HARUMI FLAG(晴海フラッグ)は水素タウンに!? 2020東京オリンピック選手村の跡地利用が画期的
2020年開催の東京オリンピック。現在建設中の晴海選手村は、大会後に住宅街「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」として活用予定という。
今回は晴海選手村の跡地利用について、詳しくご紹介したい。
- 目次 -
- 2020東京オリンピック選手村は、住宅街「HARUMI FLAG」に
- HARUMI FLAGは 水素を活用したecoタウン
- HARUMI FLAGでは 多種多様な施設が充実
- HRUMI FLAGを散策した感想
2020東京オリンピック選手村は、住宅街「HARUMI FLAG」に
オリンピック選手村の跡地利用はとても大切だ。
オリンピック後、住宅地やホテルとして有効活用されている選手村(バルセロナ五輪選手村は現在5つ星ホテルとして活躍中)がある一方で、リオ五輪選手村のように 廃墟と化している選手村もある。
(※ 別稿 歴代オリンピック選手村 を参照)
Q : それでは2020東京大会選手村の未来はどうなるのか?
A : 2020東京オリンピック選手村跡地は、おもに住宅地「HARUMI FLAG」として利用される予定だ。
HARUMI FLAG の概要
面積 | 約18ヘクタール (東京ドーム約3.8個分) |
---|---|
総計画戸数 | 5,632戸 |
入居開始 | 2023年3月 |
所在地 | 東京都中央区 晴海 |
最寄駅 | 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩20分 |
入居者約1万2000人の街が 新たに誕生する計画だ。
HARUMI FLAGは、水素を活用した「ecoタウン」
東京オリンピック・パラリンピック準備局のホームページには
「選手村を誰もがあこがれ住んでみたいと思えるまちにします」
と書かれている。
それでは「HARUMI FLAG」にはどんな特長があるのだろうか? 筆者は主に 次の2点を挙げたい。
- 水素供給システムの導入
- 東京BRT(バス高速輸送システム)の導入
1. 水素エネルギーの活用 ~日本初の導入~
HARUMI FLAG には「水素供給システム」が導入されるという。マンションへの本格的な導入は日本初!
ありとあらゆるモノが水素エネルギーを使用して稼働する、まさに「水素タウン」。
水素は燃焼してもCO2を排出しないため、とてもエコ。この水素エネルギーによって 街には「足湯ラウンジ」もできるという。
日本は水素関連技術で世界をリードする存在。2020東京五輪を契機に、ぜひとも世界へその技術をアピールしてもらいたい。
2. 東京BRT(バス高速輸送システム)
HARUMI FLAG 最大の弱点は交通インフラだ。
オリンピック選手村跡地であり 商業施設もできるというのに、最寄駅まで徒歩20分以上。これは致命的…。
そこで採用されたのが「東京BRT(Bus Rapid Transit)」というバス高速輸送システムである。
出典:東京都都市整備局HP
東京BRTのルートは、話題の環状2号線を利用し、ターミナルである新橋駅まで連結。
このバスも水素エネルギーで走行する。
東京都では、このBRTを いずれLRT(次世代型路面電車システム)へ進化させたい構想があるという。
日本ではまだ馴染みの薄い「BRT」が HARUMI FLAG でその認知度を向上させられるか、専門家たちも期待しているそうだ。
BRT以外にも交通手段
HARUMI FLAGでは、他にも下記のような交通手段が用意される。
- 住民専用24時間レンタサイクル
- 「水素カー」を用いたカーシェアリング / 舟運
レンタサイクルはアシスト付自転車が有力視されている。 水素カーについては、水素ステーションを設置することでecoを推進。
筆者注目の舟運は羽田空港まで直結。
舟で空港まで行けるなんて、まるでヴェネチアではないか!
HARUMI FLAGは、多種多様な施設が充実する街
HARUMI FLAG スタートまでのスケジュールは、以下の通り。
- 2019年春
モデルルーム公開 - 2019年5月
発売開始 - 2020年
東京オリンピック・パラリンピック閉会
→ リフォーム開始 - 2023年3月
HARUMI FLAGとして入居開始
物件は分譲、賃貸ともにある。
分譲マンションの価格が 周辺タワーマンション価格へどのように影響するか、注目されている。
多様な入居者を想定
既存の晴海町連合会からの希望により、HARUMI FLAG には家族向け物件が多い。そのため小学校・保育施設も充実している。
一方で、多様な入居者を想定し、高齢者介護施設・SOHO・シェアハウスなども誕生する予定だ。
面白いのはサービスアパートメントという施設。
東京都五輪組織委員会資料によると、『日本でのビジネス展開を目指す外国人等、短期滞在を主目的としたビジネスパーソン向け』とある。
レインボーが多い?
入居者の多様性を強調するHARUMI FLAG。
東京BRTは「レインボー」を基調としており、目の前のお台場(ダイバーシティ)にはレインボーブリッジが見える。
なんだかレインボーが多く登場するのは気のせいだろうか?
東京都がLGBTへの取組みをアピールしたいのか? 日本人憧れの楽園ハワイを意識したのか?
・・・はたまた 単なる偶然か?
実際に HRUMI FLAG へ行ってみた感想
HARUMI FLAGでは約3,900本の木が植樹される予定だ。都心にありながら 広い海と空にも囲まれている。
HARUMI FLAG住民になると中央タワー48階ラウンジから東京湾を一望できる。 晴れた日には富士山がよく見えることだろう。
日本・TOKYOを代表するレジデンスエリアとなるHARUMI FLAGは「多様な人々・自然・技術」が共生する街になる。
下記3点は、実際に晴海周辺を散策した筆者の感想だ。
- 潮風が強い日には塩害は大丈夫なのだろうか?
- 道や空間は評判通り広い
- 景色は都内屈指のド迫力
散策をしながら「HARUMI FLAGが日本に与えるものは何だろう?」という問いかけが脳裏をよぎった。
東京オリンピック・パラリンピックを承認した方々が「次の世代に残したいレガシー」とは、先進技術だけではないはず。
「日本とは何か? 日本はどこへ向かいたいのか?」
HARUMI FLAGが次世代の子供たちにとって、よりよい街となることを願ってやまない…。