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爪に黒い線・爪が白い・手の震えなど、爪や手で分かる病気のサイン12選

爪に黒い線・爪が白い・手の震えなど、爪や手で分かる病気のサイン12選

爪や手で分かる病気のサインをご紹介します。

爪や手は、全身の健康状態を映す鏡。なんと爪や手を観察するだけで、病気のセルフチェックを行えちゃうんです。

ここでは、イギリスの呼吸器内科医リチャード・ロッシェル博士が語った内容を元に、お手軽にできる健康診断の方法をご紹介します。

Let’s 家庭の医学♪

爪に黒い線・爪が白い・手の震えなど、爪や手で分かる病気のサイン12選

爪が青紫色になる症状

爪や唇が青紫色になる症状は、体の末端まで酸素供給が正常に行われていない危険な状態。

医学用語では「チアノーゼ」と呼ばれ、この状態でのSpO2(=別名 "サチュレーション"。血液中にどれだけ多くの酸素が運搬されているかを示す値)は、65〜85%程度にまで低下しています。

なお、SpO2の目安は下表の通りです。

SpO2(サチュレーション)の目安表
理論上の最高値100%
健常者(非喫煙者)96〜99%
ヘビースモーカー95%前後
呼吸困難93%前後
呼吸不全90%未満
チアノーゼ65〜85%

SpO2が90%未満の状態が続くと、脳や臓器に悪影響を及ぼします。

そのため、心肺機能が弱まっている入院患者などは、手足の指先にSpO2自動計測機の装着が義務付けられています。

(なお、SpO2が90%未満に低下すると、酸素マスクが必要となってきます。)

・・・つまり、健常者が日常生活の中でチアノーゼを発症することは、まずあり得ません。

青紫色の爪は深刻な呼吸器疾患のサインであり、ただちに循環器科を受診してください。

爪が白くなる症状

健常者の爪は薄いピンク色をしています。この状態で爪をギュッと押すと 一時的に爪が白くなりますが、通常ならば さほど時間が掛からず元の薄ピンク色に戻ります。

しかし、爪が薄ピンク色に戻るまでの時間が極端に長かったり、いつまで経っても白色のままだったり、そもそも押す前から爪が白い、 ・・・という人は要注意です。

爪が白くなる症状は、貧血 もしくは 糖尿病の疑いがあります。

貧血

貧血の人の爪は、どちらかと言うと「青白い」に近い色となります。

貧血の主な症状は、疲れ、集中力低下、目眩い・立ちくらみ など。

軽度の貧血ならば鉄分を多く含む食材(ex レバーなど)を摂ることで改善しますが、重度の貧血の場合は内科を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病の人の爪は白く濁ったようになり、巻き爪気味になります。

糖尿病の初期症状は疲れ・喉の渇きなどですが、悪化すると 失明・壊疽(手足が腐る)といった深刻な症状を引き起こします。

糖尿病が疑われる場合も、内科を受診してください。

慢性的な手の震え

慢性的な手の震えは、脳や神経の異常を示すサインかもしれません。

例えば、カフェインの大量摂取、腕の酷使、寒気、ストレス(緊張) などにより、一時的に手が震えることは健常者でもありえます。

しかし、そうした原因に心当たりが無く 手が震える場合には、以下4つの疾患が考えられます。

脳梗塞

突発的な手の震えが始まり、長くても10秒程度で収まります。

手の震え以外の症状としては、目眩、言語障害(ろれつが回らない)、手足に力が入らない、など。

脳梗塞が疑われる場合は、早急に脳神経外科を受診してください。

パーキンソン病

病気の進行が非常に緩やかで、いつ発症したのか自覚が無いことも多い病気です。

手足の片側から震えが始まり、症状が悪化するにつれて反対側にも震えが広がっていきます。

手足の震え以外の症状としては、手足がこわばったり、動作が緩慢になる、など。

パーキンソン病が疑われる場合は、神経内科を受診してください。

バセドウ病

手・指・足などがいきなりガタガタ震え始めるバセドウ病。

常に微熱気味で、動悸、発汗、暑がる、首が太くなる、などの症状が出ます。

バセドウ病が疑われる場合には、甲状腺科(もしくは、内分泌科)を受診してください。

アルコール依存症・ニコチン依存症

アルコール依存症やニコチン依存症を治療する専門機関を受診するのがベストです。

専門機関以外では、精神科や心療内科を受診してください。

爪の黒い縦スジ・爪のホクロ

爪に黒い縦スジが生じたり、もしくは 爪の中にホクロができたり、 ・・・などの症状は、悪性黒色腫の可能性があります。

悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)とは、別名「メラノーマ」や「ホクロの癌」とも呼ばれる、皮膚がんの一種。

仮に本当に悪性黒色腫だったならば、放置すれば命を危険に晒しかねません。

疑わしい爪の黒スジやホクロは放置せず、皮膚科を受診しましょう。

※ 悪性黒色腫の参考記事 → 怖い病気の前兆(初期症状)8つ

膨らんだ指先(ばち状指)

指先が丸く膨らんで 爪が指先を包むかのように丸く大きくなる症状は、「ばち状指」と呼ばれています。

ばち状指は慢性的な酸素不足の証拠であり、肺がんや嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)といった深刻な呼吸器疾患の疑いがあります。

ばち状指の人は、呼吸器内科(もしくは 循環器科)を受診しましょう。

手掌紅斑(紅斑で赤くなった手の平)

