晴海選手村の施設を視察!周辺・最寄り駅・セキュリティについて(2018年12月現在)
オリンピック晴海選手村の、施設概要・周辺環境(最寄り駅など)・セキュリティ問題についてリポートする。
現在(2018年12月)は工事中だが、好奇心旺盛な筆者は足を運んでみた。
日本の「おもてなし」を体現した施設
選手村とは、オリンピック競技に出場する選手やスタッフなどが、大会期間中に滞在する施設だ。
東京五輪2020年に向け、東京湾岸付近(東京中央区)に「晴海選手村」の建設が進められている。
晴海選手村の概要
面積 | 約18ha |
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棟数 | 24棟 |
住宅戸数 | 約5650戸 |
総事業費 | 約540億円 |
所在地 | 中央区晴海五丁目 |
晴海選手村へのアクセス(最寄り駅)
- 都営大江戸線「勝どき駅」下車 徒歩約10分
- 東京臨海新交通臨海線ゆりかもめ「新豊洲駅」下車 徒歩約20分
以下の選手村マップを参考に、詳しくみていこう。
部屋数は約10,000、ベッド数は約17,000。クリーニングサービスもあるが、自室で洗濯することもできる。
世界中の選手に対応したユニバーサルデザインになっており、パラリンピック出場選手も考慮されたバリアフリーの造りだ。
高層階へ滞在する選手の移動にも配慮されており、77基ある高速エレベーターは、1分以内に一階へ到着するという。かっこいいぜTOKYO!
オリンピックビレッジプラザ(OVP)
選手村内には、交流拠点となる「オリンピックビレッジプラザ(OVP)」と呼ばれる施設がある。
全国各地の木材を使用し、海外選手に日本の木造建築を体験してもらうのが狙いだ。この施設は オリンピック期間限定の仮設建築物のため、大会後は解体されることになる。
オリンピックビレッジプラザには、以下の施設が入る予定だ。
- カフェ
- 円形劇場
- 花屋
- 写真店
- 美容室
- 郵便局
もちろん、運動施設も充実している。
- フィットネスルーム
- 400mトラック
- プール
- テニスコート
- ジョギングコース(大会後にレガシーとして残される予定)
選手村には 診療所および宗教センターも設置され、世界中のアスリートを心身共にサポートする。
中央メインダイニング&カジュアルダイニング
選手たちが食事を摂る「中央メインダイニング」には、なんと5,000席を完備。
選手村居住棟から最長でも6分以内に着け辿りつけるようデザインされている。
上の完成予想図は、海辺に設置予定のカジュアルダイニング。
こちらはとてもオシャンティーなものになりそうだ。お台場の夜景を眺めながら、互いの健闘を祝福しあう。
うーん、とても充実している。そして楽しそう。
工事中の「晴海選手村」へ行ってみた
せっかくなので、実際に「晴海選手村」へ行ってみることにした。
もちろん、現在は工事中だが…。
地区のエリア入口には、早速上記のような看板が。
マイケルフェルプス、イアンソープ、ウサインボルト、カールルイス、ナディアコマネチ、ブブカ、カレリン、etc…。
彼ら・彼女らに並ぶ超一流アスリートであろうと、基本的にはこの選手村に宿泊する。試合当日の朝は ここから会場に向かうのだ。
あまりにも世界が身近に感じられてしまい、スタートからトクした気分になった。
付近はいくつものクレーンが空高く資材を積み上げている。左右どこを見ても、すでに大きなマンション棟の骨子が。
すれ違った工事関係者と思しき方々の表情も、どこか誇らしげに見えた。
選手村の大きさは サッカーフィールド約25個分! 東京ドームで例えるなら 約4個分の広さに相当する。
そこに24棟、約5650戸の住居が建設中だ。2020東京大会後には大規模分譲マンションとして販売される。街は「HARUMI FLAG」と命名された。
