現代人を苦しめる「アレルギー」
ときに命まで脅かす厄介者・・・
子供のアレルギーも増え続ける一方です・・・
そもそもアレルギーって何?原因は?予防する方法はないの?
体のつくりから分かるアレルギーのあれこれ
アレルギーとは何か
※ここで言う「アレルギー」とは、一般的によく耳にするアレルギーについてです。
簡単に説明すると、からだに侵入してきたモノに対して過剰に反応してしまうこと。
からだにとって害のない物質まで免疫細胞が攻撃して起こります。
免疫細胞が活発になった結果、発疹・かゆみ・鼻づまり・のどづまり・・・などの症状が現れます。
戦った相手が悪者なら問題ないのですが、そうでないのが問題です。
害が無いのになぜ攻撃するのでしょうか・・・?
アレルギーの原因と予防策
アレルギーを起こすモノに触れさせないことは、正しい予防策になるのでしょうか・・・?
答えは NO です。
アレルギーになってしまった場合の苦肉の策として「触れさせない」ということはあっても、アレルギー体質にさせないための予防策にはなり得ません。
なぜアレルギーが こんなにも多くの人を苦しめることになったのか・・・
原因を知ってこそ予防できます。
私たちの中にいる免疫細胞は、なぜ害が無いモノに攻撃するのでしょう・・・?
もちろん、害のある多くの病原菌やウイルスなどを攻撃してくれる 頼れる味方でもあります。
アレルギーの根本原因は経験不足
ひとことで言えば「アレルギー」は、免疫細胞のミス。
攻撃する相手を正しく区別できず、間違った相手を攻撃してしまうのです。
では免疫細胞がミスをする原因とは何でしょうか?
「経験不足」です。
※免疫細胞の経験以上に人間の90%をしめる微生物の影響が大きいことが明らかに。
ただし厄介なのは、ミスをする細胞に対して「経験」させることでは簡単に解決できません。
彼らはミスを犯していることに気が付いていない・・・
赤ちゃんは免疫訓練をしている
有害なものも、無害なものも、いろんなモノと戦って免疫細胞は学習していきます。
免疫細胞の学習は大きく二段階あるとされ、
一段階目は「胎児期」
二段階目は「乳児期」
ほとんど外敵のいない安全な胎盤の中で「クローン除去」と呼ばれる第一期の免疫訓練が行われています。
胎児自身のからだから分離した害のないモノを免疫細胞に見せ、それを攻撃してしまった免疫細胞は脱落していきます。
第二期の免疫訓練は実地訓練です。
本当の敵がたくさん襲ってくる中で、有害なものか無害なものか見極めるちからをつけます。
この過酷な訓練を助けてくれるのが「母乳」です。
母乳の中には多くの免疫細胞が含まれています。
菌にたくさん触れることで予防できる
人類の発展と同時に、私たちは「バイキン」を排除するよう努めてきました。
子供がなんでもかんでも口にモノを入れることを叱ってきました。
手にふれるものは すぐ除菌。
徹底された衛生環境の中で私たちは大人になり、子供にそれを教えます。
免疫細胞たちの訓練する機会が少なくなり、平和ボケしたまま大きくなった彼らは害のないモノまで攻撃するように・・・
(これは「衛生仮説」とよばれ、最も有力な説とされる)
※衛生仮説をアップデートした「旧友仮説」(古くから友好関係にあった微生物たちのコロニーが減少する)が最も有力。
※極端な衛生環境による点は同じく、結果として腸内細菌叢が乱れることを問題とする。
乳児期の母乳に守られた環境の中でどれだけ訓練をさせてあげられるか!がポイントになります。
目先の心配より将来のために
小さい子が熱を出すことは良いことです。もちろん熱を出したら心配・・・
子供の熱は元気の証!免疫が正常に働いている証拠です。
「子供のために綺麗にしておきたい」よりも「子供の将来のため」を想って極端な清潔環境をつくるのをやめましょう。
わたしたちは自然界に勝つことはできません。
からだの仕組みを知り、自然界のちからを知り、共存できる私たちでありたいと願っています。