ビール・ゴーグル効果で異性が魅力的に見える!?お酒(アルコール)で失敗する理由
ビール・ゴーグル効果とは、アルコールによって異性が魅力的に見えてしまう度合いのこと。そして『お酒での失敗しやすさ』について、ビールゴーグル効果は数式で証明してくれています。
バーで魅力的な異性と意気投合♪「これが運命の出会いってヤツなのかも?」と、そのままホテルで愛を確かめ合う二人。
そして翌朝ベッドで目を覚まし、まだ寝ている相手をマジマジと見て後悔するんです。
「あれ?この人こんなにもブサイクだったっけ〜(涙)」と。。。
アルコールが大好きな人の中には、こんな苦い経験をした人が少なからずいると思います。
イギリスでの世論調査によれば、68%もの人が「酔ったはずみで、好意を抱いていない相手に電話番号を教えてしまい、後悔している」と回答したそうです。
素敵な恋愛をしたいのならば、アルコールは最も気をつけるべき物の一つ。
一体何故、人はアルコールによって失敗を犯すのでしょうか?ここでは、最新科学が解明した「アルコールで異性が魅力的に見えてしまう理由」と「魅力的に見える度合」についてご紹介します。
ビール・ゴーグル効果とは?
アルコールと恋愛の関係を表す「ビール・ゴーグル効果(Beer goggles)」という用語が存在します。
この"ビール・ゴーグル効果"とは、「アルコールを摂取すると、異性が通常の何倍も魅力的に見える」という現象です。
ビール(アルコール)を摂取すると、あたかもゴーグルを顔に装着している時のように、異性に対する見え方が変わってしまうことが、効果名の由来となっています。
そして、ビール・ゴーグル効果は永続的なものではなく、アルコールによる「酔い」が切れたら効果も終了します。そのため、冒頭で挙げたような「翌朝になって猛烈に後悔」という状況に陥りやすく、一歩間違えると人生を破滅させかねない、アルコールの危険な作用の一つと言われています。
ビール・ゴーグル効果のメカニズム
では、何故ビール・ゴーグル効果が発生するのでしょうか?
この答えを探るためには、まず我々人の「脳」について知らなければなりません。
人の脳の構造
上図をご覧ください。これは脳を横から見た場合の断面図です。
脳の最も外側部分には「大脳新皮質」と呼ばれる層が存在します。大脳新皮質とは、いわば「理性」をつかさどる部分。創造性・社会性・論理性といった、人が高度な文明社会を築くのに欠かせない働きをします。
大脳新皮質の内側には、「大脳辺縁系」と呼ばれる層が存在します。大脳辺縁系とは、いわば「本能」をつかさどる部分。食欲・睡眠欲・性欲・身の安全など、生き残るための生物的な欲求を担当します。
そして大脳辺縁系の下には、「脳幹」と呼ばれる「生命維持」をつかさどる部位が存在します。例えば、寝ていても心臓が動き呼吸できるのは、脳幹が常に働いてくれるお陰です。
脳幹の隣には、脳全体の10%程度の容量しかない「小脳」と呼ばれる部分が存在します。小脳は「筋肉の運動」をつかさどり、手足などを動かすことを担当しています。
アルコールが脳にもたらす影響
上の図を見ても分かる通り、人の脳は、本能をつかさどる「大脳辺縁系」に比べて、理性をつかさどる「大脳新皮質」の方が発達しています。
(※ 他の動物で、これほどまでに大脳新皮質が発達している例はありません。これが、地球上で唯一「人類」だけが、理性によって本能を抑えこみ、高度な文明社会を築くことができた理由です。)
ところがアルコールには、大脳新皮質を麻痺させる働きがあるんです。つまり、アルコールをグイグイ摂取していくと、大脳辺縁系(本能)を抑えていた大脳新皮質(理性)の力がどんどん弱くなっていくということです。
そうなると、次第に本能がその人を支配するようになり、攻撃性・自己防衛欲求や性的欲求が高まります。
攻撃性・自己防衛欲求が高まる例では、泣き上戸・笑い上戸・怒り上戸 など。そして性的欲求が高まる例では、まさにビール・ゴーグル効果の「シラフでは全く魅力を感じない異性が、とても魅力的に思えてしまう」などを挙げることができます。
また、人は「左右対称の顔を美しい」と感じるそうですが、この「相手の顔が左右対称であるかを認識する」作業も、大脳新皮質が担当しています。そのためアルコールを摂取すると、相手が魅力的な異性かどうかを判断する力も鈍ってしまうんです。
ビール・ゴーグル効果の度合いを表した数式
さて、
『アルコールは脳の理性をつかさどる部分を麻痺させてしまう。そのためアルコールを摂取すると、普段は理性によって抑えられている本能(性的欲求)が暴れ出し、異性が通常よりも魅力的に見えてしまう』
という内容を、上章でご紹介しました。
