子供の性格タイプ(気質)に合った会話のコツ 効果的な『褒め方』の例
更新日:子供の性格タイプ別に合わせた、効果的な会話のコツをご紹介します。
お子さんの気質にピッタリの、上手な「褒め方」の例や「声掛けの仕方」を学んでみましょう。
家庭のなかで 我が子との会話に苦労している親御さん ・・・きっと多いのではないでしょうか?
ときに、親の意図とは正反対の反応を示す子ども達。しかしそれを「理解できない!」と 否定的に捉えないでください。
我が子といえど、独立した人格を持つ「違う人間」なのです。そのため、理解できないのは、ある意味 当たり前。
親ができることは、子供の性格タイプをよく理解すること。そして、子供のタイプに合った会話のコツを心がけること です。
子供の性格タイプ診断
まずは子供のタイプを診断してみましょう。
子供のタイプは、大きく以下の4つに分類されます。
- 行動型
- 探求型
- 規範型
- 理想型
※ なお、ここでいう「タイプ」とは 生まれ持った「気質(性格)」のこと。そのため 親がムリヤリ変えようとする必要はありません。子供の天性・個性と捉えることが大切です。
次の文章を読んで、お子さんの日々の行動に 最も近いものを選びましょう。
学校の遠足で、博物館に行った日のこと。
4人の母親たちは、家に帰ってきた我が子へ尋ねました。
「今日は博物館で何を見て、何が面白かったの?」
4人の子供たちは、それぞれ以下のように回答しました。
A:
「博物館では いろいろ見たけど、あんまり覚えていない。昼休みに友だちと鬼ごっこしたのが 一番楽しかったな~」
B:
「太郎が突然いなくなって、先生たち全員で探したんだ。そしたら、太郎は一人で恐竜展示をずっと見ていて、先生の号令に気づかなかったんだって」
C:
「いろんな時代の発掘物を見たんだけど、途中で太郎がいなくなってみんな大騒ぎ。本当に理解できない! いくら恐竜が好きだからって、勝手に一人で行動なんかして! 先生が全体行動しなさいってあれほど言ったのに」
D:
「大昔のお皿みたいなのを見たよ。でね、ママ! 今日は花子と一緒にバスの隣に座って、お弁当も一緒に食べたんだよ。花子とペアになれてうれしかった! 花子もうれしかったかな? 私は前よりも もっと仲良くなった気がするんだけど…」
選択肢は以下の4つです。
- 鬼ごっこをして遊んだ子(A)
→「行動型」 - 恐竜展示に見入っていた子(太郎)
→「探求型」 - 規則を守らない同級生に腹を立てた子(C)
→「規範型」 - お友達との関係性を気にかけていた子(D)
→「理想型」
いかがでしょうか。皆さんのお子さんは、どの性格タイプに当てはまりましたか?
もちろん「うちの子は100%コレ!」というのは稀でしょうから、「どちらかというと、こういうタイプだな~」くらいの気持ちで診断してみてください。
ここからは、お子さんのタイプ別に合った、効果的な会話のコツをご紹介していきます。
行動型タイプの子の、褒め方・叱り方/会話のコツ
行動型タイプの特徴
- 活発で度胸がある
- 頭の回転が速い
- 正直で瞬発力に優れている
- 表現がストレート
- カッとなりやすい
リーダー気質で、まるで山を駆けめぐる野生のトラのような子たち。
スケールの大きさが最大の長所ですが、反面 落ち着きがない子だと(周囲の大人から)判断されがちです。
行動型タイプの子は、生まれ持った気質を発揮できない環境や 規範型の親もとで育った場合、葛藤が生じやすくなります。
また、頭の回転が速い分 慎重さに欠け、深く物事を考えない傾向が強いといえます。このような部分を 親はよくカバーしてあげましょう。
行動型タイプの子と会話するコツ
行動型タイプの子は、会話中に、さっさと「答え・結論」を出してしまおうとします。
そのため、以下のように声がけをしてみましょう。
- もう一度、よく考えてみようか?
- どうしてあなたは こう思ったの?
