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脱水症状(水分不足)で、イライラ、頭痛、記憶力・反射神経の低下!? 水分補給の大切さと頻度について

更新日:脱水症状(水分不足)で、イライラ、頭痛、記憶力・反射神経の低下!? 水分補給の大切さと頻度について

汗をかいて体が水分不足になると、些細なことでイライラしたり、頭が痛くなったりします(いわゆる、脱水症状)。

"脱水症状" の具体的な症状としては、目眩、動悸、痙攣、認知能力(記憶力・反射神経・判断力)の低下、など。場合によっては命に危険が及ぶことすらあります。

一時期 話題となった "体育会系の部活による「水を飲まない訓練」" は、非科学的。水分補給はとても大切です。


しかし、「水分補給さえしていれば 脱水症状にならないの?」と言えば、「脱水」にはなりませんが 水だけの飲み過ぎも非常に危険。

本稿では

  • 水分不足(脱水症状)が身体へどのような影響を及ぼすのか
  • 水分補給の適切な頻度
  • 水分補給の正しい方法

等についてご紹介します。

目次
脱水症状(水分不足)で、イライラ、頭痛、記憶力・反射神経の低下!? 水分補給の大切さと頻度について

水分補給の大切さが分かる実験

米コネティカット大学のヒューマン・パフォーマンス・ラボの研究チームが行った、脱水症状時の記憶力・判断力低下に関する実験をご紹介します。

実験内容

男女を数名ずつのグループに分け、「体内の水分量が正常な状態」と「軽微な脱水症状を起こしている状態」とで、認知能力・集中力・反射神経などを比較。

この「軽微な脱水症状」というのは、「正常時に比べ体内の水分量が1.5%不足した状態」と定義されました。

また、被験者に脱水状態を意図的に作り出す方法は、以下の2つです。

  • ランニングマシーンで40分間走りこみ、汗を流す。
  • 安静にし、自然に水分が体内から排出されるのを待つ。

実験結果

「僅か1.5%の水分喪失」という軽い脱水症状であるにも関わらず、頭痛・疲労・集中力障害・記憶力低下が確認されました。

また、被験者を脱水症状にする2パターンのどちらにおいても 同様の症状が現れたため、「脱水状態を作り出すための過程が結果に影響を与えたわけではない」ということも判明。

さらに興味深い点としては、男性よりも女性の方が、より脱水症状における認知能力の低下が 顕著に現れたとのことです。

水分補給の頻度

この実験に参加したローレンス・アームストロング教授は、次のようにコメントしています。

「この実験結果から、単に運動時や気温の高い日、辛い労働を行う場合だけではなく、日常生活においても体内の水分を維持することが重要だと言える」


ローレンス教授によれば、人が「喉が渇いた」と感じる時点で、既に体内の水分量は1〜2%失われている状態とのこと。

つまり、私たちが普段 喉が渇いたと感じる頃には、既に脱水症状による記憶力・認知能力の低下が始まっていると言うことになります。


そのため、喉の渇きを感じる前に こまめに水分補給することが大切。

肉体労働など「目に見える汗」をかいている人はもちろん、一日中エアコンのかかった室内で作業している人であっても、皮膚からは絶えず水分が蒸発しているんです。

また、喋ると口の中からも 水分がさらに蒸発します。


水分補給の頻度の目安
運動時3〜15分間に1回以上
安静時
(デスクワーク等)
30分間に1回以上
備考
  • 汗の量
  • 気温
  • 喋る長さ
によって左右されます。

脱水症状はイライラや頭痛の原因にも

脱水状態に陥ると、様々な能力低下だけではなく、性格もイライラと攻撃的なものになってしまいがち。また、頭痛も発生します。

イライラしたら まず水分補給。心理学的にも怒りを鎮める効果があるので、オススメです。

水分補給では水だけを飲まない。かならず塩分も

脱水症状を防ぐためには 水分補給が大切であることを、上でご紹介しました。

ただし、水分補給時には注意点もあります。

水だけを飲み過ぎると「低ナトリウム血症」に

低ナトリウム血症とは、体内の塩分が不足(=塩分濃度が低下)してしまう状態。

体内から体外へと流れ出る汗は、「水分」だけではなく「水分 + 塩分」で構成されています。そのため 汗をかいて水だけを飲むと、体内の塩分濃度が低下。

ひどい場合には 意識障害を起こし気絶してしまうことも…。

低ナトリウム血症の予防法

  • 水分補給の前に、塩を一つまみ水に入れてから飲む
  • 市販の「塩分チャージ用タブレット」などと一緒に水を飲む

なお、食事中に水を飲む場合については、料理に塩分が入っているため 低ナトリウム血症を心配する必要はありません。

水分の摂り過ぎは「水毒症」になる?

水毒症とは、多量の水分を摂り過ぎることによって 体内の至るところに水が溜まってしまう状態。体の冷え・臓器機能低下・頭痛・嘔吐・下痢 などが 主な症状です。

また、摂り過ぎた水分で血液量が増えるため、心臓にも大きな負担が掛かります。


たとえ「水分 + 塩分」であったとしても、大量に摂り過ぎると むしろ身体に毒。

・・・とは言え、水毒症を発症する前に 身体がそれ以上飲むことを拒むはずなので、普段の生活であれば心配いりません。

「2リットルの食塩水を一気飲みする」などと言った、常識外れの悪ふざけさえしなければ… 。


この記事のまとめ

脱水症状(水分不足)で、イライラ、頭痛、記憶力・反射神経の低下!? 水分補給の大切さと頻度について
  • 水分補給の大切さが分かる実験
    「僅か1.5%の水分喪失」でも、頭痛・疲労・集中力障害・記憶力低下が生じる。
  • 水分補給の頻度
    喉が渇いたと感じる頃には、既に脱水症状による認知能力の低下が始まっている。そのため、喉の渇きを感じる前の こまめな水分補給が不可欠。
  • 水分補給では水だけではなく、必ず塩分も
    水だけを飲み過ぎると「低ナトリウム血症」になる恐れがあるので、塩分と一緒に。ただし飲み過ぎは水毒症の危険性もある。


正しく水分補給をして、脱水症状を防ぎましょう!

お役に立てましたら幸いです。