親指の付け根(=膨らんでいる部分)や小指の付け根などが 斑状に赤くなる症状は「手掌紅斑」と呼ばれています。

手掌紅斑(しゅしょうこうはん)の赤さの原因は、手の血管が拡張したことによるもの。

そして、手掌紅斑は肝臓疾患(ex 脂肪肝、肝硬変 など)を表すサインだと言われています。

肝臓疾患の検査は、消化器内科(もしくは、内科)を受診してください。

ソーセージのように膨らんだ指

指が膨らんでソーセージのようになっている症状は、塩分(ナトリウム)の摂り過ぎかも知れません。

塩分の過剰摂取は 高血圧・腎臓疾患・心血管疾患 などを引き起こす可能性があります。

この症状が出ている人は、さっそく今日から食生活を改善しましょう。

なお、女性が月経前症候群を発症している場合も、指が膨らむことがあります。

手の平に多量の汗

暑かったり運動したわけでは無いにもかかわらず、手の平に汗を多くかく症状。

これは、甲状腺に何らかの病気を抱えているサインかもしれません。(上でご紹介したバセドウ病も、甲状腺疾患の一種です。)

甲状腺疾患の検査は、甲状腺科(もしくは、内分泌科)を受診してください。

指が開かない/開きにくい

指が開きにくくなる症状は「デュピュイトラン拘縮」の可能性があります。

デュピュイトラン拘縮(デュピュイトランこうしゅく)とは、手の平の繊維が硬直し変形してしまう病気です。

薬指・小指が特に伸ばしにくくなり、手の器用さが失われます。

また、デュピュイトラン拘縮は アルコールを常飲していたり、糖尿病を患っている男性が発症しやすいと言われています。

基本的には手術で治療しますが、病気が進行するほど手術の難易度も上がり、手術後のリハビリにも時間が掛かります。

デュピュイトラン拘縮が疑われる場合には、速やかに整形外科を受診してください。

黄ばんだ爪

爪が黄色く汚れて見えるような症状は、いくつかの原因が考えられます。

例えば、紫外線や乾燥のせいであったり、マニキュアの色素沈殿、etc...。

ところで、爪がカビに感染している場合にも、爪が黄ばむことがあります。

糖尿病を患っていると爪がカビに感染することが多いため、心配な人は内科を受診しましょう。

指の関節部分が膨らんでいる

指の関節部分が膨らんでいる症状は、血中コレステロール値が高い証拠です。

この場合、特に「家族性高コレステロール血症(FH)」と呼ばれる病気を疑いましょう。

FHは非常に見逃されやすい病気として有名であり、遺伝性があります。

例えば、「肥満」「コレステロール」「動脈硬化」に密接な関連があるというのは、よく知られているところです。

しかしFH患者は、運動する習慣のある痩せ型体型の人であっても、動脈硬化を発症します。

(※ アスリートの中にも、FHによる動脈硬化 → 心臓麻痺 でお亡くなりになった方がいます。)

心配な人は、循環器内科や心血管外科を受診してください。

爪に白い横線

爪に出る白い横線や波状の模様は、体調不良のサイン。これには様々な原因が考えられます。

例えば、ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ などによっても、爪に横線が入ることがあります。

しかし爪の横線が、より重篤な感染症、糖尿病、癌の前兆である可能性も否定できません。

(※ 一般的には、横線の溝が深いほど症状が深刻であると言われています。)

また、特定の指にのみ "爪の横線" が現れた場合、より明確に病気の種類が判別できるとされています。

指別、爪の横線による病気サイン
親指ストレス
(精神・肉体の酷使)
人差し指皮膚疾患
(皮膚炎、湿疹 など)
中指排泄器官の疾患
(尿酸が溜まっている など)
薬指目、喉、呼吸器の疾患
小指神経疾患

爪に不審な横線を見つけた場合は、医療機関の相談窓口に問合せてみましょう。

この記事のまとめ

爪に黒い線・爪が白い・手の震えなど、爪や手で分かる病気のサイン12選
  1. 爪が青紫色になる症状
    深刻な呼吸器疾患の可能性があります。
  2. 爪が白くなる症状
    爪が青白いと貧血、白く濁っていると糖尿病の可能性があります。
  3. 慢性的な手の震え
    脳梗塞、パーキンソン病、バセドウ病、アルコール依存症/ニコチン依存症 の可能性があります。
  4. 爪の黒い縦スジ・爪のホクロ
    悪性黒色腫(皮膚がんの一種)の可能性があります。
  5. 膨らんだ指先(ばち状指)
    肺がんなどの深刻な呼吸器疾患の可能性があります。
  6. 手掌紅斑(紅斑で赤くなった手の平)
    肝臓疾患の可能性があります。
  7. ソーセージのように膨らんだ指
    塩分の摂り過ぎ または 月経前症候群の可能性があります。
  8. 手の平に多量の汗
    甲状腺疾患の可能性があります。
  9. 指が開かない/開きにくい
    デュピュイトラン拘縮の可能性があります。
  10. 黄ばんだ爪
    糖尿病の可能性があります。
  11. 指の関節部分が膨らんでいる
    家族性高コレステロール血症(FH)の可能性があります。
  12. 爪に白い横線
    糖尿病、癌、神経、呼吸器など、様々な疾患の可能性があります。

手・爪だけで分かる病気の診断チェック12項目をご紹介しました。

ぜひ、病気の早期発見にご活用ください♪

お役に立てましたら幸いです^^