このように言葉をかけることで「深~く消化し、ゆっくりと考えてみる習慣」を育ててあげるのです。
行動型タイプの子の褒め方・叱り方
行動型タイプは、とにかく「まずは体で覚える」子たち。勇気を持って行動に移せたことを認めてあげ、称賛してあげましょう。
例)
「よく頑張ったね! ママだったら尻込みしちゃうかもしれないけど、あなたは何でもトライするんだね」
もし注意すべきことがあっても、まずは認めてあげることが大切。その後に指摘すべき点を伝えた方が、子供の「やる気」を伸ばすことができます。
規範型のママたちにとって特に理解できないのが、この「行動型の息子たち」。
「うちの子は落ち着きがなくて、どうも慎重さに欠ける」と判断し、ママの狭~い考えの中だけで リーダー気質の子を封じ込めてしまいます。
すると、生まれ持った天性が発揮されず、親によって才能が潰されてしまうことも…。
行動型タイプの子供を褒める際には、「勇気・成就・達成・能力」などのキーワードを使いながら、大舞台でリーダー気質を発揮できるように 導いてあげましょう。
探求型タイプの子の、褒め方/会話のコツ
探求型タイプの特徴
- 男の子に多い
- 研究家タイプ
- 別名「オタク気質」
- 好奇心旺盛
- マイペース
- 思慮深い
探求型タイプの子は、意思決定を下すまでは慎重派。しかしその後は、振り返る事なく我が道を突き進んでいきます。
自分が好きなことには どっぷりとハマってしまいがち。そのため周りの友人・同級生には無関心なことも…。
そんな我が子をみて親たちは、「うちの子の社会性(友達付き合い)大丈夫かしら? もしかしてイジメられているのでは?」と心配になるかもしれません。
探求型タイプの子は「人よりモノ」に関心がある子。これを よく理解してあげることが大切です。
このタイプの子たちは 自分が好きなことには没頭しますが、好きでないことには 初めから興味や関心を示しません。
探求型タイプの子と会話するコツ
その子が興味のある分野(恐竜、昆虫、歴史、etc…)で会話を進めるのがポイント。彼らは自分の得意とする分野では、驚くほど おしゃべりになります。
- 「ママ(パパ)は、あなたの話を聞いていると物知りになるよ!」
- 「沢山の知識をちゃんと他の人に伝えられてスゴイね。」
- 「○○はどうしてこの分野にそんなに興味を持つようになったの?」
このような声掛けで、お子さんが研究・探求した努力を認めてあげましょう。
「ママ(パパ)は自分の好きなことに関心を持って、ちゃんと聞いてくれるんだ!」という信頼関係をつくることが大切です。
その上で、関心分野以外の話題へも自然に導いていきましょう。
探究型タイプの子は、やもすれば 人間関係よりも自らの関心事にハマってしまいがち。
そのため家庭内では特に、「幸せな人生のためには、他者とのコミュニケーションが大切」であることを教えてあげましょう。
探求型タイプの子の褒め方
褒める際には「研究・探求・実力・知識」などのキーワードを上手く使いながら、深い信頼関係を形成していけるように努力しましょう。
規範型タイプの子の、褒め方/会話のコツ
規範型タイプの特徴
- 生まれながらの従順型
- 責任感が強い
- 面倒見の良い長女タイプ
- 誠実で、規則と原則を重要視する
- 一つずつ 慎重に物事を考え行動する
親の言う事に比較的従順に従いますが、他のタイプと比べて「自立心が弱い」と判断されがち。
他者の言動に傷つきやすいのも、この規範型タイプです。
常に周囲の顔色(親、先生など)をうかがいながら「失敗なく無難にいこう」とする点が、親として もどかしく感じられるかもしれません。
規範型タイプの子と会話するコツ
規範型タイプの子供たちは、慎重に考えるせいか 会話(質問 & 答え)に時間がかかることがあります。
かといって、無理に急かしたり 叱ったりするのは厳禁。下手をすると口を閉ざしてしまうこともあるので、注意が必要です。
