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EQ(非認知能力)を鍛えることで成績アップに繋がる!?

EQ(非認知能力)を鍛えることで成績アップに繋がる!?

成績を上げる方法として「IQだけではなくEQ(非認知能力)を高めることも重要」だという、興味深い研究結果が報告されました。

ご存知 IQ(Intelligence Quotient:知能指数)とは、知識量に左右されない純粋な頭の回転速度(いわゆる 地頭の良さ)として、世界各国で採用されている指標です。

一方の EQ(Emotional Intelligence Quotient:心の知能指数)とは、他者や自己の感情を認知・制御することが、どれだけ長けているかを示す指標です。

ところで、これまで学業においては IQがEQよりも遥かに重要視されてきました。

学習塾・進学校などにおいて IQを伸ばすカリキュラムは存在しても、EQを伸ばすカリキュラムというのは過去に例がありません。

しかし、これは当然といえば当然です。「頭の回転が速ければ 成績向上に有利」であることは 誰しも疑いようがありませんが、「感情をコントロールする力が成績向上に結びつく」というのは、科学的根拠に乏しい印象を抱いてしまいます。

ここでは、多くの人々にとって意外性抜群な「成績を上げるには、IQだけではなくEQも高めることが効果的」という内容をご紹介します。

EQ(非認知能力)を鍛えることで成績アップに繋がる!?

EQの違いによる、成績の上がり方の違い

英セントラル・ランカシャー大学の研究チームは、イギリス国内の7年生(=日本の中学1年生に相当)628名を対象に、IQとEQの値を測定しました。

そして測定から2年後、当時 被験者となっていた学生たちの現在の学業成績を収集。それらを2年前に収集したデータと合わせて分析を行ったそうです。

※ なお、この研究における「学業成績」は、 SATの英語・文学・数学・科学の点数で判断されました。(SAT:アメリカ・イギリス版の大学入試センター試験)

その結果、驚愕の事実が明らかとなりました。

なんとEQの高い学生の方が EQの低い学生に比べ、同程度のIQであっても 成績が向上しやすい傾向にあったそうです。

また、2年前に同程度のIQであったとしても EQが低かった学生の方が、その後の学業で より苦労する傾向が見られるようになったとのこと。

この研究結果に対し、研究チームのパメラ・クォーター博士は 次のようにコメントしています。

「EQが高い学生は、たとえ悪い成績を取ったとしても自身の感情をコントロールし、挽回する努力を続けられる。そのため長期的に見た場合、高いEQは成績向上に非常に効果的だ。」

「EQが低い学生は、一度挫折を味わうと感情のコントロールに失敗してしまい、成績向上に悪影響を及ぼしやすい。」

「高EQ = 高成績になりやすい」の傾向は、女学生がより顕著に

上でご紹介した「高いEQの方が、その後に成績が上がりやすい」という傾向は、男女問わず見受けられた現象です。

ただし男女別に見るならば、男子学生よりも女学生の方が、より顕著にEQが成績に影響を及ぼしていたことが判明しました。

この「EQが成績に及ぼす影響に 男女間で差が開いた件」に対し、クォーター博士は「この年代の男子は 同年代の女子に比べ、成熟度に個人差が著しいためではないか」とコメント。

つまり博士は「より成熟した年代の学生で同様の調査を行った場合、男女間の差はさほど開かないであろう」と推測しています。

IQとEQ 並びに 学業成績の関連性について

この研究結果を振り返り「学業成就において、IQの影響をEQが緩和してくれる事実が明らかになった」と、クォーター博士はまとめています。

そして、「後々になって子供の成績を上げるためには、幼い頃から自分自身の感情を正直に話し、他人の感情を理解できるような "感性を育てる教育" に力を入れるべき」だと、博士はアドバイスしています。


昨今の教育界では、「非認知能力」が 学歴・将来の成功と密接な関わりがあるとし、注目されています。(非認知能力:自尊心・粘り強さ・思いやり と言った、ペーパーテストの数値では表せない人格的能力)

この「非認知能力」の概念は、まさしく海外での「EQ」に相当します。

EQの測定方法については 未だに議論が繰り返されており、「実はEQとは、IQの一分野に過ぎないのではないか?」と主張する研究者や、EQという概念すら認めない研究者も存在します。

そうした現状において「EQが学業成績に影響を及ぼし得る」という研究結果の発表は、大きな波紋を呼びそうですね^^

ここでご紹介した内容につきまして、皆さんはどのような感想を抱かれましたでしょうか?

EQに対して肯定的であれ否定的であれ、皆さんや皆さんのお子さんの教育(学業)に、何らかのプラスになれば幸いです♪