【オーストラリアの労働環境】残業なし?転職は当たり前?有給休暇が1カ月ってホント?
今回は、「オーストラリアの労働環境」についてご紹介します。
オーストラリア人は残業しない? 転職は当たり前? 有給休暇は1ヶ月も? などなど。
オーストラリアのIT系企業で働く友人が、ちょうど日本へ遊びに来ていたので、真相を聞いてみました。
※ オーストラリアと言えば、「コアラ」と「カンガルー」しか思い浮かばない筆者・・・恥ずかしい(汗)。
オーストラリアは「多文化主義国」
現在オーストラリアは、人口の約半数近くが海外生まれと言う、世界でも稀にみる移民国家と言われています。
国籍はもちろんのこと、言語や文化、宗教の異なる人たちが多く集まって暮らしています。
オーストラリア政府は、このような多国籍&多文化の国民が、お互いの文化を認め合い共生できるよう「多文化政策」を1970年より施行。
オーストラリアに住む全ての人が、不自由なく生活できるようサポートしています。
オーストラリア政府の多文化政策
- 福祉サイトは約20~30言語に翻訳。
- 基本言語である英語を学べる無料プログラムが充実。
- それぞれの民族に合わせた100種類以上の非英語新聞を刊行。
- 24時間体制で、130以上の翻訳・通訳に対応(※有料)
など。
オーストラリアでは、この多文化政策のおかげで、「多文化を受け入れ共生すること」が 国民意識の中で当たり前になっているそうです。
オーストラリアは毎日がノー残業デー!?
「オーストラリア人は時間にルーズ」という話を、よく耳にします。
とは言え、多国籍国家ですから、生粋のオーストラリア人と言うよりは、時間にルーズな国の人たちが集まってきたのかもしれませんが。
真相はどうなんでしょう・・・??
オーストラリアの会社は、まず勤務の開始時刻がルーズ。10分程度の遅刻は全く問題ないとの事。
開始時刻がルーズなら、働き方も全てダラダラしているのかと思えば、そうでもないらしく、きっちり守る時刻もあるとの事です。
それが「勤務の終了時刻(定時)」っ!!
オーストラリアの会社では、勤務終了時刻になると、皆さま一斉に帰宅されるそうです。
残業する人? 絶対にいない・・・。
これって、始業時刻は厳守&退勤時刻ルーズ(?)な日本では、ちょっと考えられない事ですよね。
ところで、普段はノー残業主義のオーストラリアでも、時として残業しなくてはいけなくなる事もあります。
しかし、例えそういう日でも残業時間は「午後8時まで」と決められており、それ以上の勤務は違法になるケースが多いんだとか。
何故なら オーストラリアには、労働者を過酷労働から守るために定められている法律(労働法)があり、1日10時間以上の労働ができないようになっているそうです。
もし会社側が この法律に違反した場合、つまり社員を1日に10時間以上働かせてしまった場合は、国に対して多額の罰金を支払わなければならなくなります。
会社側も法律違反にならないよう、残業に関しては「させない」方針なんでしょうね。
簡単に会社を休むオーストラリア人
友人曰く、オーストラリアの会社では、週に1日くらい休んでも全く問題ないのだそうです。
例えば、「今日は体調悪いのでお休みします!」というのは日常茶飯事で、週に2~3日も休むツワモノがいるんだとか。
基本的に、自分の与えられた業務さえきちんとこなせば、後は休もうが何しようが干渉されないとのこと。
日本では、熱を出しても、台風が来ても、会社へ出社する人がほとんどですよね?(翌日が台風上陸の場合は、前日から会社に寝泊まりする人もいるぐらい...)
「会社を休むと迷惑がかかる」「辛くても皆やっていることだから」という思いから、無理をしてしまうケースも多いように感じます。
皆勤賞が凄い!という風潮も、もしかすると、日本特有のものなのかもしれません。
それに比べ、オーストラリアでは、会社営業日だとしても週に1日くらい休むのは日常茶飯事。
休むのが普通だから、誰かが休んだとしても、誰も何も思わないという文化が定着しているようです。
それが、良いのか悪いのかはともかく、「体調不良」を理由に、会社を簡単に休める労働環境は羨ましいですね。
オーストラリアでは、有休取得をまとめて1ヶ月間が普通
オーストラリアでは、有給休暇を取得する人のほとんどが、1ヶ月単位なんだそうです。
筆者の友人も、3週間の有給休暇を利用して、日本へ遊びに来ていました。
友人曰く、「有給休暇を利用しないなんていうのは有り得ないこと」で、そんな人は「変人」だと言っていました。
そしてオーストラリアでは、有給休暇を取得後に、そのまま転職してしまう人もザラなんだとか。
(友人も「このアジア旅行が終わったら転職するんだ」と言っていましたし。)
連続した有給休暇の取得が難しい日本では、ちょっとビックリな感覚ですよね?
これは、やはりオーストラリア社会全体が、「無理して働く必要はない」という風潮のおかげなのでしょうか。
オーストラリアでは、1ヶ月間の有給休暇を利用する人のほとんどが、リフレッシュ旅行に出かけるそうです。
リフレッシュして会社に戻ってきたら、やる気も出そうですね!
キャリアアップのために転職が当たり前なオーストラリア
最後に、オーストラリアでは転職が当たり前、というお話をします。
友人曰く、オーストラリアでは何年も同じ会社に務めている人の方が稀なんだとか。
特に、能力の高い人ほど転職を繰り返す傾向にあり、それが普通なんだそうです。
日本では、「職をコロコロ変える人(転職の回数が多い)」=「飽きっぽい人」「長続きしない人」といったマイナスイメージで見られがちですよね。
しかし オーストラリアでは、会社や業務に飽きたら、ためらわず転職するのが当たり前。
転職をたくさん繰り返していたとしても、マイナスイメージにはならないんだそう。
もちろん転職する際の面接では、「前職は何をしていたのか」「あなたは何ができるのか」など質問されることは必至です。
ですが、「仕事が長続きしないダメな人間」というような 日本人特有の劣等感には、悩まされずに済みそうですよね。
オーストラリアの労働環境まとめ
オーストラリアという国が、先駆けて人種差別を否定し、多文化を尊重する努力をしてきたというのは、国際社会において素晴らしいモデルだと言えます。
働き方においても、「他人の生き方を尊重する」多文化主義ならではの国民意識が繁栄されているように感じました。
ちなみに、オーストラリアでは多文化だからこそ、自分の意見をハッキリ言わないといけないそうですよ・・・。
意見をハッキリ言い合う事が、まずはお互いを認め合う第一歩に繋がるんだとか。
※ 本記事は、筆者の友人を通して聞いた内容が基になっています。オーストラリア内でも地域や会社により、バラツキがあると思われます。あくまで参考程度にとどめておいてください。