この子たちと会話をする時は、大人が充分に待ってあげることが大切。
「この子は自分の頭でゆっくりと整理して答える子なのね」と割り切って対しましょう。
「ママ(パパ)は、あなたの考えがまとまるまで待ってあげるからね。ゆっくりと答えを出していいんだよ。」
という尊重のリアクションを示してあげることで、段々と自信を持って自分の考えを話せるようになるでしょう。
なお、大部分の日本人ママたちは この規範型タイプに該当します。
責任感が強く、周りの空気が読めてしまうだけに 気苦労も多い。・・・そんな我が子の気持ちを理解してあげられるママたちも、多いのはでないでしょうか。
規範型タイプの子の褒め方
褒める際には、「誠実・勤勉・責任・慎重」など 規範型タイプの子たちが重要視するポイントを尊重してあげましょう。
例)
「いつも妹弟の面倒をよく見てくれて、本当に助かっているよ。ありがとう。でもあなたも大変な時は、いつでもママに話してね」
「先生(親)と約束したことを きちんと守れてすごいね。誰かとの約束を守れるってことは、自分自身に対する信頼にもつながることだよ。あなたのそういう誠実な態度を尊敬するよ」
など。
理想型タイプの子の、褒め方/会話のコツ
理想型タイプの特徴
- 感性が鋭い
- 認めてもらいたい! 愛されたい! という欲求が強い
- 怒りの感情を上手に表現できない
- 他者を赦してあげる側に立ちやすい
- 心優しい反面、もろい面がある
理想型タイプの子は、温かく人情溢れた対人関係を結ぶことに 大きな価値を置いています。
褒められることで自信を持ち、成長してくタイプ。親御さんの中には「うちの子は友達好きで困っちゃう、下手に利用されてしまうのでは?」と危惧される方もいます。
しかし、これは最高の長所でもあるのです。
探求型の子と違い、理想型の子たちは「モノより人」に関心があるだけ。人間関係中心のタイプであることを理解しましょう。
理想型タイプの子と会話するコツ
柔らかい質問(攻撃的でストレートな表現はNG)で、称賛しながら進めていきます。
理想型の子たちは、他者から「理解されている!」という感情を抱いてこそ、自らの能力を最大限に発揮できます。
理想型タイプの子の褒め方
理想型タイプの「か弱く&優しい心」に寄り添うリアクションをしてあげましょう。
「親切・愛情・友情・理解」が、会話で必要なキーワードです。
例)
「わぁ! 何て素敵な考えなんだろう!」
「あなたは本当に思いやりがあって優しい子ね。ママはあなたといると とても心が穏やかになって優しい気持ちになれるのよ」
「でもあんまり他人の眼ばかり気にしていると、ちょっと疲れちゃうよね。あなたは今のままでも十分愛されて大切にされている存在なんだってことを 忘れないでね」
など。
子供との会話のコツは「尊重」する姿勢
上でご紹介した性格の4タイプは、あくまでもザックリとした目安に過ぎません。実際のところ「人の性格」というのは、もっと複雑です。
例えば 我が家の長女は「規範型」と「理想型」両方の気質を持っています。
息子は「行動型」と「探求型」に加え、ちょっとだけ「規範型」も。
末っ子は ・・・すべて当てはまる(笑)。3歳児なので、まだ ”これだ!” という気質が目に見える年齢ではないのかもしれません。
大体 7~8歳頃になると、生まれ持った気質や性格が目に見えて表れてきます。
しかし どのタイプの子であったとしても、親ならば「その子の気質を個性として尊重し、否定したり無理に変えようとしないこと」が大切。
大人でも趣味嗜好や、価値視していることって十人十色ですよね? 子供に対しても、同じように各自の個性を尊重してあげましょう。
子供のペースや 個性に応じて会話できる場、これこそ「家庭教育の醍醐味」。
私がおすすめしている ユダヤ式教育「ハブルータ」の原点も ここにあります。
最後になりましたが、お子さんだけでなく、ぜひ親である私たち自身も、どの性格タイプ(気質)なのか、一度 診断してみることをオススメします。