【ヒプノセラピー体験談no.1】心のトゲ抜きでインナーチャイルドを癒す
ヒプノセラピー(退行催眠療法)について、筆者の体験談をご紹介します。
皆さんは「スピリチュアル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
スピリチュアルとは、魂・霊性・神などの目には見えない精神世界のことです。(※ 解釈により多少ニュアンスが異なります。)
近年は 空前のスピリチュアルブーム。一昔前に比べ多くの人々が、こういった精神世界について関心を持つようになってきています。
私自身、以前は「前世などあるわけない!」と懐疑的でしたが、現在はスピリチュアル系YouTuber(斎藤ひとりさん、ハッピーさん、江原啓之さん、並木良和さん 等)を通して、精神世界を普段からよく意識するようになりました。
「肉体が老いてなくなったとしても、私の中の変わらない本質」とは一体何なのか。そういった疑問を抱くようになりました。
本稿では、私が実際に 子育てをしながら直面した課題(悩み)と、それらを克服するきっかけとなったヒプノセラピー体験について、率直に記していきます。(※ 連載予定)
ヒプノセラピーとは?
ヒプノセラピー(催眠療法)とは、催眠を用いて 潜在意識に働きかけ、自分自身と会話する心理療法のことです。
潜在意識とは、無意識・無自覚に作用している思考パターンのこと。これとは反対に、意識的な思考を「顕在意識」と言います。
驚くことに、思考の約95%は無自覚な潜在意識によるもの。意識的な思考(顕在意識)は 僅か5%に過ぎません。
ほとんどの人が、「自らの人生は 意識的に選択してきた結果だ」と考えていることでしょう。しかし実際には、潜在意識の影響を大きく受けているのです。
ヒプノセラピーの目的
ヒプノセラピーでは、普段意識することの無い「潜在意識」にアクセスすることで、自らの思考パターンを客観的に捉えていきます。
現代人が抱える多くの悩みや課題を根本治癒することが目的です。
言い換えるならば「心のトゲ抜き」。
幼少期に(もしくは前世で)心に植え付けてしまった「思い込み・執着・恐れ」を取り除き、元来すべての人に内在している「輝き・安らぎ・豊かさ・究極的な愛」に気づくことで、肯定的思考に転換させていきます。
ヒプノセラピーを通して体感する「本来の私は、光と愛の存在である」という確信が、人生を根本的に転換するチャンスとなることは間違いありません。
なぜヒプノセラピーを受けようと思ったのか
そもそも なぜヒプノセラピーを受けようと思ったのか、についてご説明します。
私は国際結婚をし、3児の母となりました。現在は夫の母国で暮らしており、母親歴9年目。
日本で暮らす両親とは、チャットや電話で連絡を取り合っています。特に仲が悪いわけではありません。
しかし、いつも心の中では両親との関係に、わだかまりを感じて過ごしてきました。
幼少期に植え付けられた、ゆがんだ価値観
私の幼少期の家庭環境について 少しお話します。
まず、身体的な虐待を受けたとか、経済的に困難だったというわけではありません。
ただし両親からの暴言や(親の)信仰の強要といった心理的な圧迫を受けて育ってきました。
日本人の親にはよくあるパターンだと思いますが、私の両親は、常に他人の目を気にする人生を送ってきました。
子供(並びに、自分たちの家庭)は、こうあるべき、こうでなければならない、という価値観を強く持っていたと言えます。
私が 自分の両親や家庭環境について「普通ではなく異常だ」と気づきはじめたのは 成人してから。
特に、結婚・出産・育児を通して 幼少期の親子関係を頻繁に思い出すようになり「親には本当はああしてほしかった」「こうしてほしかった」「どうしてあんな親だったんだろう」と思うようになりました。
昔の記憶が蘇るたび、私は目の前にいる幼い我が子に対して、イライラと怒鳴り散らすヒステリックママになっていったのです…。
悪循環を断ち切りたい
「子供にあたってしまう未熟な自分」を自覚すると、今度は「良いママになりたい」と強く思うようになりました。
どれだけ多くの育児関連書籍・映像を通して「良い父母になるための教育」を受けてきたか分かりません。
しかし、どんなに外的なテクニックを学んでも、いつも三日坊主。
本屋に行けば目新しい育児本ばかりが目に入り、さらに頭は混乱していきました。
次第に、私の苛立ちや恐怖心を生む「何か」が心の根底にあるのではないか、と思うように…。
その無意識なネガティブ思考を改善しないと、我が子とも 自分と両親のような親子関係を構築してまうのではないか…と考えました。
そして「悪循環を私の代で断ち切りたい!」と、心から思ったのです。そこで興味を持ったのがヒプノセラピーでした。
もしこのセラピーで、自分の幼少期に築いた「親子関係における負のイメージ」を解消することが出来るならば、ぜひ試してみたい!
