昼寝の効果と最適な睡眠時間について【15分・30分・90分】
昼寝は疲労回復やストレス解消に効果的。なんと「1時間の昼寝は、夜の睡眠の3時間分に相当する」とまで言われています。
そればかりではなく、なんと昼寝(仮眠)には、「記憶力・集中力の向上」や「心臓病・アルツハイマー病のリスク軽減」といったメリットまであるんです!
そして、昼寝はただ闇雲に眠るのではなく、人体の生体リズム(バイオリズム)に沿って眠った方が、より高い効果が望めるのだとか。
ここでは、「疲労回復に最も効果的な昼寝の時間」についてご紹介します。
睡眠段階とは? - 昼寝(仮眠)の基礎知識
「効果的な昼寝」をご紹介する前に、まずは基礎知識となる「睡眠段階」について解説します。
傍から見ると、寝始め〜起きる直前まで 同じように眠っているように思えますが、実は睡眠中の「眠りの深さ」は一定ではありません。
眠りの深さは幾つかのレベルに分かれており、それを医学では「睡眠段階」と呼んでいます。
睡眠段階とは、熟睡度のレベル
睡眠段階は、 眠りの浅い順に
- 覚醒(起きている状態)
- レム睡眠
- ステージ1(睡眠段階1)
- ステージ2(睡眠段階2)
- ステージ3(睡眠段階3)
- ステージ4(睡眠段階4)
に分けられます。
最も浅い眠りであるレム睡眠の時に、人は夢を見るという学説が有力です。
そして、睡眠中は「レム睡眠」→「ステージ1、ステージ2、...、ステージ4」→「レム睡眠」といった具合に、浅い眠り〜深い眠りを周期的に繰り返します。
睡眠周期が90分というのは誤り
さて、このレム睡眠 〜 次のレム睡眠までの間隔を「睡眠周期」と言い、睡眠周期は100分±30~40分となっています。
古い健康情報誌などでは「睡眠周期=90分」と表記されている場合が多いようですが、睡眠周期は個人差やその日の体調などによって左右されるため、確実に毎日90分であるというわけではありません。
ここからは、効果的な昼寝の時間(= 何分間 昼寝をするのが健康に良いのか?)についてご紹介します。
15分睡眠(15分間の昼寝)
まずは、イスに座ったまま机にうつ伏せになったり、イス後部に寄りかかったりなどし、15分間だけ眠る「15分睡眠」から。
15分間の睡眠は、上でご紹介した「睡眠段階」のステージ2辺りで起きることになります。未だ脳が深い眠りに移行していない状態で覚醒するため、起きた直後から脳がキビキビ活動できるというメリットがあります。
そして、たった15分間の睡眠ではあっても、記憶力や集中力の改善、そして2〜4時間程度の眠気を防止する効果が期待できます。
なお、15分睡眠の直前には、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲むことがオススメ。
以前 【カフェインの副作用】コーヒーを飲んだ後、時間ごとに現れる7段階の症状 にてご紹介しましたが、カフェイン飲料の摂取から20〜30分後に、カフェインが脳を覚醒させます。
15分睡眠前にコーヒーを一杯飲んでおくことは、携帯電話のアラームだけではなく、体内にも化学物質の目覚ましをセットすることになるわけです^^
30分睡眠(30分間の昼寝)
朝起きてから6時間程度が経過しており、もし昼休みに30分間の余裕があるのならば「30分睡眠」を試してみましょう
30分間の昼寝は、睡眠段階のステージ2を充分に味わえることになります。そのため、30分睡眠後には頭(脳)が非常に冴えわたります!
なお、睡眠段階のステージ3以降は、脳・身体が "熟睡モード" へと突入し、寝起き後に猛烈なダルさを感じるようになってしまいます。そのため、30分間以上眠れそうな時間の余裕があっても、30分睡眠で切り上げるのがベスト。
ハーバード大学医学部のロバート・スティックゴールド博士によれば、
「30分間の昼寝でも、充分に深い眠りを得ることができる。この時間を超える昼寝は、むしろ精神的に余計疲れることになる。」
とのことです。
90分睡眠(90分間の昼寝)
最後に、究極の昼寝である「90分睡眠」をご紹介します。
(なおこの "90分" というのは、上でご紹介した「睡眠周期」を元にした時間であるため、100分±30~40分の範囲で個人差が出ることに注意してください。)
社会人が平日に90分間の昼寝をすることは、まず不可能。そして、90分間の昼寝が習慣化すると体内時計が狂いやすくなるため、頻繁に90分間の昼寝をすることはオススメできません。
しかし、何らかの理由によりストレスや疲労が溜まっていて、休日にパッとリフレッシュしたい時などは、90分間の昼寝を試してみましょう。
疲労回復もさることながら、「ただ眠るだけでも免疫力がアップする」という研究報告もあるんです。
※
なお90分間の昼寝をする際は、昼寝から目覚める時刻が 17時以前(もしくは、普段の就寝時刻から4時間以上前)となるようにします。この時刻より遅く昼寝から目覚めると、夜間の睡眠に支障が出てしまうんです。
※
もし昼寝をして体内時計が狂ってしまったと思われる場合には、オデコに朝日・夕日を浴びると体内時計をリセットできます。
この記事のまとめ
昼寝の効果と最適な睡眠時間について【15分・30分・90分】- 睡眠段階とは?
睡眠段階とは「覚醒・レム睡眠・ステージ1〜4」に分かれている眠りの深さのこと。睡眠中は「レム睡眠〜ステージ4」を繰り返すが、これを睡眠周期という。 - 15分睡眠(15分間の昼寝)
睡眠段階のステージ2辺りで起きることになり、起きた直後から脳が活発に活動できる。寝る前にカフェイン飲料を摂ることがオススメ。 - 30分睡眠(30分間の昼寝)
睡眠段階のステージ2を充分に味わうことで、脳が非常に冴えわたる。これ以上長い睡眠時間はステージ3へと突入してしまい、寝起きが悪くなるので注意。 - 90分睡眠(90分間の昼寝)
ストレスや疲労の回復に良いが、体内時計が狂いやすいため注意が必要。なお、「90分」は絶対的なものではなく、100分±30〜40分で個人差が生じる。
効果的な昼寝(仮眠)である、「15分睡眠」「30分睡眠」「90分睡眠(=睡眠周期の1サイクル睡眠)」をご紹介しました。
最も手軽な15分睡眠については、通常のオフィスならば昼休みに実践できるのではないでしょうか?
疲労やストレスが溜まっている時は、ぜひコーヒーを一杯飲んでから、15分睡眠を試してみてください♪
お役に立てましたら幸いです^^