養生とは?東洋医学における意味と価値

養生とは

養生(ようじょう)とはどんな意味でしょうか。

病気を予防する

養生とは、大切なものを大切に扱うことであり、病気になる前に健康の維持・増進を心がけることです。

東洋医学ではこの「病気になる前」の状態のことを"未病"と言います。

調子がすぐれなくて病院に行って調べてもらっても異常が無いってこと、ありますよね。

医者にも「カゼですかね〜」とか「歳のせいですね」などと言われることがあるかと思います。

健康は人類の課題

古代の医学書でも、この未病の段階で病気にならないようにする「養生」が医療において最も重要だとされています。

昔から「人々の健康」が大きな課題だったということが分かりますね。

中国【黄帝内経(こうていだいけい)】

韓国【東医宝鑑(とういほうかん)】

どちらもユネスコの世界記録遺産に登録されています。

《黄帝内経;現存する中国最古の医学書・2011年ユネスコ世界記録遺産登録》

《東医宝鑑;約14年の歳月をかけて編纂された実用的医学書・2009年ユネスコ世界記録遺産登録》

日本の著書として『養生訓』という、いわば健康管理の実践書は 昔からよく読まれています。

未病とは

未病とは「病気になる前の状態」

具体的にはどんな状態のことでしょうか?

  • 体がだるい
  • 目覚めが悪い
  • 頭が痛い
  • のどが痛い
  • 下痢や便秘
  • 肌が荒れる
  • 手足がむくむ

などなど、あげていけばキリがありません。

日常生活における些細な変化を"未病"として捉えることができます。

他にも

  • イライラする
  • ちょっとしたことで驚く
  • 悩み事で夜も眠れない

精神的な変化も同様に"未病"として捉えます。

未病を治す

黄帝内経を例にあげると、「聖人不治己病治未病」という言葉があります。

「賢い人は病気になってから治すのではなく、未病のうちに治す」

という意味です。

健康問題は死活問題

古代では特に、「病気=死」だったでしょう。だとすれば もちろん、病気になる前に体を心配して当然ですよね。

当時はおそらく医者も少なく、現代のような医療制度なんて無い時代。

医療を受けられる人も限られていたのではないでしょうか・・・

「病気になってから考える」は遅い

現代では医療技術の発達により「病気=治してもらえる」ものへ。

病気になる前に体を心配する人はどんどん少なくなりました。

結果、現代では病気が複雑化・慢性化してしまっているのではないでしょうか・・・

医療技術がこれほど進歩したにも関わらず、病気に悩む人が減ることなく むしろ増加しているのは

現代人の"病気・健康に対する無関心"あるいは"誤った健康法"ではないでしょうか。

見つめ直すべき我々の意識

万人に有効な食品は存在しない

テレビ番組などで以前、見かける機会の多かった「スーパーフード」。

これを食べれば健康になる!という謳い文句は正にその代表的存在と言えるでしょう。

テレビ放送の後はその食材が売り切れてしまう!なんてことも目の当たりにしてきました。

健康状態・体質などは人それぞれ。

自分に適した健康法かどうか分かりませんし、いくら体に良い食べ物だとしても それを"吸収できるからだ"でなければ意味がありません。

まずは自分自身を知ることから

いろんな健康法を試す前に 自分が今どんな健康状態なのか を把握する必要があります。

それが養生への第一歩と言えるでしょう。

それを いち早く理解し、健康に対して自ら関心を持って行動する人がどんどん増えてきています。

これからは、病気を治すことにお金と時間を使うのではなく、健康な生活を送るためにお金と時間を使う時代です。

変化する医療制度に対応する

実際、日本の医療制度は超高齢化社会により崩壊しつつあり、国の政策として国民の健康を維持・増進する事業に力を注いでいます。

「もらえるものはもらっておけ」という姿勢でいては後々自分が損をするだけです。

もらわなくてもいいように健康を維持・増進してこそ、日々の生活が充実します。今からでも遅くはありません。

今までの生活に「養生」を プラス してみませんか?

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