私は思い切って、5セッション分を申し込んでみることにしました。
ヒプノセラピーを受ける
私が受けたヒプノセラピーは、床に寝た状態で進行していきました。
10分~15分が経過し催眠状態に入ると、目の前には見たこともない情景が広がっていきます。
崖っぷちに立っていた私
まず 感じた世界は、暗闇の中で 一人崖っぷちに立っている自分自身でした。
「暗闇の中で 崖っぷちに立っているのが怖い」とセラピストさんに伝えると、「誰か一緒にいたい人といられるよ」と声を掛けられました。
私は「夫に一緒にいてほしい」と念じました。するとすぐに、夫が現れました。
何も言わず 私の横にただ立ってくれている夫。
ヒプノセラピーで体験する感覚は、とても不思議なものでした。
目をつぶっていても情景が目の前に広がり、言葉を発しなくとも、私や相手が何を考えているのかが分かるのです。
そのうちに、自然と涙が込み上げてきました。
ヒプノセラピーは、セラピストさんの質問に対し、感じたことや 見た情景を言語化しながら進行していきます。
セラピストさんから「涙のワケ」を尋ねらると、「夫は、ありのままの私を受け入れてくれる人」という答えが、心の中に浮かびました。
私は、そのまま言葉にしました。
「私の夫は、出会った頃から現在に至るまで、私が何かをできてもできなくても、行動の結果ではなく、私という存在自体を愛し受け入れてくれる人です」と。
夫の深い愛情を潜在意識の中でも感じていたのでしょう。感謝の涙が溢れ出します。
しかし私は「でも…夫が与えてくれる愛情や安心できる夫婦関係は、私自身が持つ本来の価値に気づき、自分がいかに尊い存在であるかを目覚めさせてくれる プロセスに過ぎません」と、はっきりセラピストさんに告げていました。
中世時代の貴族の女性
数か月前、とあるYouTube動画を観ながら「前世を見る」チャレンジを 一人で行ったことがありました。
動画の誘導に従って「今の私が解くべき課題に関係のある前世を見せてください」と念じます。
しばらくボーっとしていると、頭の後ろからまるで映写機で映し出されたような中世の貴族(=若い女性)が出てきました。美しいドレスを身にまとった 上品なレディといった様相。
しかし彼女は、心苦しい表情でトボトボと街路樹を歩いています。
私は心の中で、なぜ悲しい顔をしているのか尋ねてみました。
すると「両親がとても厳格で、私が本当にやりたいことを妨害する。私は貴族の生活を送るよりも、貧しい人々のために 奉仕して生きていきたい」という答えが返ってきました。
不思議なことに、数か月前に出てきたその若い女性が、ヒプノセラピーでも私の目の前に現れたのです。
その女性は、家父長的で厳格そうな父親を必死で説得していました。
涙を流しながら「自由な人生を生きたい」と訴える女性。彼女を眺めながら ふと気づいたことがありました。
表情一つ変えず、娘の言葉に耳を貸そうとしない 厳格な父親と母親。
・・・彼らは ただの肖像画だったのです!
