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『オニババ化する女たち』のネタバレ(あらすじ)と感想 - 女性のオス化で母性が消える!?

更新日:『オニババ化する女たち』のネタバレ(あらすじ)と感想 - 女性のオス化で母性が消える!?

2004年ベストセラー本『オニババ化する女たち』のネタバレ(あらすじ)と感想をご紹介。現代女性が失いつつある、本来の「女性性」について考察していきます。


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イライラ・ガミガミ・ヒステリック傾向にあるという現代女性。

その原因を「女性のオス化 = 女性が 本来持つ母性を使わずにオス化したため」とバッサリ切り捨てる本書。

「社会的成功こそ 女性として輝く道」という社会の風潮に、容赦なくメスを入れています。


特に キャリア重視の若い女性達に対し、

  • 結婚や出産には適齢期がある
  • その大切な時期を逃さないように

とアドバイス。



賛否両論ある本書をあえて取り上げた理由は、「女性にとって真の幸せとは、社会的成功ではなく、結婚し出産し、母性を発揮して家庭を営むこと」という著者の主張に同意するためです。

なお著者の主張すべてに同意するわけではなく、私が共感する部分をピックアップして記事にしています。

目次
『オニババ化する女たち』のネタバレ(あらすじ)と感想 - 女性のオス化で母性が消える!?

「オニババ化する女たち」の要約(あらすじ)- ネタバレ含む

まずは「オニババ化する女たち」を読んで、理解した内容をざっくりとご紹介します。

※一部、個人的な感想も含んでいます。


現代社会は、男女共同参画社会 & 資本主義による賃労働の担い手として、女性に対しても「経済的な価値」を求めるようになった。

そのため、学校や社会では「女らしさ」を捨てて「私らしさ」を強調。

かつて「お金で換算できない役割」を担っていた女性の仕事が外注化されはじめる。

家事・育児、老人や病人の介護 等、家庭運営という面で 男性と均衡に社会を支えていたはずの女性たちが、自己の価値を家庭以外へ見出すことが当然の世の中に。


それにより70~80代女性の娘たち(現在の30~40代)は、母親の「幸福な結婚生活」を実際に見たことがない世代となる。

当然ながら母親達も幸せな結婚生活を送っていないため、娘には「自分たちと同じような人生(結婚)」を強要させない傾向が強い。

つまり「(結婚して家庭を守るよりも)女性が経済的に自立して1人で自由に生きれるのなら、その方が幸せなのでなないか?」という価値観が、今の30~40代の女性に伝えられてきた。


その結果…

結婚に懐疑的な母親の言葉を聞いて育った娘たちは「お金を稼げる女性、男性並みに社会的な地位を持つ女性こそが輝かしい現代女性」であり、専業主婦は夫に寄生・依存する古くさい存在という価値観を持つようになった。

女性の社会進出が当たり前となり、社会はどう変化したのか

女性にとって男性は、社会的ポジションを張り合う競争相手となる。

それに伴い、かつて人類史上経験したことのない「女性のオス化」が始まった。

女性の高学歴化・社会進出が進むにつれ 本来持つ「溢れる生殖エネルギー」を使うタイミングを逃すという事態が起き始める。

それらが以下のような副作用を生むことに…。

  • ストレスと激務による「月経不順」
  • 晩婚化と高齢妊娠による「不妊の増加」
  • 出産自体を忌避する「少子高齢化」社会

など


女性にとって、本来使われるべき生殖エネルギーを「使わない」「使えないこと」で、女性自身の精神的 & 身体的疾病が増加

さらに、妊娠・出産・授乳などのプロセスを通して享受していた、女性であることの歓びや楽しみを失っていった


現代は妊娠・出産・育児(授乳を含む)が、女性の社会進出やキャリアアップの妨害要因とみなされてしまっている。

そのため結婚適齢期を迎えても、未婚・非婚を選ぶ女性は増加の一途。

既婚女性であっても、少子化・育児の外注化(ベビーシッターや保育所)によって 母性を育む機会を逃しているのだ。

女性が「女性性」を失うこと(オス化)で一番被害を受けるのは「家庭」

本来 女性は、妻から母となることで「女性性」を「母性」へと発展させていく。これが自然の理。

しかし女性のオス化により、母性を発揮する機会が失われつつある。

それにより、現代は母性が足りない家庭が増加。家庭に本来あるべき「温かさ」「安らぎ」「無条件の愛情」が失われているという。

それはつまり、子ども達と夫(父親)の行き場所も失われているのである。


社会の基本単位である「家庭」。ここが不安定になることで社会もギスギスしてくるというのは言うまでもない。

女性の心底の歓びとは、社会的な成功や経済的豊かさ以上に「愛されている実感と愛し慈しむ対象を手にすること」

しかし現代社会は、その歓びを心から享受できない構造となってはいないか?


