薬の服用で気をつけるべきこと5つ(食べ合わせ、副作用、使用期限)
更新日:薬の服用で気をつけるべきこと5つ(食べ合わせ、副作用、使用期限)をご紹介します。
市販の風邪薬などはドラッグストアでお手軽に購入できるため、とっても便利。
その一方で、病院で処方箋をもらう時とは異なり、医者や薬剤師から「薬の正しい飲み方」を教えてもらえたりはしません。
薬は服用方法に気をつけないと「副作用」が発生し、むしろ健康へ害をもたらす可能性があるんです…。
グレープフルーツと薬(抗ヒスタミン剤)を一緒に飲まない
「グレープフルーツと薬を一緒に飲んではいけない」。
これは、一時期メディアにも取り上げられたほど有名なお話です。
- 抗ヒスタミン薬
(風邪薬・アレルギー治療薬・睡眠薬・車の酔い止め など) - カルシウム拮抗剤
(高血圧・狭心症の治療薬 など)
これらの薬をグレープフルーツと一緒に飲んだ場合、効き過ぎたり 逆に効き目が弱くなってしまい、深刻な副作用を引き起こす可能性がある と指摘されています。
そして、こうした人体への悪影響は、グレープフルーツだけではなくオレンジにも。また、果実だけではなくジュースにも存在します。
※ 「現在市販されている風邪薬の中にグレープフルーツと反応するものは無い」と主張する研究者もいますが、避けた方が無難なのは間違いありません。
なお、グレープフルーツが薬へ影響を及ぼす期間については、「グレープフルーツを摂ってから2〜3日経過した後でも影響があった」とする報告もあります。
カフェイン飲料と風邪薬を一緒に飲まない
風邪薬とカフェイン飲料(コーヒー・紅茶・緑茶 など)を一緒に飲んではいけません。
その理由は、以下の2点です。
カフェインの過剰摂取になりかねないため
風邪薬の中には、成分中に すでにカフェインを含んでいるものがあります。
これは
- カフェインの覚醒作用によって「風邪薬の眠くなる症状」を打ち消す。
- カフェインの作用によって脳内の血管を収縮させ、頭痛を取り除く。
ことが目的。
「カフェイン添加の風邪薬」と「カフェイン飲料」を一緒に飲むと、カフェインの過剰摂取となり 不眠・めまい・胸焼け・動悸 などの副作用を発症する恐れがあります。
薬の有効成分とカフェインが競合するため
風邪薬の中には頭痛薬(鎮痛剤)に似た成分を含むものがあり、これはカフェインの覚醒作用と競合するため、相性が悪いとされています。
牛乳と抗生物質(抗菌薬)を一緒に飲まない
抗生物質(抗菌薬)とは、体内に侵入した細菌を退治する成分のこと。
抗生物質はいくつかの種類に分かれており、風邪を含む様々な病気の治療に活用されています。
ところで、抗生物質の中でも「テトラサイクリン系」「ニューキノロン系」の抗生物質は、牛乳と一緒に飲んではいけません。
「テトラサイクリン系」「ニューキノロン系」の抗生物質は、牛乳中のカルシウムと結合することで、効果が著しく低下すると言われています。
なお、テトラサイクリン系の抗生物質としては「ミノマイシン」、ニューキノロン系の抗生物質としては「クラビット」「シプロフロキサシン」などの薬が有名です。
4.抗生物質は、中断せず最後まで飲みきる
通常の風邪薬ならば、風邪の症状が収まったら薬の服用を中断しても問題ありません。
しかし、抗生物質の中断は絶対にNG。一度飲み始めた抗生物質は、必ず決められた用量を最後まで飲みきる必要があります。
外見からは病気の症状が収まったかのように思えても、まだ体内では菌が死んでおらず、生き残っている場合も…。
そんな状態で抗生物質の服用を中断すると、体内で生き残った菌が 抗生物質への耐性を持つ怖ろしい菌へ進化してしまう可能性があるんです。
※ 近年「抗生物質への耐性菌(=抗生物質が効かない菌)」が脅威となっていますが、その発生原因は「抗生物質の服用を中途半端にやめてしまう人」が大きな理由だと言われています。
5.使用期限前でも、古い薬は極力使わない
食品に賞味期限・消費期限が設定されているように、薬にも有効期限・使用期限が設定されています。
薬の有効期限とは「未開封の場合、この日時までは製薬会社が薬効を保証します」。薬の使用期限とは「未開封の場合、この日時までならば(多少薬効は落ちても)薬を使用できますよ」というもの。
錠剤(カプセル)の場合、「有効期限は3年前後。開封した場合の使用期限は12カ月前後」というのが大体の目安です。
※ ただし、高温多湿の場所や直射日光が当たるような場所で薬を保管していた場合、使用期限が遥かに短くなってしまうことに注意してください。
使用期限の切れた薬を飲むとどうなるのか?
では、使用期限の切れた薬を服用した場合どうなるのか? というと、最悪の場合 命に危険が及びます。
薬を長期放置しておくことで、薬効が落ちる程度ならばまだマシ。薬の化学成分が大きく変化してしまい、毒性を帯びる場合すらあり得るんです!
長期放置が特に危険だと言われているのが、抗生物質、胃腸薬、アスピリン(=解熱剤の一種)など。
しかし、どんな薬であっても 古い薬の使用は極力避けるようにしましょう。
この記事のまとめ
薬の服用で気をつけるべきこと5つ(食べ合わせ、副作用、使用期限)- グレープフルーツと薬(抗ヒスタミン剤)を一緒に飲まない
薬との飲み合わせによる人体への悪影響は、グレープフルーツだけではなくオレンジにも。また、果実だけではなくジュースにも存在。 - カフェイン飲料と風邪薬を一緒に飲まない
カフェインの過剰摂取 もしくは カフェインと薬効が競合する可能性があるため。 - 牛乳と抗生物質(抗菌薬)を一緒に飲まない
抗生物質の中でも「テトラサイクリン系」「ニューキノロン系」の抗生物質は、牛乳と一緒に飲むことを避ける。 - 抗生物質は、中断せず最後まで飲みきる
抗生物質を安易に中断すると、アナタの体が耐性菌の温床に…。 - 使用期限前でも、古い薬は極力使わない
長期放置した薬は、化学成分が大きく変化し 毒性を帯びる場合も。
一口に「薬」と言っても多種多様ですから、これらが全ての薬に当てはまるわけではありません。
しかし知識として知っておくことで、副作用を防止し 皆さんや皆さんの大切な人を守るのに 活用できるはずです♪
お役に立てましたら幸いです ^^)