私はセラピストさんに、はっきりとした口調でその情景を伝えました。
「この無表情な親はただの絵でした。私はこの絵が怖かったんですね。怖いものなんて何も無いのに。。ただの絵、すべて私の勘違い。必死で親を説得しようとしていたし、怖がっていたんです…私、もう怖くないです」と。
そう言葉にすると、かつて「恐怖の対象だった絵」は、空に昇っていき見えなくなりました。
無表情な幼少期の自分
次の場面に誘導され、そこに現れたのは「10歳頃の幼い私自身」でした。
遠視の分厚い矯正眼鏡をかけ、外見に対するコンプレックスが多かった幼少期。転校が多かったため、親しい友人を作ることも苦手でした。
いつも自信がなかったことが思い出されます。
共働きで多忙な両親には 寂しさや不安を口にすることはなく、いつも「模範的なしっかり者」「優等生の娘」を演じていました。
目の前にいるのは、そんな幼少期の自分です。幼い私は、何も言わずに無表情で一人うずくまっていました。
セラピストさんにその様子を伝えると「何をしてあげたいか」を尋ねられました。
「この子をただ抱きしめてあげたい」そう言いながら我が子を抱くように抱いてあげると、その子はボロボロと涙を流して泣き始めました。
「あ~、やっと泣けた…。私は本当はとても寂しかったんだ、いつも不安だったんだ。親にはただ何も言わずに こうやって私を抱きしめてもらいたかった、私の話を聞いてもらいたかった。」
そうつぶやきながら、私は大粒の涙をダラダラと流していました。
ある程度 泣き終えた その子は、私の懐からすっといなくなり空に昇っていきました。
その情景を見守りながら、子共達が涙を流す度に イライラしていた自分自身に気づきました。
きっと私の心の根底には「私は泣きたくても泣けないで良い子でいたのに! あなた達は泣きたい時に思い切り泣いて、抱いてくれるパパやママがいてズルい!」。
そんな幼稚で未熟な自分がいたのでしょう。
セッション中にも関わらず、「子供達に本当に申し訳ない、謝罪しなくては」という思いでいっぱいになりました。
思い返せば、これが「インナーチャイルドを癒す」というプロセスだったのかもしれません。
幼い私が空に昇っていくと…
「これが大人になるってことなんですね、私やっと大人になれました!」と、はっきり言葉で告げていました。
※ インナーチャイルドとは、子どもの頃に傷ついた心のこと。
海の見える高台に住む白髪の女性
次に誘導された「私が行きたい場所」では、美しい海が見える高台に 女性の姿が見えてきました。
くっきりとした目鼻立ちが美しい 60〜70代くらいのご婦人のようです。派手な(=ハワイのムームーのような柄)ワンピースを着て、白くて長い髪を海風になびかせています。
「その女性は何をしていて、どんな暮らしをしているのか」をセラピストさんから尋ねれられると、その女性の生活が見えてきました。
「シンプルだけど住みやすく、エネルギーの溢れる一軒家に一人で住んでいて、朝になるとキッチンでコーヒーを飲みながら、喜びの中で一日をスタートしている。」
「毎日たくさんの若者が 彼女に会いに訪れ、彼女は彼らに 人生の指針となる言葉を話してあげている。」
「魔女かな? 占い師かな? それとも霊能者なのかな? ともかく一人でいても寂しくはなく、孤高かつ素敵な女性です。」
私はその女性のことをそう説明しました。
その女性が私の先祖なのか(母の若い頃の姿に似ていたので)、未来の自分なのか。
もしくは前世の姿や守護霊なのか、その正体は分かりません。
ただ、こんな素敵な女性になって歳を重ねていけたら どんなに幸福だろうか…という思いになったのは確かです。
私と女性の関係性については、残る4回のセッションで明らかになっていくことを期待しています。
最後に、私は光を放つ大きな花になった
最後に見えてきた情景は、とても恍惚なものでした。
私は人間の姿でなく、大木に咲く白い大輪の花となり 発光していたのです。
例えるなら「モクレンの花」。
