AI(人工知能)の発展と人類の未来
AI(人工知能)が発展していくことで、人類にはどんな未来が待っているのでしょうか?
AIの進化の歴史では、AI誕生〜今日までの技術革新について触れました。
本記事では、AIの活用事例、そして 今後AIが人類へ与える影響について、ご紹介します。
理想的なAIとの共存について、ぜひ考えてみましょう。
AIの活用事例:近未来編
「AI(人工知能)」と一口に言っても、その能力は多種多様。
近い将来、AIは様々な姿で 私たちの生活を手助けしてくれるようになります。
車の自動運転
長らく「空想上の産物」であった車の自動運転は、とうとう試作機が公道を走る段階に至りました。
数年以内に、間違いなく「自動運転車」は実用化されることでしょう。
この技術に欠かせないのが、AIによる画像認識や事故予測などです。
- 道路の陥没
- 飛び出し(人、物)
- トラックの積荷が落下
- 手旗信号による交通整理
etc...。
運転とは、常に予期せぬアクシデントと隣り合わせです。
周囲の状況を正しく認識し 臨機応変に対応できるAIの出現によって、自動運転は実用化への見通しが立ちました。
また、カーナビによる目的地までの経路案内・音声案内・渋滞回避などは、すでに実用化されて久しい技術です。
このように「当たり前」となった技術の中にも、AIが組み込まれています。
病気の早期発見・新しい治療法の確立
AIの画像認識能力が向上したことで、患者の検査結果から 病名を予測・早期発見してくれる「医療用AI」の試作機が誕生しました。
人の医者が見落としていた病気をAIが発見したという報告が、実際にあがっています。
また、スーパーコンピュータとAIの組み合わせは、新薬開発の大きな助けになると言われています。
多くの遺伝子サンプルをAIに解析させ、それまで原因不明だった遺伝性疾患の原因を探ろう というプロジェクトが、進行中です。
産業用ロボットが安価に
ものづくりの現場で長らく使用されてきた「産業用ロボット」は、「決められた動きを延々と繰り返す」という機械でした。
製造する品物ごとに 全く別のロボットを開発しなくてはならず、結果として 産業用ロボットは高値にならざるをえませんでした。
しかし、最新のAIは「自らの眼で見て人の動きを模倣し、試行錯誤して学ぶ」ことが可能となっています。
現場で人の動きをAIに学習させることで、一台のAIマシンが 複数台の産業用ロボットの代わりとなるんです。
今後「ものづくり用AI」の研究がさらに進めば、「鉄の溶接」と「お刺し身の上にタンポポをのせる作業」が、一台の機械で行えるようになります。
防犯・セキュリティ
AIは、防犯・セキュリティ面においても活躍します。
パターン認識能力が向上したAIは、挙動不審な人(=これから犯罪を犯す可能性が高い)と 一般人を瞬時に見分けれるようになります。
すなわち、駅やデパートなどにおける、テロ・犯罪の防止に、AIの活用は効果的。
※ 海外で一部実用化されています。
また、指名手配されている犯人が、変装し、整形し、薬剤で指紋を塗りつぶしたとしても・・・、本人すらも気付いていない「特有の癖」をAIが識別し、見破る世の中になることでしょう。
音声認識能力・言語解析能力の向上は、電話やメールなどにおける犯罪行為(ex オレオレ詐欺など)を発見し、AIが警告を出すようになります。
※ すでに多くのメールサービスには スパムフィルターが搭載されていますが、それもAIの一種です。
万能翻訳機
AIの進化は、万能翻訳機という夢のような道具を生み出します。
母国語で喋りかければ、ほぼリアルタイムで様々な言語に翻訳され、発声してくれる小型マシン。
これは、ほぼ実用化レベルにまで至っています。
完全に実用化されれば、間違いなく、人類のコミュニケーション事情が大きく変わることでしょう。
農業・漁業への活用
AIは農業・漁業でも活躍します。
農業においては、AIが自動で 気象情報などをインターネットから取得し、適切な水の量や温度調節、収穫時期の判断を行ってくれます。
