【認知症】東洋医学による予防方法と関わり方

増え続ける認知症。どう予防し、どう関わればいいのでしょうか?

2019年予想では認知症患者462万人・MCI(軽度認知症)400万人と言われています。

厚生労働省によれば、2025年には700万人もの方が認知症になる可能性があるとのこと。

団塊の世代が一気に後期高齢者(75歳以上)になるタイミングも関係しているようです。

さらにショッキングなのは、高齢者虐待の約7割が認知症もしくは認知症が疑われる高齢者に対するもの、だそうです。

一人でも多くの人が「認知症」に対する理解を深め、関わり方を考えてくださるよう願います。

認知症とは何か

私たちのさまざまな日常生活をコントロールしてくれる「脳」

認知症とは、脳の細胞が死んでしまったり 機能が悪くなってしまったことによって、日常生活に支障が出ている状態のことを言います。

認知症を引き起こす主な病気は

  • 変性疾患<アルツハイマー病・レビー小体病 など>
  • 脳血管障害<脳梗塞・脳出血・動脈硬化 など>

認知症の5大症状

1. 記憶障害

記憶の入れ物にフタがされてしまい、新しいことを覚えられなくなります。

病気が進行すると入れ物が壊れ、入れられていた記憶を失いはじめます。

通常の老化では記憶の出し入れに手間取るものの、記憶そのものは失われていない点で大きく違います。

2. 見当識(けんとうしき)障害

時間や日にち、季節感が薄れていきます。

病気が進行すると道が分からず迷子になり、最後は家族の顔や自分との関係まで分からなくなってしまいます。

3. 理解・判断力の障害

  • 考えるスピードが遅くなる
  • 情報量が多いと混乱する
  • いつもと違うことが起こると混乱する
  • 頭で分かっていることが行動と結びつかない

4. 実行機能障害

  • 計画を立てられない
  • 順序立てた行動ができない

料理をするために買うべき食材を決めることや、複数の料理を同時につくることが難しくなります。

5. 感情表現の変化

周囲の状況や言葉のやりとりが理解できず、怒っていないのに怒られていると勘違いするなどして 突然激しい感情を表現することがあります。

こういった症状があることを理解した上で、実際どう関わればいいのか・予防する手立ては無いのか。次の項目にまとめました。

まわりの人の関わり方

認知症は本人が一番自覚している

少しずつ物忘れや小さな失敗が増えてきて、おかしいと感じるのは他の誰でもなく本人です。

忘れていることすら分からないのではなく、分かっていてもどうすることもできない もどかしさを理解することから始めましょう。

「忘れていない!」という言葉に込められた悲しみ

自分が認知症だと分かってはいても、それを認めたくない辛い思いを抱えていることが多いです。

自分の望み通りにいかないことがあった時、誰だってそれを認めたくありませんよね。

誰にだって できないことはある

誰にでも できないこと、苦手なことはあります。

それをできる人が支えることによってこの社会、あるいは世界が成り立っています。

特別扱いすることが善いことではなく、できないことを自然に手伝ってあげるのが善いのではないでしょうか?

認知症予防に東洋医学が活躍する

認知症は、再生させることができない神経細胞を破壊してしまうため、発症してしまうと完治できない病気と言われています。

しかし、今からでも予防や発症後の症状を和らげることはできます。

その一つとして、ここでは東洋医学(鍼灸治療)を取り上げさせて頂きます。

こころに届く鍼灸治療

西洋医学が拡がる前、多くの人々の生活を支えてきた東洋医学。

最新の研究では西洋医学と協力し合い、さらに多くの人々を救うことができるのではないかと期待されています。

その中でも鍼灸治療は、受け継がれてきた伝統と、西洋医学的な治療法をかけあわせて進化し続けています。

特に西洋医学では治療できない「こころ」の治療に大きな期待が集まっています。

刺さない鍼で高齢者でも安全な治療

鍼(針)と言えば「刺す」のが当たり前ですが、鍼灸治療の中には「刺さない鍼」が存在します。

これは古来から受け継がれているもので、「刺す」ことだけが治療ではなく、「いかに刺激を与えるか」が重要だからです。

ちょっとしたことで感染症の危険がある高齢者でも安心して治療をうけることができます。

鍼灸治療によるエビデンス(科学的根拠)はまだまだですが、多くの良い結果を残し、今後の認知症予防に期待され始めています。

認知症に関するお問い合わせ・虐待を発見された方は、お近くの「地域包括支援センター」にご相談ください。

皆様の健康に少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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