータ(ユダヤ式記憶術/勉強法)を、ぜひ多くの教師、親御さん、学生さんたちに 知ってもらいたいと思います。