2024パリオリンピックの選手村は「環境に優しい」2028LAオリンピックは「ほぼ何も建てない」予定⁉
2024年にはパリオリンピック、2028年にはロサンゼルスオリンピックの開催が決定している。
しかも、今までのオリンピックとは一味違った「未来型オリンピック」になりそうなのだ。
特に選手村建設では、新たな試みが伺える。パリ選手村は「環境に優しい選手村」を、ロサンゼルス選手村は…なんと「何も建てない」予定だとか。
どういう事なのか詳しくご紹介しよう。
- 目次 -
- 2024年 パリ選手村
- パリ選手村は「貧困エリア」に建設?
- 具体的なテロ対策は万全か?
- 環境に優しいパリ選手村
- 2028年ロサンゼルスオリンピック選手村
2024年 パリオリンピック選手村
写真は、2024年開催のパリオリンピック選手村のイメージ。
出典:パリ五輪組織委員会HP
選手村の起源とされた1924年パリ大会。それからちょうど100年の節目。
2024年大会の選手村は、治安がやや不安視されるパリ近郊のサン・ドニ市など三自治体にまたがり建設が予定されている。
パリ選手村は「貧困エリア」に建設?
この地区にはフランスW杯決勝の舞台スタッド・ド・フランスと、歴代フランス王家の墓(大聖堂)がある。
開催国フランスのスポーツと伝統の聖地である。ただし選手村用地の準備が今も課題とのこと。
パリで最も貧しく、移民が多いエリアでもある。
黄色ベスト運動に悩むマクロン大統領も、パリ2024開催目的の一つがサン・ドニ地区の再開発という野心を隠さない発現をしている。
具体的なテロ対策は万全か?
一方、2015年パリ同時多発テロは、上記スタッド・ド・フランスでサッカーフランス代表vsドイツ代表戦の最中に発生した。
テロとの闘いが続くフランスが、選手村の建設を通じて不安を払拭できるか。
五輪自体の存亡と意義が真剣に問われる大会となる。
環境に優しいパリ選手村
観光資源でもあるセーヌ川沿いに建設されるパリ選手村は、「川が村の真ん中を通る」選手村となる。
これは五輪史上初とのこと。
パリ選手村は低炭素で環境に優しい建物、再生可能エネルギーの100%利用、そして廃棄物ゼロ政策の実施による持続可能な開発のモデルを目指している。
競技期間中には、村全体にゼロエミッション車が走る。
パリ五輪閉幕後はオフィス街、住宅地が混在する予定だとか。
2028年 ロサンゼルスオリンピック選手村
写真は、2028年開催ロサンゼルスオリンピックの選手村予定地。
ロサンゼルスはロンドン、パリに続いて、通算3度目の開催。
1932年には五輪史上初の正式な選手村を設置。 1984年は赤字続きだった五輪を黒字に転換。
2028年にもオリンピックに新しい改革をもたらすのだろうか。
今大会、コンセプトの一つはなんと「ほぼ何も建てない」。 競技場建設コストで大騒ぎした日本としては羨ましい。
では選手村はどうするのか?
答えは「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の学生寮を利用する。」
キャンパス内にはプールやテニスコートなどもあり、約1万名の選手を迎えることができるという。 夏休みに空っぽの学生寮を利用するとは。。
ナイスなアイディアだ!
UCLAでは現在約45000名の学生が学んでいる。 そのうち11,000人の学部生がこのキャンパスの学生寮を利用。
大小10の食堂、9つのトレーニング用陸上競技施設がある。
オリンピック選手の51%、パラリンピック選手の62%が選手村でトレーニング可能となる。
開催コストが足枷となっているオリンピック招致。
こんなに施設が整っているなら、もう毎回LAで開催してはいかがだろうか?