【筋力低下】たった2週間の運動不足で筋肉が25~30%落ちる!?
運動不足が続くと筋力が低下してしまうことは、もはや常識と言っても過言ではありません。
しかし、どれぐらい運動不足が続くと筋肉が落ちてしまうのか? については、多くの人が誤解しています。
室内にこもりがちな生活習慣を続けると 筋肉はどんどん衰え、挙句の果てには 骨や関節を支える力を失い、腰や膝の痛みを発症するようになります。
そして、人体の適応能力は 良くも悪くも我々の想像以上。
最新の研究結果によれば、運動不足による筋肉の減少は、数ヶ月〜数年といった長期間ではなく、数日〜数週間という短期間のうちに進んでしまうことが判明しました。
ここでは、そんな「運動をしないことで筋肉が落ちてしまう研究」についてご紹介します。
運動不足による筋肉量の低下
デンマーク-コペンハーゲン大学の研究チームは、次のような実験を行いました。
健康な男性30余名を被験者として集め、片方の脚だけに矯正器具を装着。そのまま2週間過ごさせたそうです。
※ 矯正器具を装着した側の脚は 動かすことが困難となります。つまり、片方の脚だけが運動不足となる状態を作り出しました。
実験開始から2週間後に矯正器具を外し、左右の脚の筋肉量を計測。その結果、驚くべき事実が判明しました。
なんと、運動不足がたった2週間続いただけでも、筋肉量は25〜30%も減少したのだそうです。
若者の方が、より筋肉が減少しやすい
さらに興味深いことに、若者は平均して485gも脚の筋肉が減少したのに対し、老人は平均250gしか脚の筋肉が減少しませんでした。
これは元々の筋肉量のうち、若者は1/3、老人は1/4が減少したことになるそうです。
「若者は老人に比べ 体内の新陳代謝が活発であり、筋トレをした際の効果も上がりやすいが、運動をしない際の筋肉量も減少しやすい。」と、研究チームは分析しています。
一度落ちてしまった筋肉は、6週間経っても元通りにはならない
「マッスルメモリー」と呼ばれる有名な筋トレ用語があります。
マッスルメモリーとは、「一度鍛えられた筋肉は 自身が強くなった時のことを記憶しており、筋トレをやめて筋肉が萎んでしまっても、再度筋トレを行うと 比較的短時間で最も筋力が強かった状態に戻れる現象」のこと。
これは、病気や怪我でトレーニングを一時中断せざるを得なくなったアスリートにとって、非常にありがたい人体の機能です。
ところが、筋トレによって増加した筋肉ではなく、日常生活によって維持されている筋肉には、このマッスルメモリーが当てはまらないことが明らかとなりました。
前述のコペンハーゲン大学の実験では、片脚の筋肉が減少した状態から、週に3〜4回・計6週間に渡る自転車トレーニングが実地されたとのこと。
しかし6週間が経過した後にも、筋肉量は元々(=片脚に矯正器具を装着する前)の状態まで回復しなかったのだそうです。
ご老人が転倒などで怪我をし、怪我の完治後も そのまま歩行が困難になってしまう ・・・という事例は至る所で見受けられますが、その理由はここにあったんですね。
室内にこもりやすく 運動不足になりがちな季節ですが、こんな時こそ 意識的に運動を心掛けたいものです。(知らない間に筋肉が減少していたら、怖い怖い...)
何らかのお役に立てましたら幸いです^^