自閉症スペクトラム障害の原因「抗生物質と添加物」
自閉症スペクトラム障害(ASD)
症状は人それぞれで、同じ病名だとしても全然違います。
細分化した呼び方もありますが、分類に当てはめすぎると子供の可能性を奪いかねません。
ここでは統一してASDとさせていただきます。
乳幼児期の中耳炎治療で自閉症に
中耳炎の治療で使われる「抗生物質」が意図せずASDを発症させている要因の一つだと明らかに。
厳密にいえば、抗生物質の投与後 腸内で増殖したクロストリジウム属の細菌が分泌した神経毒によるもの。
全員が同じように発症するわけではありませんが、健常者の腸内にも住んでいる細菌で 通常悪さをすることはありません。
防腐剤がASDの発症に関係している
薬品および、パンや牛乳などの食品で使用されている防腐剤(プロピオン酸)がASDの発症に関係していることが分かっています。
自閉症児は腸内で増殖したクロストリジウム属の細菌に反応し、プロピオン酸を摂取しようとした結果 パンを好むことが多いとみられる。
グルテン(小麦粉)やカゼイン(牛乳)も症状を悪化させる可能性があり、これらに含まれるタンパク質が原因か、プロピオン酸が原因かは、はっきりしていません。
いずれにせよ、パンや牛乳はASD発症のリスクを高めます。
腸内細菌叢の崩壊が引き起こしたASD
抗生物質の投与により腸内細菌叢が乱れ、空いたスペースを埋めるように特定の細菌が繁殖。
通常では問題のない細菌が勢力を増すことで、さまざまな病気へと発展します。
ASDもそのひとつ。
胃腸障害を併発するケースも多く、腸内フローラの関わりは否定できません。
研究段階の治療法
腸内細菌叢の崩壊が原因であれば、それを再生すれば治るのではないか?
残念ながら学童期を迎えてしまった子どもが改善される可能性は期待できませんが、乳幼児期であれば期待できます。
多くの子どもたちを救うべく、腸内フローラの研究が進められています。
予防として、抗生物質や添加物をさけることがASD発症のリスクを下げます。
腸内細菌叢の崩壊が不安やうつ病を引き起こす
成人であっても抗生物質の曝露が腸内環境を乱し、さまざまな病気の原因となっている可能性があります。
幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」をつくる「トリプトファン」の破壊を阻止している細菌が腸内に存在。
それらの細菌が抗生物質などの曝露により減少すると精神関連病を発症するリスクが上がります。
腸の異常が脳に影響を及ぼす
性格が正反対のマウスを使った腸内細菌を入れ替える実験によれば、入れ替えた直後マウスの性格が入れ替わったような行動を示しました。
「脳」は特別視されがちですが、腸で分泌された物質が脳に対する強い影響力を持ちます。
分泌された神経伝達物質が脳に届くと、その機能に異常をきたすことが分かりました。
腸内環境が精神状態にも大きく関わっています。
「こころの病」はからだの病気
うつ病など「こころの病」と言われる病気の数々。
それらが腸内細菌によるものだとしたらどうでしょう?
多くの実験により、こころの病と腸内細菌の関連性が明らかにされつつあります。
将来的には「からだの病」として認識されることでしょう。
うつ病を治すための食事改善と生活習慣
たんぱく質とマグネシウム
タンパク質はあらゆる細胞をつくるのに必要です。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌させるためにもタンパク質が有効とされています。
色んな料理に使えて手軽なのは「かつおぶし」
ほかにも大豆製品やナッツ類、各種お肉など。
※豆乳(生の大豆)は毒素を多く含むのでおすすめしません。
マグネシウムは消化・吸収・代謝などに関わる酵素に必須のミネラル。
これが不足すると認知や感情を不安定にさせます。
和食に多く含まれるマグネシウムですが、食べ物以外にも入浴剤「エプソムソルト」が有効です。
適度な運動と断薬
日光を浴びながら運動することで自律神経を整え、セロトニンの分泌を促進させましょう。
腸内フローラを改善するためにも、可能であれば薬の使用をやめることです。
現在処方されている薬がある場合は独断で中止せず、必ず医師と相談してください。
大切な人を守るためにできることは、他人(医者)に丸投げせず、自分自身で考え・調べ・行動することです。
<参考文献>ピックアップ
MacFabe, D. F. et al. (2007). Neurobiological effects of intraventricular propionic acid in rats: Possible role of short chain fatty acids on the pathogenesis and characteristics of autism spectrum disorders.
Bercik, P. et al. (2011). The Intestinal Microbiota Affect Central Levels of Brain-Derived Neurotropic Factor and Behavior in Mice.
Jinxing, L. et al. (2022). Antibiotic cocktail-induced gut microbiota depletion in different stages could cause host cognitive impairment and emotional disorders in adulthood in different manners.
Alhusaini, A. et al. (2022). Acetyl-L-carnitine and/or liposomal co-enzyme Q10 prevent propionic acid-induced neurotoxicity by modulating oxidative tissue injury, inflammation, and ALDH1A1-RA-RARα signaling in rats.
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Nielsen, F. H. (2018). Magnesium deficiency and increased inflammation: current perspectives.