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ホラー映画・怖い話しが好きな人の心理状態4つ

ホラー映画・怖い話しが好きな人の心理状態4つ

ホラー映画・怖い話しが好きな人の心理状態4つをご紹介します。

時に寒気すらも覚える怖い話やホラー映画。人は何故、怖い話やホラー映画を好きになってしまうのでしょうか??

そもそも人類には、恐怖を退け 快楽を追求しようとする本能が備わっています。そのため「怖い」と分かりきっているホラー映画や怪談話を求めることは、非常におかしな行為だと言わざるを得ません。

しかし ホラー映画や怪談話の類は、常に一定の人気を集めています。

キャ〜!と絶叫し 心臓はバクバク脈打ちながらも、夏の夜に怪談話で盛り上がったという経験は、誰しもが一度ぐらいは身に覚えがあるのではないでしょうか^^

ここでは、そうした「怖い話・ホラー映画を好きになる 人の摩訶不思議な心理」を説明した 4つの仮説をご紹介します。

ホラー映画・怖い話しが好きな人の心理状態4つ

1.作られた恐怖は快感になる、という説

人体で感情を司る器官といえば もちろん「脳」。そして 脳内の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる部位は、感情の中でも 特に「恐怖」「快感」と密接な関わりがあると言われています。

予期せぬ大事故や 得体の知れないポルターガイスト現象(=心霊現象)などに見舞われた際は、この側坐核が刺激され、人はパニック状態に陥ります。

ところが、怖い話やホラー映画というのは、「怖いものがやってくるぞ」しかも「怖いけれど、別に身に危険が迫るわけではないぞ」とある程度予想がつく、言わば「人工的に作られた恐怖」です。

作られた恐怖とは言え 側坐核が刺激されるのは同様なのですが、その場合 脳内で理性を司る「前頭葉前部皮質」と呼ばれる部位が、「これは本当の恐怖ではない」と パニック状態に陥る前にブレーキを掛けます。

すると、刺激されて恐怖を感じていた側坐核は、なんと快感を覚えるようになるそうです。(※ 上でご紹介したように、恐怖と快感という感情は 両方とも側坐核が担当しているため。)

「恐怖を感じた後に 快感がやって来るため、怖い 怖いと言いながらも ホラー映画や怪談話が止められなくなる」ということなんですね。。。

2.物語の結末が見えない内の恐怖は快感になる、という説

「物語の結末が見えない内の恐怖は 快感になる」という仮説を提唱している研究者もいます。

例えば ドラマ・小説・漫画などにおいて、何らの事件も発生しない単調なストーリーというのは、退屈ですぐに飽き飽きしてしまいます。

主人公が大きな壁にぶち当たり、それを苦労して乗り越えるストーリーだからこそ 作品全体に面白味が出るわけなのですが、これがホラー映画や怪談話にも当てはまるというのです。

すなわち、ホラー映画中に出てくる様々な恐怖を覚えるシーンは、ドラマで言うところの「作品を盛り上げる大きな壁」に相当し、この展開がどのような結末を迎えるのだろうか? と観る者に期待感を抱かせ、それが快感に繋がっているそうです。

そしてドラマや小説などでは、ストーリー中に大きな壁が立ちふさがったとしても 最終的にはハッピーエンドとなる場合が多く、視聴中の期待感も相成って、最後に大きく幸せ(=喜び)を感じることがほとんど。

しかしホラー映画や怪談話の場合は、ストーリー中に散々 期待感(=恐怖)を抱かせながらも 最終的にバッドエンドで終わる場合が多く、作品の視聴後にも 脳内に恐怖の感情が残りやすいのだそうです。

ホラー映画中のワンシーンを思い出してしまい、夜に一人でトイレに行けなくなってしまう理由は、もしかしたらここに有るのかも知れませんね。。。

3.最も恐怖を感じる瞬間こそ最も快感、という説

上でご紹介した2つの仮説は、長期に渡って脳科学界の定説となってきました。

そしてこれらの学説は、「人の脳は肯定的な感情と否定的な感情を、同時に感じることはできない」という前提に基づく内容です。

しかし昨今、「肯定的・否定的という相反する2つの感情を、人の脳は同時に感じることができる」という新たな主張が 注目を集めています。

米カリフォルニア大学バークレー校と米フロリダ大学の共同研究によれば、上で挙げた「物語の結末が見えない恐怖」が快感を呼んでいるのではなく、「最も恐怖の瞬間」こそが「最も快感を覚える瞬間」とのことです。

すなわち、恐怖した分だけ快感も大きくなり、その快感を再度味わおうと ホラー映画や怪談話にのめり込んでしまうのだとか。。。

なお、これは本記事の1つめの仮説に似ているようですが、1つめの仮説は「恐怖を感じた後に 快感がやって来る」とし、こちらの仮説は「恐怖と快感を同時に感じる」としている点が 大きく異なります。

研究チームによれば、「エクストリーム・スポーツ(=X Games など)をプレイして楽しむ人々の心理が、この仮説では上手く説明できる」とのこと。

4.自分が生きていることを実感(再確認)するため、という説

犯罪心理学のキャサリン・ラムスレンド博士によれば、暴力的な作品・ホラー作品を好む人々は、そうした作品を通じて 自分が生きていることを再確認しているそうです。

ホラー作品を観ることで生と死に対する不安を感じ、そこから自分自身の「生」を実感(再確認)しているのだとか。

おまけ:ホラー映画や怖い話で、芸術的な感性が高まるかも?!

最後におまけとして、ホラー映画や怖い話に関する、一風変わった研究データをご紹介します。

米ニューオリンズ大学の研究チームは、なんとホラー映画を観ることによって芸術的な感性が高まると報告しています。

「心理状態が芸術作品の鑑賞に与える影響」について実験を行い、その結果「人は幸せを感じている時よりも 恐怖を感じている時の方が、芸術作品の崇高で高貴な側面をより多く補足する」ということが明らかになったそうです。

この研究結果は、「芸術作品の深い内容を理解するためには 日常的な感覚から抜け出す必要があるが、ホラー映画の鑑賞によって生じた恐怖が そこに一役買ったのではないか」と分析されています。

この記事のまとめ

ホラー映画・怖い話しが好きな人の心理状態4つ
  • 1.作られた恐怖は快感になる、という説
  • 2.物語の結末が見えない内の恐怖は快感になる、という説
  • 3.最も恐怖を感じる瞬間こそ最も快感、という説
  • 4.自分が生きていることを実感(再確認)するため、という説
  • おまけ.ホラー映画や怖い話で、芸術的な感性が高まるかも?!

怖い話・ホラー映画を好きになる理由として考えられている、4つの心理状態をご紹介してみました。

これからの季節、肝試しや怪談話などで盛り上がる機会が増えるかと思いますが、そんな時にふと「あれ? なんで私は 自分から恐怖を求めているんだろう??」と考えてみると、面白いかもしれません♪

何らかのお役に立てましたら幸いです^^