ビニールハウス農業、室内農業などの作業も、AIが全自動で代行。
高度に発達したAIは、「作物を、選別し、もいで、袋に入れる」という匠の技さえも模倣し、人に代わって作業してくれるようになります。
漁業においては、魚の体調管理や水質調整などを学習させることで、AIが養殖場の管理をしてくれるようになります。
GPS、魚群探知機、AIを組み合わせた自動運転船(=無人の漁船が沖合に出ていき、勝手に魚を捕まえて港に戻ってくる)も、開発中です。
※ すでに一部で実用化されています。
AIの可能性
上でご紹介した内容は、AIが持つ可能性のほんの一例にすぎません。
「何を目的とするか?」によって姿形を変えながら、今後AIが多くの分野で活躍していくことは、間違いないでしょう。
ニューラルネットワーク(AIの進化の歴史 参照)を搭載したAIには、人の脳のように「全く未知なるもの」を学習する能力があります。
そして、学習速度は人の数億倍の速さです。
AIが膨大なデータをよりスピーディに分析・選択して 判断を下すようになれば、 ・・・今後は多くの労働作業を "人" ではなく "AI搭載のロボット" が担うようになります。
さて、上記ような話を聴くと、「AIに職を奪われるのではないか?」と心配になる人も多いのではないでしょうか?
2013年、英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授は、「今後10~20年で47%の仕事がAIに置き換わる」と予測しています。
職場において、AIが人に取って代わるということは、ほぼ確定した未来だと言えそうです。
ところで筆者は、「AIの台頭は不幸なことではなく、むしろ人類全体が労働から解放される福音」ではないかと考えています。
現代から十数年間は、「労働に縛られていた旧時代」から「AIによるユートピア(下章参照)」へと移行する、過渡期。
目先のことだけを考えるならば、AIによって失業者が増え、一時的に貧困が問題となるかも知れません。
しかし、過渡期が過ぎさってAI全盛の時代を迎えれば、さらなる人類の繁栄が待っているはずだ、と。
AIの正しき活用:ユートピアの実現に向けて
AIの活用が世界中で当たり前となり、AIが更に進化していけば・・・、ほぼ全ての労働をAIが担う世界が到来します。
そのような世界では、生活費を稼ぐために、人が必死になって働く必要がありません。
生活必需品(食物・日用品)の生産・配送をAIが行い、全てが無料で市民に提供。至る所に物が溢れ、生きることにお金が必要なくなる社会です。
まさしく、AIによるユートピア(理想郷)の実現です!
ユートピアでは、人類は 貧困・飢餓・言葉の壁 から解放されます。
ユートピアにおいて敢えて人の労働を挙げるとするならば、AIのメンテンナンス や 生産された食物・製品を正しく全ての人々に分け与えること ぐらいでしょう。
人類は、人生における多くの時間を、芸術や趣味活動、旅行などに当てることができるようになります。
- 世界中どこへ行っても、飢えた人がいない。
- 世界中どこへ行っても、貧しい人がいない。
- 世界中どこへ行っても、無理な労働でストレスを感じている人がいない。
- 世界中どこへ行っても、意思疎通ができる。
衣食住で悩まず、仕事上のストレスも無い。必然的に、多くの病気も無くなることでしょう。
また、必要十分な物資が 全人類に無料で提供されるようになれば、奪い合う必要がありません。そのため、戦争も無くなっていくに違いありません。
AIは、こうしたユートピアを築く可能性を秘めています。
しかし同時に、高度な技術は 諸刃の剣となることを忘れてはいけません。
AIによるユートピアは、分け与える精神があってこそ 実現できる世界です。
人々の倫理観が崩壊し、他者への思いやりが欠乏した中で、AIだけが進化した場合、
・・・貧富の差はさらに拡大し、超ストレス社会となり、人は生きる意味を見出せなくなってしまうことでしょう。
AIによるユートピア、平和世界実現のためには、人間同士の温かいコミュニケーションがカギとなりそうです。