TOP >> 家庭円満・家族愛・育児 >>

子どもの視力低下が増えている!原因と予防法について

子どもの視力低下が増えている!原因と予防法について

子供の視力低下が増加している原因と予防法について解説します。

子供には、ちゃんと視力検査を受けさせること!

これは、小さい子供(乳児〜小学校低学年)のいるパパさん・ママさんたちが、特に気をつけなければならない点です。

小さい子供は、目が悪くてもそれに気が付かないことが普通。

生まれつき "物がハッキリと見える世界" を知らない場合、周囲の物がボヤ〜っとしか見えない目の異常を抱えていたとしても、「自分の目が悪くて物がハッキリと見えない」・・・なんて想像もつかないですよね?


ところで、「目」だけではなく全ての病気に言えることですが、病気の治療は早ければ早いほど完治の確立が上がります。

そして目においては、小学校入学以降に治療を始めた場合、視力の回復が見込めなくなってしまう症状もあるんです!(詳細は後述)

子どもの視力低下が増えている!原因と予防法について

視力検査は小学校入学前に必ず受けさせよう

外からの光を、脳に伝える電気信号へと変換する「視細胞」。

目が見えるためには欠かせない組織なのですが、なんと産まれたての赤ちゃんは、この視細胞が未熟な状態。つまり視力がほとんど無いんです。

視細胞は、産まれた直後から急速に発達し、次第に発達速度が緩やかになっていきます。そして大体小学生頃にもなれば、視細胞の発達は止まり、目の組織が出来上がります。

そのため、 近視・遠視に限らず白内障や緑内障といった目の病気についても、8歳以降の治療開始では、完治の見込みが極端に低くなってしまうんです!

小児眼科の専門医は、遅くても2〜3歳までに「初めての視力検査」を受けさせることを推奨しています。

実は洒落にならないまつ毛の異常(逆さまつ毛)

目の周囲に生えている「まつ毛」。

このまつ毛は、目に汗やゴミなどが入ることを防止する機能のため、本来ならば 目の外向きに生えていなければなりません。

しかし、何らかの影響でまつ毛が 目の内向きに生えてしまい、目を傷つけてしまうことを「逆さ まつ毛」と呼びます。


逆さまつ毛が目の表面をチクチク刺すことで、涙、充血、炎症、目やにの原因に。

そして酷い場合には、逆さまつ毛が角膜を大きく傷つけてしまい、光を眩しく感じるようになってしまったり(=レーシック手術の副作用と同様)、視力を落とすことすらあるんです!


また、いくら「逆さまつ毛が目に悪い」とはいっても、パパ・ママが家で子供の逆さまつ毛をハサミで切ってあげることは、絶対にやってはダメ。

ハサミで切ったことにより、逆さまつ毛の先端は鋭くなってしまいます。そのため一時的には症状が改善するものの、まつ毛が再度生えてきた場合、一層激しく目を刺すようになってしまうんです。

子供が逆さまつ毛で苦しんでいる場合は、とにかく早急に眼科へGO!

子供のうちからメガネを掛けさせると、視力がもっと悪くなる?

まことしやかに囁かれている目の噂の一つに、「子供のうちからメガネを掛けさせると、視力がもっと悪くなる」というものがあります。

結論から言ってしまえば、「幼児期のメガネ着用」と「視力低下」には、医学的に何の関連も報告されていません。

少々専門的な内容になりますが、人の目は「網膜」と呼ばれる部分に外からの光を映し出し、それを「視細胞」の働きで電気信号に変えて、物を認識しています。

近視・遠視といった症状は、網膜に光を映す際にピントがずれ、ボヤけてしまっている状態。

そしてメガネとは、このずれてしまったピントを レンズの力で補正するための道具です。


メガネが目の負担を軽減することはあっても、目に負担を掛けることはありません。

※ あまりに度の強いメガネを着用していると、メガネ中央部と縁とで歪みが発生し、目に負担が掛かることがあります。ただし、小さな子供では余り考えにくいため割愛します。


むしろ、子供のうちに適切なメガネを掛けさせないでいると、目や脳の「モノを正しく認識する機能」に異常をきたし、弱視になってしまう恐れがあります。こちらの方がより注意が必要です。

※ 弱視:どんなに度の強いメガネやコンタクトレンズを装着したり、レーシック手術を行っても、視力が悪いままで戻らない目の病気。

子供の視力が悪くなる原因

「メガネ装着が原因でないなら、何故うちの子の視力はどんどん悪くなるの〜?」という疑問にお答えします。

そういう場合は、ずばり「お子さんの生活習慣」を見直してみてください。

寝そべって目の近くでゲーム・読書を長時間行い、目に疲れが溜まったままで寝てしまってはいませんか?