ところで、「アルコールによって異性が魅力的に見えてしまうって言われても、いまいちピンとこないんだよなぁ〜」という人もいるかと思います。
そんな人のために、イギリスのマンチェスター大学の研究グループが算出した、「ビール・ゴーグル効果の度合いを表す数式」をご紹介します。
ビール・ゴーグル効果の度合いを表す数式
ビール・ゴーグル効果によって異性がどのぐらい魅力的に見えてしまうのか、下記の数式より求めることができます。
β = (An)^2 × d(S+1) / √L × (Vo)^2
※ 横一列のテキストだと分かりづらいので、画像にするとこのようになります。
そして、この数式における各変数の意味は、下記の通りです。
An | アルコール消費量 |
---|---|
S | 空気の汚れ(0〜10) 0:極めて綺麗〜10:極めて汚い |
L | 対象異性に対する照明の照射量(cd/m2) 通常の室内照明は150 |
Vo | 視力(スネレン視力) |
D | 対象異性との距離(m) (0.5〜3m) |
β | ビール・ゴーグル効果の度合い |
一見すると複雑なように思える数式ですが、内容は意外に単純なんです。
数式の内容を分かりやすく言葉に直すとこうなります。
アルコールで異性が魅力的に見えてしまう度合いは、
- アルコールの消費量を増やすと、グンと大きくなり、
- 対象となる異性との距離が遠いほど、大きくなり、
- 空気が汚いほど、大きくなり、
- 薄暗くなるほど、多少大きくなり、
- 目が悪いほど、グンと大きくなる。
「ビール・ゴーグル効果の度合い(β)」の指標
さて、上の数式に当てはめて計算をすると、"通常の視力を持つ人が、ビールを5パイント(約2.8リットル)飲んだ後、薄汚れた部屋で1.5mの距離から異性を見た" 場合、β=55となるんだそうです。
では、「このβって一体何なの?」という点については、下記の表を参考にしてください。
βの値 | 異性の見え方 | 効果の度合い |
---|---|---|
1未満 | ブサイク | 効果なし |
1〜50 | 並 | 効果あり |
50〜100 | 魅力的 | とても効果あり |
100以上 | スーパーモデル級 | 著しい効果あり |
上の数式を見ると、β(ビール・ゴーグル効果の度合い)が大きくなりやすいのが、「アルコール摂取量(An)」と「目の悪さ(Vo)」です。
目の悪さは変えようがないため、やはり気をつけるべきはアルコール摂取量だということになります。
「アルコールを摂取しすぎると、ブサイクな異性でもスーパーモデル級に見えてしまい、過ちを犯しやすい」ということですね。これは肝に銘じておきましょう!
アルコールの失敗:酒は飲んでも飲まれるなについて
昔から、アルコールが持つ「理性を麻痺させる力」によって、人生を大きく狂わされてしまった者は少なくありません。
その結果、「酒は飲んでも飲まれるな」と言う有名な教訓が生まれ、後世に語り継がれてきました。
たとえ酔いつぶれるまで飲まなくとも、アルコールによって理性が麻痺し正常な判断ができなくなることは、まさに「酒に飲まれた」状態。コンパや合コンに参加する際は、充分に注意したいですね!^^
また、"意中の相手を落とす手段"として良く使われるアルコールですが、一夜明けて酔いが覚めた後、猛烈な不安・後悔に苛まされることも・・・。
理性がとんだ状態で新しい恋を進めるのは、自分も相手も傷つけてしまいがち。できることならば避けた方が無難です。
ビールゴーグル効果は、そうした "お酒の失敗" に対して「数式で」警告を鳴らしてくれているような気がします。 (数式は、問答無用の説得力があります^^)
この記事のまとめ
ビール・ゴーグル効果で異性が魅力的に見える!?お酒(アルコール)で失敗する理由- ビール・ゴーグル効果とは?
ビール(アルコール)を摂取すると、あたかもゴーグルを顔に装着している時のように、異性が通常の何倍も魅力的に見える現象です。 - ビール・ゴーグル効果のメカニズム
アルコールは脳の理性をつかさどる部分(大脳新皮質)を麻痺させてしまいます。そのためアルコールを摂取すると、普段は理性によって抑えられている本能(性的欲求)が暴れ出し、異性が通常よりも魅力的に見えてしまいます。 - ビール・ゴーグル効果の度合いを表した数式
「アルコールを少量でも摂取すると、異性が魅力的に見える効果はグンと強くなる。」「アルコールを摂取しすぎると、ブサイクな異性でもスーパーモデル級に見えてしまう。」ということを、数式が教えてくれています。過ちを犯さないよう、ぜひ気をつけましょう。
アルコールと正しく付き合っていくための、お役に立てましたら幸いです^^