1964東京選手村では「結婚式」平昌・リオではトラブル多発【選手村で起こった事】
オリンピック選手村での結婚式やトラブル(ハプニング)事例などを、本稿ではご紹介していく。
五輪関連の豆知識を入れておくことで、オリンピックがさらに楽しくなると期待したい。
さて、東京オリンピック・パラリンピック2020を目前に控え、東京湾近郊では「晴海選手村」が建設中だ。
アスリートたちにとって「選手村」は、オリンピック開催期間中 お世話になる「拠点」であり「別荘」。日本へ初めて訪れる海外選手にとっては、「選手村 = 日本のイメージ」といっても過言ではない。それほど重要な施設だ。
しかし、過去には五輪選手村においてトラブルが発生し、競技以上に話題となったこともある。
そうした過去の失敗事例から謙虚に学び、ぜひ 東京オリンピック2020では、世界中のアスリートたちへ 最高の「おもてなし」をしてもらいたい。一人の日本人として、筆者は強く願っている。
1964東京五輪の選手村で行われた「結婚式」
選手村珍事件といえば、1964年東京オリンピック選手村での「結婚式」は外せない。
式を挙げたのは、ブルガリア代表のニコライ・プロダノフさん、ディアナさん夫妻だ。お二人は今もブルガリア首都ソフィアで幸せに暮らしている。
この結婚式は、オリンピック史上初の出来事。もちろん当時 世界中で大ニュースになった。
二人のことを知った日本のオリンピック組織委員会は、ブルガリアの担当者と秘密裏にウェディングケーキを準備したという。
突然のことに選手村スタッフも驚いたが、快く引き受けたそうだ。当時の選手村村長、東京都職員の小松藤吉氏も立ち会ったという。
結婚式は日本の伝統的な挙式スタイルである「神前式」で行われ、世界で最も有名なアスリート達が立ち会った。ディアナさん曰く「夢のような結婚式だった」とか。
新婚旅行で訪れた京都では、小さな子供から「おめでとう」と声をかけられたそう。ディアナさんは、それを今でも大切な思い出として覚えているという。
オリンピック結婚式から感じること
当時はまだ東西冷戦時代。人類が本気で核戦争に怯えていた時代だ。そして、ブルガリアはソ連の衛星国だった。
東側(社会主義陣営)から来た二人が、西側(民主主義陣営)に属する日本の地で 世界中の人々から祝福される。
これこそ「平和の祭典 オリンピック」の醍醐味ではないだろうか。
※ 写真はイメージ
当時の各国首脳陣たちが忘れかけていた大切な「何か」を、東京代々木の選手村は教えてくれた。この世界にも、未だ「人情」は生きている。
筆者は思う、「私たちは One Family。同じ "地球" という家に住む家族」なのだと。
過去 選手村で起きたトラブル
選手村で起きた「トラブル」についても振り返ってみたい。
「タブー」なのであまり選手たちは口に出さないが、選手村の居住空間は 伝統的(?)に不便で、食事も美味しくないことが多いそうだ。
さらに、毎度ニュースになるのが「粗悪な建物」。平昌五輪とリオ五輪でも 建物に関する「トラブル」が相次いだため、記憶に残っている方も多いだろう。
平昌オリンピック選手村でのトラブル
- 極寒にもかかわらず暖房が故障
- 部屋には工事の粉塵が残っていた
- 周辺ではノロウイルスが大流行(その中で各国要人を開会式にお迎えする事態に)
ただし、高梨沙羅選手(スキージャンプ銅メダリスト)によると、日本食ブースは無かったものの、韓国食は美味しかったのだとか…。
リオデジャネイロ・オリンピック選手村でのトラブル
- 部屋の水漏れ & 配線コードがむき出し
- オーストリア選手団が入村をボイコット
- トイレの故障
福原愛選手(卓球)に至っては、故障したトイレを自力で修復したという伝説が誕生。
そ、それはそれですごいぜ 大和なでしこ!
・・・さて、過去にトラブル続きの「オリンピック選手村」だが、次はいよいよ東京の番。
日本のおもてなしクオリティは世界一。国民の多くはそう信じている。組織委員会、工事受注企業、職人、ボランティアスタッフの皆さんの 情熱に期待したい。