目の近くで物を見ることがダメなのではなく、目に疲れを溜めることがダメなんです。(下記「仮性近視」を参照)


また、食生活が偏ってはいませんか? 砂糖の摂り過ぎやビタミン不足は、視力に大きな影響を及ぼします。

生まれつき目の異常がなく、後天的に近視になった子供の場合、こうした「生活習慣の乱れによる視力低下」がほとんどです。

仮性近視(偽近視)とは?

"近視に似ているけれど近視ではない"という意味から「仮性近視(偽近視)」と呼ばれている目の症状があります。

これは「目を酷使したせいで、一時的に近視に似たような状態に陥ってしまう」こと。

そのため仮性近視の状態であれば、目の疲れを取りさえすれば、元の正常な視力を取り戻せます。

しかし…、上で挙げたような「目に疲れを溜める行動」が習慣化されていると、仮性近視が本当の近視になってしまうんです。

例え薄明かりの中で細かい字の本を読んだとしても、その後キッチリ目の疲れを取りさえすれば、視力に影響を与えることはありません。

視力低下の予防法

  • 目の周囲にあるツボをマッサージする
  • 遠くの風景を見る
  • 温かいタオルと冷たいタオルを交互にあて、目の血行を良くする 等

子供が目を酷使していると感じる際は、必ず目の疲れを取ってあげるようにしましょう。

近視は遺伝する?

近視には幾つかの種類があり、そのうちの「軸性近視」と呼ばれる近視については、遺伝の影響を大きく受けることが分かっています。

この場合「生まれつきの近視」ということになりますが、・・・少々困難とはいえ治療によって視力を回復させることができるので、軸性近視といえど悲観する必要はありません。


また「屈折性近視」と呼ばれる近視については、"屈折性近視になりやすい遺伝子" というのが存在し、その遺伝子は親から子へと受け継がれます。

しかし、いくら近視になりやすい遺伝子を受け継いでも、その遺伝子を発現させるか否かは、環境や生活習慣が大きく関わってきます。

家族中が同じように"近視になりやすい遺伝子"を持っていたとしても、「パパ・ママ・兄弟たちはみんな目が良くて、私だけ近視」ということは十分にありえることなんです。

上でご紹介した視力の悪くなる原因を取り除き、目を酷使してしまった後は、必ず目のケアをするようにしましょう。

そうすれば、遺伝による屈折性近視への影響は、ほとんど無視できるようになりますよ!

この記事のまとめ

子どもの視力低下が増えている!原因と予防法について
  • 視力検査は小学校入学前に必ず受けさせよう
    生まれつきの白内障や緑内障は、8歳以降の治療開始では、完治の見込みが極端に低下します。遅くても2〜3歳までに"初めての視力検査"を受けさせることを、小児眼科医が推奨しています。

  • 実は洒落にならないまつ毛の異常(逆さまつ毛)
    逆さまつ毛は、視力低下・光を眩しく感じる症状を引き起こす場合があります。また、子供が苦しんでいたとしても、決して親がハサミで逆さまつ毛を切ったりしてはダメ。早急に眼科を受診しましょう。

  • 子供のうちからメガネを掛けさせると、視力がもっと悪くなる?
    "幼児期のメガネ着用" と "視力低下" には、医学的には何の関連も報告されていません。むしろ、子供のうちに適切なメガネを掛けさせないでいると、目や脳の"モノを正しく認識する機能"に異常をきたし、弱視になってしまう恐れがあります。

  • 子供の視力が悪くなる原因
    目を酷使し、目に疲れを溜めていませんか?食生活が偏っては居ませんか?後天的に近視になった子供のほとんどが「生活習慣の乱れ」が視力低下の原因となっています。

  • 近視は遺伝する?
    「軸性近視」の場合は生まれつきの近視となりますが、治療によって視力回復が可能。また「屈折性近視」については、"屈折性近視になりやすい遺伝子"が親から子へと受け継がれますが、その遺伝子を発現させるか否かは、環境や生活習慣によるものが大きいです。


「人は外からの情報の80%以上を目から取得する」と言われるほど、目はとても大切な器官。

子供が小さいうちは、親が責任を持って子供の目(視力)を守ってあげないとですね♪