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小学生が妊婦体験…授業参観で行われた「命の授業」に感涙

小学生が妊婦体験…授業参観で行われた「命の授業」に感涙

筆者の娘が通う小学校で実際に行われた「命の授業」、妊婦体験と赤ちゃんふれあい体験に関する体験談をご紹介します。

「露骨な性教育」が問題視される昨今、小学校ではどんな授業を行っているのか…。

本稿が「性教育(命の教育)とは 本来どうあるべきなのか」について考える キッカケになれば幸いです。

小学生が妊婦体験…授業参観で行われた「命の授業」に感涙

場業参観で性教育(命の授業)

ある日、娘(小3)が持ち帰ってきたプリントには、こう書かれていました。

次の授業参観では性教育(命の授業)を行います。

授業参観で性教育…?? どういった内容なのか気になりつつ、当日を迎えることに。

授業参観当日。

筆者の頭の中では「きっと露骨な性教育に違いない」という勝手なイメージが出来上がっていました。

しかし娘の教室に入ってみると、そこに用意されていたのは「妊婦体験ジャケット」。

どうやら性教育では「妊婦体験」をするとのこと。


一般的に「妊婦体験」といったら「成人男性」を思い浮かべるため、・・・まさか小学生が行うとは予想できませんでした(笑)。


小学生用の妊婦体験ジャケット

用意されていた妊婦体験ジャケットは「小学生用」とのこと。

サイズも小さく、重量も3kg程度。大人用のジャケットは 7~8kgもあるため、半分程の重さです。


担任の先生から着用方法を学び、子供たちは順に妊婦体験ジャケットを装着していきます。

3kgとはいえ、小学生の体には かなりの重さ。肩と背中側にマジックテープがあり、ずり落ちないように固定します。

自分では手が届かないため、子供達は互いに着せ合っていました。


さて着用完了。

妊婦体験ジャケットは、例えるならば「妊婦型エプロン」。胸部と腹部が大きく膨らんでいます。

着用した子供達は 恥ずかしがっていました(そりゃそうでしょ… 笑)。

小学生が妊婦体験をした感想

ジャケットを着た子供達は、床に寝そべったり しゃがんだりしながら、妊婦生活を疑似体験。

担任の先生が着用した感想をたずねると…、「重たい」「腰が痛い」「足元が見えない」「これどうやって寝るの?」などの返答が。

妊婦生活の大変さを しっかり実感したようでした。


興味深いことに、妊婦体験に積極的だったのは 女子よりも男子。

ジャケットを着用して大きくなったお腹を一生懸命になでたり、「ぼく、ずっとこのままで授業を受ける!」と言う子もいたり。

ある男子生徒が「なんか優しい気持ちになる」と呟いていたのが印象的でした。

男子のみんなは、一生経験することの無い体系に興味津々。

等身大の赤ちゃん人形を抱っこ

妊婦体験の後は「赤ちゃんふれあい体験」。

とはいっても、本物ではなく 等身大の「新生児人形」。重さは約3kgと、産まれたての赤ちゃんに近いものでした。

子供達は 順番に赤ちゃん人形を抱っこしていきます。

「可愛い」「よしよし」と、一生懸命にあやす姿が なんとも微笑ましい…。


お母さんたちが語る子育てエピソード

教室後方で参観していた親御さんたちに、担任の先生が

お母さん方、赤ちゃんのお世話で大変だったことは何でしょうか?

と語りかけます。

  • 抱っこじゃないと寝なくて…
  • ミルクをなかなか飲んでくれなくて…
  • 夜泣きが酷くて…
  • 体重が増えなくて心配した!
  • 重くて腱鞘炎になった(笑)

など、母親達の口からは 子育てエピソードが次々に。

さらに「うちも、そうだった!」「もう何年も前の事で忘れてた」と、会話がヒートアップ(笑)


子供達は、お母さんが話す「自分の赤ちゃん時代」に興味津々。

「私はどうだった?」「僕は良く寝てた?」と、親御さんのところへ直接 尋ねに来る子もいました。

教室中が和気あいあいとした雰囲気に包まれる中、筆者にも娘との思い出が蘇ります。

  • はじめての育児に 身も心も疲れきった日々
  • 発熱した日は、不安で眠れなかった
  • 余裕がなくて感情的に怒ってしまった日は、反省して泣いてたっけ…


今振り返ると、ただの「育児あるある」エピソード。でも当時は、とにかく必死でした。

昔を思い出しながら 成長した今の我が子を眺めると、胸の奥底から込み上げてくる感情…。

  • 私を育てるのって、そんなに大変だったんだ。
  • お母さんは、寝ない私をずっと抱っこしてくれてたんだ。

母親達の苦労話を聞いた子供達からは そんな感想も。


うん、めちゃくちゃ大変だっだよ。だけど、喜びも倍になったよ☆(涙)


妊婦体験で母親の愛情を実感する子供たち

そんなこんなで妊婦体験が終了しました。

「妊娠中の10ヶ月間、お母さん達はこんなに大変な思いをして みんなを育てたんだよ」と、担任の先生が子供たちに話します。


「あなたは愛されて生まれてきた存在」

妊婦体験を通して実感させたかったのは、きっと「母親の愛情」だったのでしょう。


理想の性教育は「命の教育」

授業参観の後半は「思春期で起きる体の変化」について。

性教育といえば定番ですよね(笑)。しかし、この日はアプローチの仕方が少し違いました。


「女の子は思春期になると胸が大きくなりますね。」と、先生が話し始めます。

それまで賑やかだった子供達の声が一変し、恥ずかしそうな笑い声に。


「笑うことじゃないのよ!」と、語気を強める先生。

「女の子は胸が大きくなる時、とても痛いの。だから男の子はむやみに触ったり叩いたりしては絶対にダメ。」

「もし、むやみに触ったり叩いたりしたら、成長中の乳房組織が破壊されて、赤ちゃんが生まれても授乳ができなくなってしまうかもしれないのよ。」

「将来、誰かのお嫁さんになるかもしれない女の子達なんだから、大切にしてあげないといけないよ。」


そう語る先生の言葉は、母親である私でさえ、全く意識すらしなかったことでした…。

ちなみに先生は、高校生の娘さんがいる先輩ママ。

「今」しか見えない子供達に、「先(未来)」のことまで考えさせる重要性を感じました。

性教育では、お互いを大切に思う気持ちを育てよう

「性教育」と聞くと、いやらしいもの、恥ずかしいもの、といったイメージばかりが先行しがち。

多くの家庭において「性」の話はタブー視されることが多く、子供にきちんと教育できていないのが現状です。

しかし本来、性教育とは最も大切な「命の教育」。


「あなたも私も、親から愛されて育ってきた大切な存在」

「成長したら誰かのお嫁さんやお婿さんになるんだから、お互いの身体を大切に扱わないとね」


子供に伝えるべきことは、本来シンプルなのかもしれません。

我が家もこれからは、「自分と他人を大切にする命の教育」を行っていこうと思いました。

妊婦体験ジャケットは自治体でレンタル可能

今回使用した妊婦体験ジャケットや新生児人形ですが、自治体で貸し出している場合が多いようです。

もし授業やイベントで使ってみたい方は、自治体のホームページや電話で問い合わせてみると良いかもしれません。