入居予定は2023年3月以降。晴海地区の人口は約12,000人増えることになる。
晴海フェリーターミナルから見た「選手村」
晴海地区にはフェリーターミナルがある。
海外からの豪華客船が東京に寄港する際、ここから世界の富裕層がTOKYOに上陸するのだ。
ただし今の所 ターミナル周辺は、建設ラッシュにある選手村の建物以外は何も無い。選手村の建設風景を見渡すことができるくらいだ。
晴海地区は周辺を運河に囲まれ、都心にも関らずとても開放的な空間が広がる。晴れた日には富士山もよく見える。東京湾が目前に広がり、道は広く、空が広い。
筆者は満月の夜にお台場を訪れたこともあるが、東京の夜景を一人占めしたような気持ちになった。
レインボーブリッジからの夜景を見たことがある人なら分かるだろう。この付近の夜景は21世紀の日本人なら一度は見ておきたい。
そのレインボーブリッジから見える夜景のど真ん中に「晴海」は位置している。
東京タワー、スカイツリー、お台場…。
若かれし長渕剛も憧れた花の都・大東京が、360度ジュエリーボックスのようにキラキラしている。
伝説の元NHKアナウンサー北出清五郎氏が、東京五輪1964開会式で残した名言をお借りするならばこうだ。
「世界中の夜景を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい月夜でございます。」
ちなみに、東京五輪期間中の満月は2020年8月4日(火)。
日本期待の体操競技は最終日を迎える。(パラリンピック期間中は同9月2日(水)が満月)。
その日選手村の夜空を見上げると、きっと金メダルのような満月が静かに輝いていることだろう。日の丸が金メダルに輝くことを期待したい。
「晴海選手村」のセキュリティについて
最後に、選手村のセキュリティについて紹介しておこう。
過去には1972年ミュンヘンオリンピックの選手村で、実際にテロ事件が発生。平和の祭典にもかかわらず犠牲者が出てしまった。
スパイ天国とも揶揄される日本。東京大会はセキュリティ予算950億円をあてているというが、はたして大丈夫だろうか?
三方を海に囲まれた「晴海選手村」
晴海選手村は三方を海に囲まれている。
地形としては比較的安全管理がしやすい構造だろう。この立地条件は素晴らしいと思う。
運河を挟んで北側の豊海を訪れてみると、建設中の選手村住居棟の前に数隻の船が。
よく見ると東京消防庁だ。テロ対策で厳重に警戒しているのだろうか。海上保安庁とかではないのか?
それでも近寄ってみると オリンピックの緊張が伝わって来た。頼もしい。
写真は、反対側(南側)に位置する豊洲市場から見た 選手村の様子。
これがとても素晴らしい眺め。東京タワーと同時に、富士山もハッキリ見える。今後 間違いなく東京の観光スポットになるだろう。
守るべきは 選手たちのプライベート
ただし・・・、ここからは少し不謹慎な話になるがご容赦願いたい。豊洲新市場 屋上で筆者の頭を過ぎったのはこうだ。
「もし本当にゴルゴ13がいれば、要人を狙うことが可能では?」
海上にある選手村とはいえ、豊洲市場からは住居棟でアクビをする選手の顔が見えそうなほど。それぐらい距離が近いのだ。
もちろん保安関係者はすでに把握しているだろうから、いらぬ心配に過ぎないはずだが…。もし、この記事を読まれたセキュリティ関係者がいらっしゃれば、万全の安全対策をどうかお願いしたい。
例えば 週刊誌やパパラッチの類が、選手たちのプライベートを探りに来る可能性がある。この情報化社会において、カメラは銃以上の凶器にもなりえるのだ。しかも銃より射程距離が長い。
選手村に入ることができるのは「五輪関係者のみ」とし、ゴルゴ13と報道関係者らには自制を促したい。
選手たちにとっては 一生に一度の大会。それも祖国の威信を背負っている若者たちだ。
我々は「アスリート・ファースト」を肝に命じ、選手たちが安心して競技に臨めるよう 協力し合おうではないか。