「夏の養生法」東洋医学養生スペシャリスト監修

夏は5月・6月・7月

日本では梅雨の時期が重なり、湿度の高い夏として特徴的です。長夏・夏の土用という表現もあります。

各地 梅雨の時期も違いますし、夏の季節感も大きく異なります。

養生する上で「夏は○○日から〇〇日まで」と断定できるものではないので、それぞれの環境に応じて変えていく必要があります。

夏の特徴

暑さが長く続き、雨が多くなる季節。

植物は活発に成長します。家庭で育てている植物は水分不足になりがちな時期。

エネルギーを消耗すると同時に老廃物を発散します。より多く とり入れ、より多く循環させることが必要です。

ただし、強い熱や湿度は からだへの大きな負担に。

春の養生法で夏の準備をすれば、厳しい暑さも少し緩和できるでしょう。

夏の養生

厳しい暑さの中、循環を良くして健康を保つ夏の養生法3選。

夏の養生法①「汗をかく」

汗をかいて体内の熱を逃がすこと。無理に汗をかくのではなく、冷房の使い過ぎに注意してください。

体表が冷えても 体内の熱は冷えず、こもったまま。その状態で炎天下に出れば熱中症の危険が。

会社等のエアコンで どうしても調整できない場合、上着やひざ掛けなどをして冷やしすぎない工夫も必要ですね。

「てぬぐい」は汗の吸収力も高く 乾きも早いため、夏にかかせないアイテムです。

▷筆者愛用の てぬぐい「手ぬぐいの濱文様

夏の養生法②「水分の多いものを食べる」

夏の旬は水分を多く含み、自然に熱を冷ましてくれます。

きゅうりやナスなど、栄養がないと言われがちですが 東洋医学的には非常に価値の高いものです。

冷たい飲み物や食べ物を とりすぎると胃腸が冷えてしまい、消化不良の原因となります。

消費が増えているのに 吸収が減ってしまえば、からだに追い打ちをかけることに。

快適すぎる生活は養生するうえで大きな壁となります。

夏の養生法③「足を温める」

年間を通して足を冷やさないことは大切ですが、特に夏は意図的に足を冷やしがち。

夏はサンダルなどで足を露出する機会が多くなります。

クーラーの冷気なども足を冷やす原因に。

夏の冷えは秋冬に持ち越されやすく、冷え性・むくみ の原因にもなります。

入浴や足湯、睡眠時に靴下をはく などの冷え対策をしましょう。

夏の食材

東洋医学(漢方・薬膳)的な食材の見方は 栄養学と大きく異なり、食材そのものの特徴をとらえ 積み重ねられてきた臨床データの集大成です。

【きゅうり】

余分な熱を冷まし 炎症を抑える。水分代謝の改善で むくみにも良い。

【茄子】

暑さを和らげ、乾き・ほてり・イライラ などに効果的。にきびなどの吹き出物にも良いとされる。

【らっきょう】

お腹の張りやストレスを緩和。消化器を温める作用があり、腹痛予防にも。

【トマト】

水分を補い、余分な熱を取り除く。胃の働きを整える効果も。

【ゴーヤ】

熱を取り除く効果がつよい。のぼせ や ほてり・炎症などに良い。

食材について詳しくは食養生カテゴリーで個別に解説(準備中)

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