Jリーグの悲惨な経営状況!赤字クラブが多い理由について
Jリーグの悲惨な経営状況と、赤字クラブが多い理由について解説します。
Jリーグ(正式名称「日本プロサッカーリーグ」)と言えば、セ・リーグ/パ・リーグのプロ野球と共に、日本プロスポーツ界の人気を二分している団体です。
サッカー少年たちの憧れであり、ワールドカップ日本代表として出場する選手たちが何人も在籍、試合ではファンが大勢詰めかけるなど、華々しい舞台となっています♪
・・・しかし、ご存知でしたか? そんな華麗な一面とは裏腹に、Jリーグの経営は とても悲惨極まりない状況なんです。
ここでは、知られざるJリーグの内情についてお伝えします。
(※ 本記事は、サイト移転に伴い 2014年に執筆された記事を再掲載しています。)
Jリーグの歴史
Jリーグの現状を知るために、まずはJリーグの歴史について知っておきましょう。
1980年代後半、当時のFIFA(国際サッカー連盟)から日本サッカー協会に対し、「FIFAワールドカップ」の日本開催が打診されました。
これに伴い、日本サッカー界ではプロリーグ構想が推進され、1993年にJリーグが誕生。
誕生直後のJリーグ加盟クラブは、全部で下記の10クラブでした。
- 鹿島アントラーズ
- ジェフユナイテッド市原
- 浦和レッドダイヤモンズ
- ヴェルディ川崎
- 横浜マリノス
- 横浜フリューゲルス
- 清水エスパルス
- 名古屋グランパスエイト
- ガンバ大阪
- サンフレッチェ広島F.C
現在でも強豪として人気が高いこれらのクラブは、「オリジナル10」と呼ばれることもあります。
J1, J2, J3の三部制になった経緯
さて、1993年に10クラブから誕生したJリーグは、1998年までは1部のみで、最大18クラブが加盟していました。
そして、1999年からは「Jリーグ ディビジョン1(通称J1)」と「Jリーグ ディビジョン2(通称J2)」の2部制に移行し、2014年からは「Jリーグ ディビジョン3(通称J3)」が新たに創設。
2014年シーズン開始時点では、日本国内の36都道府県に本拠地を置く 51のクラブ(J1:18クラブ、J2:22クラブ、J3:11クラブ)が加盟しています。
Jリーグの悲惨な経営状況
2014年5月20日、J1〜J3 の 51クラブ中48クラブが、株主に対する経営情報開示を行いました。(※ 柏レイソル、ジュビロ磐田、YSCC横浜 の3クラブは、3月期決算のため開示していません。)
それによると、
- J1、J2のクラブ中、11クラブが2013年度債務超過、4クラブが3期連続赤字。
- J3(新設されたばかり)のクラブ中、1クラブが債務超過、5クラブが赤字。
という、悲惨な経営状況が浮き彫りに…。
※ なお、いきなり2013年に経営が悪化したのではなく、Jリーグの赤字は 何年も前からたびたび指摘され続けてきたことです。
何故Jリーグは赤字クラブが多いのか?
では、何故Jリーグに赤字クラブが多いのでしょうか? 次の3つが主な原因です。
原因1.サッカー選手たちの破格の契約金(年俸)
赤字Jリーグの最も大きな原因は「人件費」、つまりはサッカー選手たちの「破格の契約金(いわゆる、年俸)」です。
プロスポーツ界において "破格の契約金" と言えば プロ野球が有名ですが、Jリーグもプロ野球に負けない程の契約金を、所属選手たちに支払っています。
原因2.年間試合数が少なく、契約金の元が取れない
Jリーグの年間試合数は「リーグ戦34試合 + カップ戦6試合 + 天皇杯1試合 の、計41試合」です。(※ 決勝トーナメントで勝ち進むと多少増えます。)
一方、プロ野球の年間試合数は「144試合」となっています。つまり、Jリーグは、プロ野球の3分の1程度しか年間試合数がありません!
Jリーグの主な収益源は「試合のチケット料」なのですが、この年間試合数では、選手たちに支払っている契約金の元を取ることが、極めて難しいと言わざるを得ません。。。
原因3.スタジアムの収容人数が少なく、一試合の収益がさほど見込めない
少ない年間試合数に追い打ちをかけるのが、「サッカースタジアムの収容人数は、野球の球場に比べると少ない」という点です。
球場の場合、甲子園球場を筆頭に どの球場も数万人を収容できる規模があります。一方のサッカースタジアムの場合、国立競技場を除けば 1.5万〜2万人程度の収容人数しかありません。
収容人数が少ないということは、「多くの観客を呼べない」ということです。
そのため、一試合あたりの収益においても、野球に遥かに劣ることになってしまいます。
Jリーグの赤字原因は他にも…
上記の3つ以外にも、団体で動く際の遠征費(日本国内、海外)等も、かなりの出費となり、Jリーグの経営を圧迫しています。
Jリーグの試合だけでは とてもクラブを維持できないため、キャラクターグッズを販売したり、スポンサー会社に泣きついているのが現状です。
また、最も枷となっている "選手の契約金" をカットしては? という意見もありますが、優秀な選手が海外チームに流れていってしまったり、また、選手のモチベーションが下がってしまったり等、結局Jリーグの人気下落に繋がりかねないため、有効な打開策とは言えません。
この記事のまとめ
Jリーグの悲惨な経営状況!赤字クラブが多い理由について- Jリーグの歴史
1993年に10の加盟クラブから誕生。2014年のシーズン開始時点では、36都道府県に本拠地を置く51クラブ(J1:18クラブ、J2:22クラブ、J3:11クラブ)が加盟。 - Jリーグの悲惨な経営状況
債務超過や赤字のクラブが多数。 - 何故Jリーグは赤字クラブが多いのか?
「サッカー選手たちの破格の契約金(年俸)」「年間試合数が少なく、契約金の元が取れない」「スタジアムの収容人数が少なく、一試合の収益がさほど見込めない」の3つが主な理由。
アジアの中ではトップクラス。ワールドカップでは 強豪国に勝利し大番狂わせを引き起こすなど、世界でも存在感を増してきている 日本サッカー。
苦しい経営難にも負けず、これからも良いプレーで日本中を沸かせてもらいたいですね♪