さらに、安定した性のパートナーを得ることができない等の要因によって、女性たちは次第に欲求不満を募らせ、イライラ・ガミガミ・ヒステリー女が増加していくという悪循環に陥っている。

女性が本来の女性性を失い、母性を発揮できる機会を逃していることが「女性のオス化」を加速させ、社会の要である家庭を壊しているのだ。

本の感想:女性が本来持つ女性性を発揮すること

私がこの本を読んでまず浮かんだのは「男女共同参画社会基本法」のこと。

女性の自己実現という、いかにも「女性のため」を謳った法案が、実は資本主義発展のために、女性個人の人生を部品化してしまう悪法ではないか ・・・と思えてしかたありませんでした。


女性が 女性でなくなっていく現代社会。

オスばかりの世界になってしまうことで、家庭と社会は機能不全に陥っていくことでしょう。

オスとメス、男性と女性とは 互いの足りない部分を補い合うパートナーです。


本来の男性、そして社会の役割とは 何でしょうか?

女性と張り合い競争したり、女性に対して、男性のように経済的価値を産出すべき! と煽り 家庭から外へ追い出すことが、本当の意味で「男女平等な社会システム」でしょうか。

男性たち、そして社会全体が「結婚したい女性を応援し、母親が心置きなく出産し、育児に専念できるよう」に支えるべきなのです。


もちろん女性にも「社会貢献のチャンス」は平等に与えられるべきでしょう。現代は高学歴・高経歴を保有する女性が多く、彼女たちには多くの潜在能力があります。

ただし、映画やドラマに出てくる「バリバリのキャリアウーマン」「とっかえひっかえ恋人を変えて、独身生活を謳歌する」一部の勝ち組女性のライフスタイルを、すべての女性に志向させるのは、おかしい!という著者の意見に同意します。


今までずっと優秀で来て、勉強も仕事も見事にこなしてきたけれど、ふと気づくと結婚していなくて、キャリアウーマンになってしまっているので、あえて『負け犬』と自称しているという感じですよね。そしてそれはごく少数の、インテリ層の人たちの目に映っているような『エリート女性』の話で、ごくふつうの女性の話ではないと思います。
‐オニババ化する女たち‐ p.139

結婚適齢期になれば、相応しいパートナーと共に家庭を築き、未来世代を生み育てていく

このような生き方を尊重する女性が、「古臭い価値観に囚われた、依存的な女性」として若い世代の目に映ってはいけないと思います。


放っておいたら、自分で相手もみつけられないような人たちのほうが、本当は数がおおいのだと思います。弱者という言い方をすると非常に語弊があるのですが、メスとして強くない人、エネルギーがそんなにない人たちのほうが本当は多いのではないでしょうか。
-オニババ化する女たち- p.139

女性に対して「男性のようなオスになれ!」と求めることは、女性に不要なストレスを与えオニババ化させてしまう要因。

それらは結局、家庭も社会も…誰も得をしない「暗い未来」を迎えていくことになると、オニババ本は警報を鳴らしています。

女性が持って生まれた「母性」

女性には男性よりも高い共感能力や感性が備わっています。幼い少女でさえ「女性ならではの優しさと柔和さ」を持っているのを感じることでしょう。

神様は、なぜ女性にこのような能力を与えたと思われますか?

それは女性が将来「母親」になり「大きな母性」をもって、子どもたちを産み育てていくため。


私が考える母性とは「あるがままを受け入れてくれて、待ち続けてくれる深い愛情」です。

本来の母性には(その人が何を成したかでなく)人間の存在それ自体を抱きこむ強さが内在しています。

私たちは、そのような母の強さと優しさを土台として 一人前の人間に成長していけるのです。


しかし 昨今は、業績主義 & 成果主義の中で競い合ってきた高学歴女性が母親となることで、子育てにおいても「会社組織にいかに適合した能力を育てるか?」という知的能力(IQ等)ばかりを追求するようになってしまいました。

知識が増えても 心が育っていない、頭でっかちな人間ばかりが 社会を闊歩するようになってしまったのです。

オニババ本にも書かれているように、かつて戦前の母親たち(すでに80~90歳代の方たち)が持っていた「大らかな包容力 & 深い愛情」を、現代の女性たちは失いつつあります。

(というより、そもそも現代の母親自身が そういう母親の下で育っていないので、見習うべき女性像を持ってないのが 実状なのかもしれません…)


女性として、母として、主婦として、「社会の基本単位である家庭」を支え、未来の世代を育てていることに、もっと誇りが持てる社会を創っていくこと。

それは今を生きる 全世代の男女の役目ではないでしょうか。