セッション中、私は床に敷かれた布団の上に仰向けになっていたのですが、この情景の時は 初めて視覚だけでなく触覚も感じられました。
「大木に繋がっている背中がビリビリとして、このエネルギーで私は生かされ大輪の花として咲いているんだ」ということが伝わってくるのです。
私は価値ある存在なんだ、という確信
スピリチュアル系動画や書籍では何度も耳にしてきた「ワンネス、全ては一つ、私は神であり共同創造主」というフレーズが、実感として湧いてきました。
「ここからもう分離されたくない。私の故郷はここなんだ、私の本質はこんなにも平安で、癒しと愛、それ自体だったんだ。」
「何も恐れることはない。全ては私が自分で創り出していた幻想。もう大丈夫、もう大丈夫、私はやっとここに戻れたから大丈夫。」
物凄い体験でした…。
私の価値は「宇宙、それ自体」。すべての存在に優劣はなく、ただそこに存在しているだけで良かったのです。
私は「この世の源、宇宙、神と呼ぶべき存在を構成する一部であり、光と豊かさと無条件の愛の存在」でした。
言葉では表現できない深い思いが、心から湧いてきます。
私はこの地上生活を送りながら、その尊い価値を忘れて、もしくは既存の宗教や世間からの教えによって「自分は価値のない存在だ」と思い込まされていたのかもしれません。
誰かによって創り出された仮想の恐れや不安、前世代から受け継いだ間違った観念や低い自己評価など。
それらが私の人生を難しく複雑にしてきた要因だった、と心底 理解しました。
体感することの大切さ
どれだけ多くの書籍や講演で学んだとしても、自ら体感しなければ 真の意味で「人間=スピリチュアルな存在」であることを自覚するのは難しいでしょう。
私は何度も深呼吸をしていました。
涙も流しましたが、それは安堵のような解放の涙です。顕在意識では体験したことのないほどの深い深呼吸でした。
その感覚は本当に不思議なもの…。
そんな夢のような中でも「これが催眠療法か~、潜在意識ってすごいな~、本当にあるんだ~」と、妙に冷静な自分もいました(笑)
ヒプノセラピー体験後の変化(効果)
約1時間半の初セッションは 無事終了。
目を開けた後も、1~2時間は夢を見ているかのように、なんだかボ〜っととしながら帰途につきました。
家に戻ると、私はまず 両親と撮った過去の写真を見てみたくなりました。
今までは、両親の写真を(特に若い頃)見ると心が痛くなり、遠ざけていたからです。
ところが不思議なことに、その日は写真を見ても 全く心の揺れを感じません。そこにあるのは、ただの写真であり絵でした。
さらに大きな変化は、子供達に対する私の心境と行動です。
今までの私は、どんなに多くの子育てノウハウを学んでも、心のどこかでイライラ…。焦燥感や恐れが動機となり、子供達を怒鳴っていました。
それが不思議な事に、ヒプノセラピー後はイライラがなくなったんです。
まるで大きなトゲを抜かれたように!
私の変化に一番びっくりしたのは長女(8歳)でした。
感受性が豊かで敏感な性格の長女は、私がイライラする口調や態度をそのまま真似て、弟妹たちを叱ることが多々ありました。
その長女が私の変化に気づき「ママ、最近全然私たちのこと怒らないね。どうしたの?」と聞いてきました。
少し照れくさかったので「ママは魔法をかけてもらったの。子供の頃のママを沢山慰めてあげて愛してあげたから、もうイライラのトゲがなくなって、愛情たっぷりのママになれたの」と返答(笑)
これは 私にとって本当に大きな変化でした。
- 他の誰でもない、まずは自分自身を許すこと
- 自分の尊い価値を受け入れること・気づくこと
- 本来の居場所に戻ること
これがどれほど大切なことであり、幸福への道なのかを日々実感しているところです。
この記事のまとめ
【ヒプノセラピー体験談no.1】心のトゲ抜きでインナーチャイルドを癒す次回もまたヒプノセラピーで体験したことをお伝えできればと思います。
回を重ねる毎にきっと自分の本来の姿、宝石のような自分の本質に戻っていくことができると期待しています。
お楽しみに^^